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第1部 転移者
第14話 進化
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う~ん!眩しい。
朝になり私は目を覚ました。
いきなり転移初日から野営だなんて、聞いてないよ~。
立ち上がり周りを見渡す。
起きだしてきたヤルコビッチさんや、冒険者のゲオルギーさん達と目が合う。
「あっ、おはようございます!」
そう私は挨拶をしたのに、ゲオルギーさん達はこちらを見て呆然としている。
そして私の後ろを指で指している。
どうしたのだろう?
振り向くとワンコ達がおかしい?
あれ、みんな一回り大きくなってない?
ゲオルギーさんが近づいて来てこう言う。
「シルバーウルフ達が進化しているな」
「進化ですか?」
よく見ると銀色のワンコは銀色の毛並みから、鋼の様なピカピカの毛並みに。
そしてワンコ部下A、B、C、Dは額から1本角が生え、白から銀色の毛並みになっていた。
「そうだ。また一回り大きくなり、ランクが上がっている。もう大隊規模の魔物だ」
「どうして進化したのでしょうか?」
「さあね。何か特別なことを昨日、しなかったかい?」
う~ん。特別なこと?
「特にありませんけど。昨日、名前を付けたくらいかな」
「名前を付けただと!!」
どうしたのだろう?
普通、ペットには名前を付けるよね?
「それを魔物達は受け入れたと言うのだな!!」
何を言ってます?
アレクサンデルさん達みんなが集まってくる。
「良いかいスズカさん。普通は魔物に名前は付けないんだ」
「どうしてですか?ゲオルギーさん。シルバーウルフも名前だと思いますけど」
「それは種族名さ。俺達も人族だけど、名前は親が付けるだろう。それと同じで個別に名前を付けると言うことは、魂が繋がると言われているんだよ」
ゲオルギーさんの言うことはこうだ。
『名付け』は力を持つ上位の調教師が、格下の魔物に名前をつけることみたい。
名前をつけられた魔物は『名持ち』の魔物として、1ランク以上の力を手に入れ進化する。
しかしその条件は調教師は魔物より上位であることになり、名前を受け入れるだけの信頼関係が築かれていることが条件となる。
と、こんな感じの話ね。
「そうなるとスズカさんは、シルバーウルフよりも強いことになる」
え~、まさか?!
「そんな~。こんな乗れそうな大きさの、ワンコ達より強い訳がありませんよ」
「まあ、そうは見えないよな。では調教師の能力がよほど高く、信頼されているということかもしれないな」
スズカには分からなかった。
シルバーウルフ達にしてみれば、自慢の噛みつき攻撃が効かない人族が居ると。
しかもその人族から餌付けされれば、従わない訳にはいかないことを。
さて、シルバーウルフ達と私は仲が良いから進化した、ということが分かったから朝食を食べようかな。
なにを食べようかな?
でも火が無いところで食べられるのはパンくらいしかないわ。
仕方がない。
私はネットスーパーで、ジャムパンとクリームパンと牛乳を購入した。
視線を感じ顔を上げると、ヤルコビッチさん達の熱い視線が…。
「みなさんも食べますか?」
「も、もちろんです」
「お願いします!!」
そう言われ私はジョヴァンニさんとイングヴェさんには、ワンコスペシャルとニャンコスペシャルをお皿に入れて差し出す。
「おぉ、またこれが食べれるとは?!」
「毎日でも食べたいくらいです。王都に行ったらお店を出せばいいのに…」
え~、ペットフードの店ですか?
