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第12部 産業革命
第96話 尽きることのない夢
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俺はアバンス商会にいる。
そう言えばアイザックさん、大司教ヨハネス様、アルバンさんと話すのも久しぶりかもしれない。
セトラー領主になってから、色々忙しかったりしたからね。
『マヨネーズ』、『味元』、『醤油』、『ソース』は、シャルエル教が人を集めエリアス商会に人材を派遣してもらい作っている。
リヤカー、農機具、キックボードはシャルエル教で、鍛冶、木工職人を集めて作り、エリアス商会が買い取っている。
そしてこれからは自転車、三輪自転車、台所用品のフライパン・鍋・やかんなどを作っていく。
エリアス商会は『マヨネーズ』、『味元』、『醤油』、『ソース』、シャルエル教で作った鍛冶や木工具をアバンス商会に卸している。
アバンス商会は販売網を駆使し、それを売りさばく関係だ。
「では今日ここに来た、本来の目的をお話ししましょう」
「「「 本来のですか? 」」」
アルバンさん以外のアイザックさん、大司教ヨハネス様は驚いた顔をしている。
なぜなら今まで話していたことが、今回の目的だと思ったんだろう。
そんな小さくないよ、俺は。
俺はストレージから、セトラー領とアレン領のジオラマを出した。
セトラー領とアレン領を結ぶ鉄道の話。
蒸気機関車という車を走らせ10tの重さの荷物を、アレン領からセトラー領まで15分で運べること。
そして鉱物や石炭の話。
鉱物がたくさん発掘できれば値段も安くなり、加工品は身近なものになる事を。
「まずはセトラー領とアレン領を鉄道で結びます。いずれはこの国、全土へ伸ばすことになるでしょうけど」
「この国、全土ですか」
「えぇ、ここに引けば他の領主もきっと欲しがりますから。鉄道をアレン領から王都まで引けば、馬車で6日かかるところを2時間で着きますからね」
「「 2時間ですか!! 」」
「人も荷物も載せられ、流通が飛躍的に進歩しますよ」
「今までなら鮮度が持たないものでも、短時間で運べるなら商売になりますな」
アイザックさんも乗り気だ。
「蒸気機関車を停める駅は、城門の内側に創ってきましたから」
「もうですか。ではエリアス会長。公爵様の許可がおりたのですね」
「えぇ、蒸気機関車が通ることでこの領も潤いますから」
「それはよかった」
「ただ残念なのはこの場所まで、鉄道が引けないことです。蒸気機関車の横幅は約3m、高さ4m、長さは20mくらいあります。今ある道に線路を引いたら人や馬車が通れません。建物を買収し別の道を新たに作り、鉄道を引かないとここまでこれないのですよアルバンさん」
「そうですか、それは余りにも難しそうですね」
「そのため、セトラー領から蒸気機関車で石炭、鉱物を運んできた時に保管する場所が必要になります。できればここまで運ぶのではなく、城門近くに土地を買い大きな倉庫を作りそこに降ろしたいものです」
「それであればお任せください、エリアス会長。私達3人が居れば今ではこの街では、大概のことは出来ますから」
ボスか?闇のボス3人衆なのか?
「あ、そうなのですか。余り手荒なことはしないでくださいね」
「大丈夫です、そんなことは致しませんから。どちらに倉庫があればいいでしょうか?」
「そうですね、出来ればここら辺に…」
倉庫があれば良いと思う場所と面積をアルバンさんに伝えておいた。
いったいどうするんだろうか?
「しかしエリアス様、蒸気機関車というのは物々しいですな」
「どんなところがでしょうか、ヨハネス様」
「まず側面です。槍の刃の様なものが、横並びにたくさん出ていますが」
「はい、これは魔物や野党の撃退用の槍です。アスケルの森は凶暴な魔獣や魔物も多く、そしてこれから鉱物や石炭がお金になると分かったら、盗賊も出るかもしれません。だから武器を付けたのです」
「それは最もなお話しですな」
「貨物の側面には約1mの大型の刃が、普段は縦に収納されています。そして走る時は真横に降ろします。蒸気機関車は走っているので横からくる敵は切り裂かれ、正面からは先端を大きく尖らせた突起をつけ体当たりで粉砕します」
「おぉ、それはなんと壮観な、ですが侯爵家のものを襲うとも思えませんが」
「用心に越したことはありませんから。保管する場所が確保できたら教えてください。私が更地にしてますから。それができてから蒸気機関車は運行します」
「城壁を切取り、駅を作ったあの魔法ですね。私も見てみたいものです」
「線路を引いたら、作業員が必要になります。蒸気機関車で運んできた鉱物や石炭を降ろす仕事です。ヨハネス様はそれまでに人材を。アルバンさんは商業ギルドや鍛冶ギルドに買い取ってもらえるように手はずを。アイザックさんは一般の人にも、石炭を木炭代わりに使ってもらえるように店頭販売してください」
「「「 わかりました!! 」」」
