【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ

文字の大きさ
上 下
99 / 128
第12部 産業革命

第98話 今後

しおりを挟む
 俺はアレンの街を出て線路を引いた城門から、セトラー領へ線路を引きながら向かっている。

 手を前にかざし歩く速度に合わせ、目の前の土を収容する。
 排出時にストレージ内で創っておいた、枕木とレールを組み込み歩きながら線路を引いていく。
 やや速足くらいの速さで、線路を引いて走る。

 アレン街道をどんどん進む。
 セトラー街道に交わる道に着けば、そこからはセトラー領まで線路を引いてあるのであと少しだ。

 セトラー街道に交わる道に着き、途中まで引いてあった線路に繋げた。
 そしてアスケルの森の中にある鉱山と炭鉱まで更に線路を引き、セトラー領で分岐器を付け進路変更をできるようにした。

 これで完成。
 それから俺はストレージから自転車を出し、セトラー領まで戻った。


「お帰りエリアス」
 城門に差し掛かると、空からシビルさんが迎えてくれた。
「ただいま、シビルさん」
 俺は門の中に入った。
 
 ダークエルフ子供たちが大人を連れて遊んでいる。 
「ローザお姉ちゃん、エリアス様が帰って来たよ。良かったね」
「まあ、この子ったら」
 そんな会話が聞こえる。

 顔くらいしかダークエルフの人達は知らないからな。
 それでも俺が帰って来たことを喜んでくれるのか。
 嬉しいな。

「シビルさん。悪いけどみんなを、ホールに集めてもらえないか」
「分かったわ、エリアス。待っててね」
 なぜかシビルさんの顔がいつもと違い、はにかんでいるような気がする。
 気のせいか?

 俺は屋敷の中に入り、3階に上がった。
 すると部屋のドアが開き、カロリーナの侍女のナターシャさんが出てきた。
「これはエリアス様、おかえりなさいませ。お迎えにも上がらず申し訳ありません」
「いいんですよ。屋敷には人が居ませんから。私が戻っても知らせに来てくれる人がいませんからね」
 話し声が聞こえたのかカロリーナ、マリー、侍女のサブリナさんが部屋から出てきた。
「お帰りなさいませ、エリアス様」
「ただいまカロリーナ、マリー。体調はどうだい」
「ええ、だいぶ落ち着いてきましたわ」
「私もです」
「それは良かったね」
 カロリーナがつわりが酷く、それんも落ち着いてきたようだ。
 良かった。

「1階のホールに住人に集まってもらうんだ。みんなも来てほしい」
「えぇ、勿論ですとも」


 そしてホールに住民が集まった。
「みなさん、今後の方針をお話しします。まずは…」
 俺はアスケル山脈の麓で炭鉱と鉱山を見つけたことを話した。
 炭鉱から採れる石炭は高温で燃える石で、鉱物を高温で溶かし純度の高い鉄が出来ることを話した。
「アナベルさんが持っているような剣が作れる、てことですか?」
「えぇ、そうです。イーヴァインさん」
「ならほしい、絶対にほしい」
 警備隊のイーヴァインさんが食いついてきた。
 アナベルさんが持っているツヴァイヘンダーは、俺が『創生魔法』で創った純度99.9%の鉄と鋼を混ぜて作った剣だ。
 その剣が作れるようになるかもしれないのだ。

 そう言えば前から警備隊のイーヴァインさん、ゲラルトさん、オズバルドさんは、俺が作る剣が欲しいと言っていたな。
 そろそろ創ってあげようかな。

俺はストレージから、セトラー領とアレン領のジオラマを出した。
そして線路を引き蒸気機関車で山から鉱物や石炭を積み、アレンの街まで運びエリアス商会で売り捌くことを話した。

「これが蒸気機関車ですか、物々しい装備ですな」
 ダークエルフの部族長カーティスさんが言った。
 確かに車体が真っ黒で、真横に槍の刃を出しながら走るんだからね。
 そして車体の側面には大きな鷹が世界を脚で掴み、翼を広げているエリアス商会のロゴが描かれている。
 実物を見たら圧巻だろうな。

 でもそれをやっても我がセトラー領は、あまり変わらないことを話した。
「ではなぜやられるのでしょうか、エリアス様」
 ダークエルフのリーダー格、ディオさんが聞いてきた。
「それはこのセトラー領を存続させるためです」
「それは、どう言うことでしょうか」
「このセトラーは領と言っても人口は村以下です。これから増えるかも分からない。そしてこんな辺鄙なところでは人も来たがりません」
 そこで一息ついた。
「でもここに鉱山ができれば、たくさんお金が働き、大勢の人が働きに来ます。そして鉱山関係や鉱物を加工して生活する人が多くなれば、このセトラー領の価値が上がります」
 機動力に付いても話した。
 歩きで5時間かかるセトラー領とアレン領を、蒸気機関車なら10tの重さの荷物を15分で運べることを話した。
 その機動力を生かし、いずれは各州にも鉄道を繋げ物流を広げる。
 今までなら鮮度が持たないものでも、短時間で運べるなら鮮度が落ちない。
 その蒸気機関車を走らす為には、石炭が必要になることを話した。

 だが俺が居ないと何もできないのでは困る。
 俺の代りに機関車を作ったり、無理ならばせめて整備が出来る人が欲しい事をいった。
 部族長カーティスさんが言う。
「それなら、うってつけの種族が居ます。山小人ドワーフです」

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

【完結】投げる男〜異世界転移して石を投げ続けたら最強になってた話〜

心太
ファンタジー
【何故、石を投げてたら賢さと魅力も上がるんだ?!】 (大分前に書いたモノ。どこかのサイトの、何かのコンテストで最終選考まで残ったが、その後、日の目を見る事のなかった話) 雷に打たれた俺は異世界に転移した。 目の前に現れたステータスウインドウ。そこは古風なRPGの世界。その辺に転がっていた石を投げてモンスターを倒すと経験値とお金が貰えました。こんな楽しい世界はない。モンスターを倒しまくってレベル上げ&お金持ち目指します。 ──あれ? 自分のステータスが見えるのは俺だけ? ──ステータスの魅力が上がり過ぎて、神話級のイケメンになってます。 細かい事は気にしない、勇者や魔王にも興味なし。自分の育成ゲームを楽しみます。 俺は今日も伝説の武器、石を投げる!

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々

於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。 今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが…… (タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

処理中です...