「このご飯は腹持ちが良くて、また食べたくなりますよ」
まあドライフードは水分を摂れば胃の中で膨張して、消化するまでに時間が掛かるからね。
「それは良い!!今までにない画期的な店になりますぞ!!」
ヤルコビッチさんまで言っているけど。
まあ、ないでしょうね。
誰が来るのよ。
「犬、猫族用の食事は後、どのくらい在庫がありますか?」
どのくらいと言われても…。
お金の続く限りです。
ま、少し多めに言っておこうかな。
「そ、そうですね。餌は…、あっ。食事は1日100食出たとして、30年くらい分はあります」
「そんなにですか?!それでは食材が、それまでに駄目になってしまいますが」
「あっ!それなら大丈夫です。封を切らなければ、風味が変わることが無い長期保存型の食材なのです」
と、言っておこう。
「そんなものがあるのですか?まるで魔法のようです」
「技術の向上は魔法の様な物ですから…」
げふ、げふ、げふ、
「それは凄い。どうですスズカさん。王都に着いたらお店を出しませんか?」
「お店ですか?」
「えぇ、シルバーウルフを従えるなら冒険者登録は必要です。しかし冒険者で生活するのは大変なことです。それに依頼を受けるにしろ、1人ではなく数人でパーティを組まないと受けることは難しいでしょう」
「そうですか」
「それにパーティを組めるような、信頼できる知り合いは居ますか?」
「いいえ、おりません。それに争いごとは苦手です」
「それなら冒険者で居られるための最低限の依頼を受けて、後は食堂をやるのはどうでしょうか?」
「それは良いですね。私も働かないと生活できませんから」
「丁度、以前私が店として使用していた場所が空いていますので、お安く提供いたしましょう」
「それはありがとうございます。よろしくお願いします」
それから私はヤルコビッチさん分の、ジャムパンとクリームパンと牛乳を出した。
「このパンはいいですね。食べてみるまで、何が入っているのか分からないとは」
いえ、わかります。
袋に書いてありますから。
「この牛乳と言うのはなんですかな?」
「牛のお乳です」
この世界にも牛は居るのかな?
「ほうムッカ(牛もどき)のお乳ですか?これほど美味しいとは」
【スキル】異世界言語の能力により、該当する物に言葉が変換される。
牛みたいな動物もいるのね。
「特にこの牛乳はパンに合いますね。ムッカを飼って畑仕事をしている人達には、新たな副業ができそうです」
あ?、いえ、加熱処理とか管理が大変だと思いますけど。
「まあ、我々には関係のない話ですが」
良かった、流してくれて。
牛乳作りするから教えて!とか言われても困るから。
こうして、なんやかんや言いながら遂に王都に向うのであった。
なんやかんやって?
朝になり私は目を覚ました。
いきなり転移初日から野営だなんて、聞いてないよ~。
立ち上がり周りを見渡す。
起きだしてきたヤルコビッチさんや、冒険者のゲオルギーさん達と目が合う。
「あっ、おはようございます!」
そう私は挨拶をしたのに、ゲオルギーさん達はこちらを見て呆然としている。
そして私の後ろを指で指している。
どうしたのだろう?
振り向くとワンコ達がおかしい?
あれ、みんな一回り大きくなってない?
ゲオルギーさんが近づいて来てこう言う。
「シルバーウルフ達が進化しているな」
「進化ですか?」
よく見ると銀色のワンコは銀色の毛並みから、鋼の様なピカピカの毛並みに。
そしてワンコ部下A、B、C、Dは額から1本角が生え、白から銀色の毛並みになっていた。
「そうだ。また一回り大きくなり、ランクが上がっている。もう大隊規模の魔物だ」
「どうして進化したのでしょうか?」
「さあね。何か特別なことを昨日、しなかったかい?」
う~ん。特別なこと?
「特にありませんけど。昨日、名前を付けたくらいかな」
「名前を付けただと!!」
どうしたのだろう?
普通、ペットには名前を付けるよね?
「それを魔物達は受け入れたと言うのだな!!」
何を言ってます?
アレクサンデルさん達みんなが集まってくる。
「良いかいスズカさん。普通は魔物に名前は付けないんだ」
「どうしてですか?ゲオルギーさん。シルバーウルフも名前だと思いますけど」
「それは種族名さ。俺達も人族だけど、名前は親が付けるだろう。それと同じで個別に名前を付けると言うことは、魂が繋がると言われているんだよ」
ゲオルギーさんの言うことはこうだ。
『名付け』は力を持つ上位の調教師が、格下の魔物に名前をつけることみたい。
名前をつけられた魔物は『名持ち』の魔物として、1ランク以上の力を手に入れ進化する。
しかしその条件は調教師は魔物より上位であることになり、名前を受け入れるだけの信頼関係が築かれていることが条件となる。
と、こんな感じの話ね。
「そうなるとスズカさんは、シルバーウルフよりも強いことになる」
え~、まさか?!
