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第11部 セトラーの街

第85話 セトラー領でも猫が鳴く 😼

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 シビルさんに住民をホールに集めてもらった。

 ワイワイ、   ガヤガヤ、
       ガヤガヤ、   ザワザワ、

 人族は警備のアナベルさん、イーヴァインさん、ゲラルトさん、オズバルドさん。

 鳥人族はシビルさんと母のルシールさんを含めた女5人男3人の計8人。

 闇妖精ダークエルフは使い走りのアルガスさん、リーダー格のディオさん、部族長カーティスさんを含めた28人。
 28人中、成人男性8人。成人女性15人、残りの5人が10~12歳の子供達だ。

 住民はこれで40人。



「みなさん、留守の間、村を守って頂いてありがとうございました」

「「「 おかえりなさい、エリアス様! 」」」
 
 みんな温かく迎えてくれた。

「話さないといけない事があります。俺は侯爵になり、この村の領主になりました」

「「「 おぉ、侯爵様に! 」」」

「そして開拓村セトラーはセトラー領になります」

 俺の右隣にカロリーナと侍女のナターシャさん。
 左隣にはマリーに侍女のサブリナさんを並ばせた。

「それから俺は、ドゥメルグ公爵様の養子となり結婚しました!」

「「「 結婚!!! 」」」

 その話を聞いてなぜか呆然とする、女性も何人かいた。

「こちらが第一夫人のカロリーナ。そしてこちらが第二夫人のマリーです」

 紹介され2人共片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばし、両手でスカートの裾を軽く持ち上げそれぞれカーテシーで挨拶をした。

 「「「 かわいい~~!! 」」」
 
 エルフの女性陣から声が上がった。

「そして後ろに居るのが侍女のナターシャさんと、サブリナさんです」
 侍女の2人を紹介し2人共、軽く頭を下げ挨拶をした。

「「「 おぉ、なんと麗しい!! 」」」

 男性のエルフから声が上がった。

「まぁ、麗しいなんて」
「ほんとですね」
 侍女のナターシャさんと、サブリナさんは頬を赤くしながら照れていた。
 男性エルフ8人はみんな100歳以上だ。
 だから人族の30歳なんて少女に見えるようだ。
 
 この日を境に侍女2人は、男性エルフから猛烈なアプローチを受けるのだった。
 
 そして2人は後にこう語る。
「セトラー領に来て良かった」と。


 それから住民40人を紹介し、その夜は簡単な宴会をした。
 王都で樽ごと買ってきたワインをみんなに振るまう。

 みんな楽しそうに食べ、誰かが下手な歌を歌い盛り上げる。

 

「マリー様」
「なんでしょうか、カロリーナ様」
「おかしいですわ、ここは」
「どのようにですか?」
「領民の半数以上が女性です。しかも既婚者がいません」
「でも丁度、男女半々で良いのではないでそょうか?」
「エリアス様が結婚の話をされた時に、呆然としている女性も何人かいましたわ」
「危ないですね。侯爵となれば私達以外に、側室が居てもおかしくありませんから」
「子供を授かったら仕方ありませんが、それまでは頑張らないと」
「はい、私も父から子供を早く授かる様に言われています」
「私も同じです。と」
「ではこれから毎晩、交代ですね」


 その夜からセトラー領でも猫が鳴くようになった。
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