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第12部 産業革命
第94話 タクシー
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俺とアルバンさん、大司教ヨハネス様、アイザックさんと4人でアバンス商会の前までやってきた。
見上げる様な大きな店だ。
「さあ、中へどうぞ」
アイザックさんが店の中へ俺達を案内しようとする。
「アルバンさん、その前に見て頂きたいものがあります」
「なんでしょうか?」
俺はストレージ内の『創生魔法』で朱色の人力車を創り出した。
「おぉ、これは」
「人力車です。2人乗りで人を乗せ、人が引いて走るものです」
「エリアス様がセトラー領へ奥様達を乗せ、帰られた時に使った乗り物でしょうか」
(庶民の間では『虐げられた侯爵が、愛する妻を乗せ旅立つ幸福の車』と、呼ばれているあれか)
「あれは6人乗りでしたがこれは2人乗りです。上に幌を付けてあるので、日差しが強い時や弱い雨なら防ぐことができます」
「なんて奇麗な仕上がりなんでしょうか」
木材をサンドペーパーを掛けた様に仕上げ、朱色の花を搾り染め上げた人力車だ。
「要領を掴めば誰にでも扱えますから」
「これをどうされるのですか?」
「街の中心街に配置し、郊外に帰る人を乗せるのです」
「ほう、それは」
「街はどうしても搬入の関係で城門から中心に向けて店が多く栄えています。逆に郊外、街の奥から買い物に来る人は時間もかかり、帰りは荷物を持つので更に重く大変になります」
俺はアルバンさん、大司教ヨハネス様、アイザックさん3人の顔を見る。
「そこで帰りはこれに乗り、楽して帰ってもらうんです」
3人はそれぞれ、なるほどと言う顔をしていた。
「そして帰りは街に向かう人を拾い、生計を立てるのです」
「では料金はどうやって決めるのでしょうか?」
「距離で決めようと思います。ここに距離を測るメーターを付けました」
そう俺は言い人力車の、人が手で握る部分のところにメーターを付けておいた。
「近場なら何キロ未満までなら一律にし、それ以上は何キロごとに上がっていくのが良いと思います」
「人を運んでお金をもらうとは、新しい考え方ですな」
大司教ヨハネス様は感心している。
「えぇ、荷物を街から街まで運び運送料をもらう商売はありますが、それを街の人に当てはめるとは。さすがエリアス様です」
アイザックさんも目を輝かせている。
「そしてその料金がいくらなのか、どのくらい需要があるのか分かりませんが、郊外から街の中心に集まる人が多くなります」
「そして物が売れるという訳ですね。エリアス会長」
「そうですアルバンさん。そして今度は郊外にも人力車の待機所を作り、郊外から人力車で街まで来て、街から人力車で郊外へ帰ると言う、両方の選択肢が出来るようになればいいですね」
だが誰のところでどうやっていくのかで、話が進まなくなった。
「では今回は大司教ヨハネス様のところで、お願いいたします」
「おぉ、私にお任せいただけるのですかエリアス様。ではさっそく、鍛冶職人と木工職人に人力車を作らせ、それを引く人材も集めます」
大司教ヨハネス様が意気込みながら更に言った。
「そして売上の一部を、エリアス商会に納めます」
「そこはアルバンさんに話してください。アルバンさんに任せているので」
「分かりました。では今度の事業は、人力車と言う名前で良いのでしょうか?」
「う~ん、そうですね。人力車にはtaxを計算するメーターが付いているのでtaximeter。略してタクシーと言うのはいかがでしょうか」
「タクシーですか」
「覚えやすくていいですね」
「これでまたエリアス商会の名声が広まりますな」
どんな名声なんでしょ?
見上げる様な大きな店だ。
「さあ、中へどうぞ」
アイザックさんが店の中へ俺達を案内しようとする。
「アルバンさん、その前に見て頂きたいものがあります」
「なんでしょうか?」
俺はストレージ内の『創生魔法』で朱色の人力車を創り出した。
「おぉ、これは」
「人力車です。2人乗りで人を乗せ、人が引いて走るものです」
「エリアス様がセトラー領へ奥様達を乗せ、帰られた時に使った乗り物でしょうか」
(庶民の間では『虐げられた侯爵が、愛する妻を乗せ旅立つ幸福の車』と、呼ばれているあれか)
「あれは6人乗りでしたがこれは2人乗りです。上に幌を付けてあるので、日差しが強い時や弱い雨なら防ぐことができます」
「なんて奇麗な仕上がりなんでしょうか」
木材をサンドペーパーを掛けた様に仕上げ、朱色の花を搾り染め上げた人力車だ。
「要領を掴めば誰にでも扱えますから」
「これをどうされるのですか?」
「街の中心街に配置し、郊外に帰る人を乗せるのです」
「ほう、それは」
「街はどうしても搬入の関係で城門から中心に向けて店が多く栄えています。逆に郊外、街の奥から買い物に来る人は時間もかかり、帰りは荷物を持つので更に重く大変になります」
俺はアルバンさん、大司教ヨハネス様、アイザックさん3人の顔を見る。
「そこで帰りはこれに乗り、楽して帰ってもらうんです」
3人はそれぞれ、なるほどと言う顔をしていた。
「そして帰りは街に向かう人を拾い、生計を立てるのです」
「では料金はどうやって決めるのでしょうか?」
「距離で決めようと思います。ここに距離を測るメーターを付けました」
そう俺は言い人力車の、人が手で握る部分のところにメーターを付けておいた。
「近場なら何キロ未満までなら一律にし、それ以上は何キロごとに上がっていくのが良いと思います」
「人を運んでお金をもらうとは、新しい考え方ですな」
大司教ヨハネス様は感心している。
「えぇ、荷物を街から街まで運び運送料をもらう商売はありますが、それを街の人に当てはめるとは。さすがエリアス様です」
アイザックさんも目を輝かせている。
「そしてその料金がいくらなのか、どのくらい需要があるのか分かりませんが、郊外から街の中心に集まる人が多くなります」
「そして物が売れるという訳ですね。エリアス会長」
「そうですアルバンさん。そして今度は郊外にも人力車の待機所を作り、郊外から人力車で街まで来て、街から人力車で郊外へ帰ると言う、両方の選択肢が出来るようになればいいですね」
だが誰のところでどうやっていくのかで、話が進まなくなった。
「では今回は大司教ヨハネス様のところで、お願いいたします」
「おぉ、私にお任せいただけるのですかエリアス様。ではさっそく、鍛冶職人と木工職人に人力車を作らせ、それを引く人材も集めます」
大司教ヨハネス様が意気込みながら更に言った。
「そして売上の一部を、エリアス商会に納めます」
「そこはアルバンさんに話してください。アルバンさんに任せているので」
「分かりました。では今度の事業は、人力車と言う名前で良いのでしょうか?」
「う~ん、そうですね。人力車にはtaxを計算するメーターが付いているのでtaximeter。略してタクシーと言うのはいかがでしょうか」
「タクシーですか」
「覚えやすくていいですね」
「これでまたエリアス商会の名声が広まりますな」
どんな名声なんでしょ?
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