「そんな~。こんな乗れそうな大きさの、ワンコ達より強い訳がありませんよ」
「まあ、そうは見えないよな。では調教師の能力がよほど高く、信頼されているということかもしれないな」
スズカには分からなかった。
シルバーウルフ達にしてみれば、自慢の噛みつき攻撃が効かない人族が居ると。
しかもその人族から餌付けされれば、従わない訳にはいかないことを。
さて、シルバーウルフ達と私は仲が良いから進化した、ということが分かったから朝食を食べようかな。
なにを食べようかな?
でも火が無いところで食べられるのはパンくらいしかないわ。
仕方がない。
私はネットスーパーで、ジャムパンとクリームパンと牛乳を購入した。
視線を感じ顔を上げると、ヤルコビッチさん達の熱い視線が…。
「みなさんも食べますか?」
「も、もちろんです」
「お願いします!!」
そう言われ私はジョヴァンニさんとイングヴェさんには、ワンコスペシャルとニャンコスペシャルをお皿に入れて差し出す。
「おぉ、またこれが食べれるとは?!」
「毎日でも食べたいくらいです。王都に行ったらお店を出せばいいのに…」
え~、ペットフードの店ですか?
「このご飯は腹持ちが良くて、また食べたくなりますよ」
まあドライフードは水分を摂れば胃の中で膨張して、消化するまでに時間が掛かるからね。
「それは良い!!今までにない画期的な店になりますぞ!!」
ヤルコビッチさんまで言っているけど。
まあ、ないでしょうね。
誰が来るのよ。
「犬、猫族用の食事は後、どのくらい在庫がありますか?」
どのくらいと言われても…。
お金の続く限りです。
ま、少し多めに言っておこうかな。
「そ、そうですね。餌は…、あっ。食事は1日100食出たとして、30年くらい分はあります」
「そんなにですか?!それでは食材が、それまでに駄目になってしまいますが」
「あっ!それなら大丈夫です。封を切らなければ、風味が変わることが無い長期保存型の食材なのです」
と、言っておこう。
「そんなものがあるのですか?まるで魔法のようです」
「技術の向上は魔法の様な物ですから…」
げふ、げふ、げふ、
「それは凄い。どうですスズカさん。王都に着いたらお店を出しませんか?」
「お店ですか?」
「えぇ、シルバーウルフを従えるなら冒険者登録は必要です。しかし冒険者で生活するのは大変なことです。それに依頼を受けるにしろ、1人ではなく数人でパーティを組まないと受けることは難しいでしょう」
「そうですか」
「それにパーティを組めるような、信頼できる知り合いは居ますか?」
「いいえ、おりません。それに争いごとは苦手です」
「それなら冒険者で居られるための最低限の依頼を受けて、後は食堂をやるのはどうでしょうか?」
「それは良いですね。私も働かないと生活できませんから」
「丁度、以前私が店として使用していた場所が空いていますので、お安く提供いたしましょう」
「それはありがとうございます。よろしくお願いします」
それから私はヤルコビッチさん分の、ジャムパンとクリームパンと牛乳を出した。
「このパンはいいですね。食べてみるまで、何が入っているのか分からないとは」
いえ、わかります。
袋に書いてありますから。
「この牛乳と言うのはなんですかな?」
「牛のお乳です」
この世界にも牛は居るのかな?
「ほうムッカ(牛もどき)のお乳ですか?これほど美味しいとは」
【スキル】異世界言語の能力により、該当する物に言葉が変換される。
牛みたいな動物もいるのね。
「特にこの牛乳はパンに合いますね。ムッカを飼って畑仕事をしている人達には、新たな副業ができそうです」
あ?、いえ、加熱処理とか管理が大変だと思いますけど。
「まあ、我々には関係のない話ですが」
良かった、流してくれて。
牛乳作りするから教えて!とか言われても困るから。
こうして、なんやかんや言いながら遂に王都に向うのであった。
なんやかんやって?
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