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第12部 産業革命
第91話 自転車暴走族
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俺とドゥメルグ公爵は庭にでた。
執事のアルマンさんも一緒に来ている。
「面白い乗り物とは何だい?」
「これです」
俺はストレージから自転車を出して見せた。
「これは?」
「自転車と言う乗り物です。実際に乗ってみますから」
そう言うと俺は自転車に乗り、庭を走った。
「人が歩く3~5倍くらいの速さで、移動することが出来ます」
「なに!そんなに速くか。キックボードでも随分、早いと思ったが」
「これからどんどん、鉱物を使って生活が便利になる物を作って行きますよ」
「エリアス義兄様!」
振り返ると10歳になる義理の妹カトリーンが居た。
「やあカトリーン。元気そうだね」
「エリアス義兄様もお元気そうでなによりですわ。マリーお姉様もご懐妊されたとか、おめでとうございます」
「ありがとう。12月か1月には、カトリーンにも甥か姪が生まれるからね」
「まあ、楽しみにしていますわ。ところでそれはなんでしょうか?」
「自転車と言って早く走れる乗り物だよ」
「私も乗りたいです」
仕方ない、可愛い義理の妹の頼みだ。
俺はストレージ内の『創生魔法』で10歳に合う、補助輪付きの自転車を創った。
しかも色はピンクの可愛い奴だ。
「まあ、可愛い。しかも車輪がこんなに」
「最初は乗るのに少し慣れが必要だから補助輪付きだよ。慣れたら外せばいいから」
「わかりましたわ」
「これが前のブレーキで、こちらが…」
俺はカトリーンに説明していく。
「エリアス。我々にはないのかね」
「ありますよ。いきなり2輪では難しいと思いますから、大人は三輪自転車で」
そう言いながら三輪自転車を2台出した。
ドゥメルグ公爵はワインレッドの三輪自転車。
執事のアルマンさんは青色だ。
「これはなんですか、エリアス義兄様」
「ベルですよ。周りに危険をしらせる時に鳴らすんです。こうやってね」
チリンチリン!チリンチリン!
俺はベルを鳴らして見せた。
「ではこれはなんですか?」
「ライトです。ここをこうやって」
俺はオートライトを付けて漕いで見せた。
オートライトはペダルをこいでも重くならず、ギーギー音もでない。
力のない女性や年配者に優しいライトだ。
「ま、魔道具ですか?」
「いいえ、違います。自家発電機です」
「自家発電機?」
「前輪の中心部分に付いている機器が、タイヤの回転で灯りが点く仕組みです」
「??良く分かりません」
「ここをこうすると明かりが点く。それだけです。物は使い方が分かればいいんですよ。使う側は理屈を分かる必要はありませんから」
「使い方が分かれば、いいんですね」
「そうですよ。そうだ公爵様、これに乗って城門まで行きませんか?」
「これに乗ってかい?」
「えぇ、どこに行くにも、馬車の用意をしてからだと時間が掛かりますから」
「それはそうだな」
「自転車で風を切りながら走っていきませんか?」
「風を切りながらか、楽しそうだな」
「いけません公爵様」
「硬いことを言うなアルマン」
「しかし…」
「私も参ります、お父様」
「カトリーンも行きたいのか。ではみんなで行くとするか」
そして俺達4人は公爵家を自転車で出た。
先頭は俺でその次は補助輪を、ガラガラ言わせながら自転車をこぐカトリーン。
その後ろを公爵とアルマンさんが、三輪自転車で続いてくる。
ある意味、不気味な組み合わせだ。
カトリーンはベルが気に入ったのか、ずっと鳴らしている。
チリンチリン!チリンチリン!
道行く人たちは驚き、道を開けてくれえる。
なにやら貴族らしい服を着た人達が、見たこともない物に乗り走って行くのだ。
みんな振り返って見ている。
そして遂に公爵がベルを鳴らし始め、続いてアルマンさんも…。
何が楽しいんだ?
チリンチリン!チリンチリン!
チリンチリン!チリンチリン!
チリンチリン!チリンチリン!
ベルを鳴らすと、みんなが道を開けてくれる。
その真ん中を走っていく。
それが嬉しいらしい。
自転車暴走族か!