「では早急に保管場所になる土地の交渉をしませんと」
話はまだまだ尽きることは無い。
そう言えばアイザックさん、大司教ヨハネス様、アルバンさんと話すのも久しぶりかもしれない。
セトラー領主になってから、色々忙しかったりしたからね。
『マヨネーズ』、『味元』、『醤油』、『ソース』は、シャルエル教が人を集めエリアス商会に人材を派遣してもらい作っている。
リヤカー、農機具、キックボードはシャルエル教で、鍛冶、木工職人を集めて作り、エリアス商会が買い取っている。
そしてこれからは自転車、三輪自転車、台所用品のフライパン・鍋・やかんなどを作っていく。
エリアス商会は『マヨネーズ』、『味元』、『醤油』、『ソース』、シャルエル教で作った鍛冶や木工具をアバンス商会に卸している。
アバンス商会は販売網を駆使し、それを売りさばく関係だ。
「では今日ここに来た、本来の目的をお話ししましょう」
「「「 本来のですか? 」」」
アルバンさん以外のアイザックさん、大司教ヨハネス様は驚いた顔をしている。
なぜなら今まで話していたことが、今回の目的だと思ったんだろう。
そんな小さくないよ、俺は。
俺はストレージから、セトラー領とアレン領のジオラマを出した。
セトラー領とアレン領を結ぶ鉄道の話。
蒸気機関車という車を走らせ10tの重さの荷物を、アレン領からセトラー領まで15分で運べること。
そして鉱物や石炭の話。
鉱物がたくさん発掘できれば値段も安くなり、加工品は身近なものになる事を。
「まずはセトラー領とアレン領を鉄道で結びます。いずれはこの国、全土へ伸ばすことになるでしょうけど」
「この国、全土ですか」
「えぇ、ここに引けば他の領主もきっと欲しがりますから。鉄道をアレン領から王都まで引けば、馬車で6日かかるところを2時間で着きますからね」
「「 2時間ですか!! 」」
「人も荷物も載せられ、流通が飛躍的に進歩しますよ」
「今までなら鮮度が持たないものでも、短時間で運べるなら商売になりますな」
アイザックさんも乗り気だ。
「蒸気機関車を停める駅は、城門の内側に創ってきましたから」
「もうですか。ではエリアス会長。公爵様の許可がおりたのですね」
「えぇ、蒸気機関車が通ることでこの領も潤いますから」
「それはよかった」
「ただ残念なのはこの場所まで、鉄道が引けないことです。蒸気機関車の横幅は約3m、高さ4m、長さは20mくらいあります。今ある道に線路を引いたら人や馬車が通れません。建物を買収し別の道を新たに作り、鉄道を引かないとここまでこれないのですよアルバンさん」
「そうですか、それは余りにも難しそうですね」
「そのため、セトラー領から蒸気機関車で石炭、鉱物を運んできた時に保管する場所が必要になります。できればここまで運ぶのではなく、城門近くに土地を買い大きな倉庫を作りそこに降ろしたいものです」
「それであればお任せください、エリアス会長。私達3人が居れば今ではこの街では、大概のことは出来ますから」
ボスか?闇のボス3人衆なのか?
「あ、そうなのですか。余り手荒なことはしないでくださいね」
「大丈夫です、そんなことは致しませんから。どちらに倉庫があればいいでしょうか?」
「そうですね、出来ればここら辺に…」
倉庫があれば良いと思う場所と面積をアルバンさんに伝えておいた。
いったいどうするんだろうか?
「しかしエリアス様、蒸気機関車というのは物々しいですな」
「どんなところがでしょうか、ヨハネス様」
「まず側面です。槍の刃の様なものが、横並びにたくさん出ていますが」
「はい、これは魔物や野党の撃退用の槍です。アスケルの森は凶暴な魔獣や魔物も多く、そしてこれから鉱物や石炭がお金になると分かったら、盗賊も出るかもしれません。だから武器を付けたのです」
「それは最もなお話しですな」
「貨物の側面には約1mの大型の刃が、普段は縦に収納されています。そして走る時は真横に降ろします。蒸気機関車は走っているので横からくる敵は切り裂かれ、正面からは先端を大きく尖らせた突起をつけ体当たりで粉砕します」
「おぉ、それはなんと壮観な、ですが侯爵家のものを襲うとも思えませんが」
「用心に越したことはありませんから。保管する場所が確保できたら教えてください。私が更地にしてますから。それができてから蒸気機関車は運行します」
「城壁を切取り、駅を作ったあの魔法ですね。私も見てみたいものです」
「線路を引いたら、作業員が必要になります。蒸気機関車で運んできた鉱物や石炭を降ろす仕事です。ヨハネス様はそれまでに人材を。アルバンさんは商業ギルドや鍛冶ギルドに買い取ってもらえるように手はずを。アイザックさんは一般の人にも、石炭を木炭代わりに使ってもらえるように店頭販売してください」
「「「 わかりました!! 」」」
「では早急に保管場所になる土地の交渉をしませんと」
話はまだまだ尽きることは無い。
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