執事のアルマンさんも一緒に来ている。
「面白い乗り物とは何だい?」
「これです」
俺はストレージから自転車を出して見せた。
「これは?」
「自転車と言う乗り物です。実際に乗ってみますから」
そう言うと俺は自転車に乗り、庭を走った。
「人が歩く3~5倍くらいの速さで、移動することが出来ます」
「なに!そんなに速くか。キックボードでも随分、早いと思ったが」
「これからどんどん、鉱物を使って生活が便利になる物を作って行きますよ」
「エリアス義兄様!」
振り返ると10歳になる義理の妹カトリーンが居た。
「やあカトリーン。元気そうだね」
「エリアス義兄様もお元気そうでなによりですわ。マリーお姉様もご懐妊されたとか、おめでとうございます」
「ありがとう。12月か1月には、カトリーンにも甥か姪が生まれるからね」
「まあ、楽しみにしていますわ。ところでそれはなんでしょうか?」
「自転車と言って早く走れる乗り物だよ」
「私も乗りたいです」
仕方ない、可愛い義理の妹の頼みだ。
俺はストレージ内の『創生魔法』で10歳に合う、補助輪付きの自転車を創った。
しかも色はピンクの可愛い奴だ。
「まあ、可愛い。しかも車輪がこんなに」
「最初は乗るのに少し慣れが必要だから補助輪付きだよ。慣れたら外せばいいから」
「わかりましたわ」
「これが前のブレーキで、こちらが…」
俺はカトリーンに説明していく。
「エリアス。我々にはないのかね」
「ありますよ。いきなり2輪では難しいと思いますから、大人は三輪自転車で」
そう言いながら三輪自転車を2台出した。
ドゥメルグ公爵はワインレッドの三輪自転車。
執事のアルマンさんは青色だ。
「これはなんですか、エリアス義兄様」
「ベルですよ。周りに危険をしらせる時に鳴らすんです。こうやってね」
チリンチリン!チリンチリン!
俺はベルを鳴らして見せた。
「ではこれはなんですか?」
「ライトです。ここをこうやって」
俺はオートライトを付けて漕いで見せた。
オートライトはペダルをこいでも重くならず、ギーギー音もでない。
力のない女性や年配者に優しいライトだ。
「ま、魔道具ですか?」
「いいえ、違います。自家発電機です」
「自家発電機?」
「前輪の中心部分に付いている機器が、タイヤの回転で灯りが点く仕組みです」
「??良く分かりません」
「ここをこうすると明かりが点く。それだけです。物は使い方が分かればいいんですよ。使う側は理屈を分かる必要はありませんから」
「使い方が分かれば、いいんですね」
「そうですよ。そうだ公爵様、これに乗って城門まで行きませんか?」
「これに乗ってかい?」
「えぇ、どこに行くにも、馬車の用意をしてからだと時間が掛かりますから」
「それはそうだな」
「自転車で風を切りながら走っていきませんか?」
「風を切りながらか、楽しそうだな」
「いけません公爵様」
「硬いことを言うなアルマン」
「しかし…」
「私も参ります、お父様」
「カトリーンも行きたいのか。ではみんなで行くとするか」
そして俺達4人は公爵家を自転車で出た。
先頭は俺でその次は補助輪を、ガラガラ言わせながら自転車をこぐカトリーン。
その後ろを公爵とアルマンさんが、三輪自転車で続いてくる。
ある意味、不気味な組み合わせだ。
カトリーンはベルが気に入ったのか、ずっと鳴らしている。
チリンチリン!チリンチリン!
道行く人たちは驚き、道を開けてくれえる。
なにやら貴族らしい服を着た人達が、見たこともない物に乗り走って行くのだ。
みんな振り返って見ている。
そして遂に公爵がベルを鳴らし始め、続いてアルマンさんも…。
何が楽しいんだ?
チリンチリン!チリンチリン!
チリンチリン!チリンチリン!
チリンチリン!チリンチリン!
ベルを鳴らすと、みんなが道を開けてくれる。
その真ん中を走っていく。
それが嬉しいらしい。
自転車暴走族か!
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