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第9部 王都
第69話 開拓計画プレゼン
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「「「 アスケルの森を平定するだと!! 」」」
その場にいた俺以外の全員の声がハモった。
「はい、森の奥に入れば入るほど、強く巨大な魔物がいます。ただ彼らも自然の摂理に従っています」
「自然の摂理?!」
「はい。彼らもお腹が減れば食べ、縄張りを冒すものは排除する。そして弱いものが食べられる。それなら強くなり一番最下位にならなければいいのです」
「強くなる?そんなことが出来るのか?」
「はい、強敵を倒せば倒すほど熟練度が上がり、レベルは上がりますから」
「だが倒す前にやられては意味がない」
「そのために複数で協力し倒していくのです。そして魔物は、縄張りを持っており、よほどのことがない限りそこから出ることはありませんから」
「では魔物の縄張りに干渉しなければ、開拓は可能と申すか?」
「その通りです。ただし開拓していく以上は、そこを縄張りとしている魔物がいれば、倒さなければなりませんが」
「そこじゃよ、そこが出来ないから開拓が出来ないのだ」
「できます。森にはあなた方が亜種族と蔑む人たちが居ます。彼らは戦闘能力に長け、森で暮らせる強さがあるはずです」
「彼らを利用するというのだな」
「いいえ。利用するのではなく、一緒に生きて行くのです。そして10年、20年後には亜種族と蔑まれることのない世界になれば良いと思います」
「そう考えているのか。夢を語るのは良いが、どの様にするのだ?」
「はい、陛下。まず開拓をし自分たちが食べていけるだけの、穀物や果実を作ります。それと同時に綿織物に力を入れていきます」
「綿織物とは?」
「陛下、これをどうぞ」
そう俺は言い、ストレージから木綿のハンカチを出し、宰相経由でサバイア国王に渡してもらった。
「植物から取れる『ワタ』というものです。今まで生地と言えば麻や魔獣の毛を使った毛織物が主流です。ですが綿は植物で花が咲いた後にできるものです。吸水性、通気性に優れ、柔らかな肌触りと染色しやすいのが特徴です」
「おぉ、なんと柔らかい。シオドリク宰相も触ってみなさい」
「はい、陛下。おぉ、これは柔らかい!」
「綿は赤ちゃんの肌にも優しく、肌着や下着としても最適です」
「これを開拓村でやりたいと言うのか」
「来年春に種を巻けば、秋には収穫となりそこから織物を始めます」
「ほう、そこまで考えているのか?だが人は集まっているのかね?」
「いいえ、まだ40人です。亜種族とか人族とかの差別はなく人が欲しいのです」
「そうか、王都から集めるには遠すぎるからな。気長にやるしかないの~」
それから場が和み面会は終わった。
その後、せっかく王都まで来てくれたのだから、とお茶会が開かれた。
テラスにドゥメルグ公爵と向かうと、テーブルには3人先客がおり挨拶をした。
「お待たせ致しました。トバイアス・ビクトワール・ドゥメルグ公爵です」
「開拓村セトラーの村長エリアスです」
側にいた年配の侍女が紹介をしてくれた。
「こちらはグリニス王妃様、そしてポーリーン王女様となります」
俺たちはそれぞれに挨拶をした。
「そしてこちらがポーリーン王女様のお子様のカロリーナ第一王女様となります」
それぞれ、50代前半、30代前半、14~5歳くらいだった。
「遠いアレンの街からようこそ、おいでくださいました」
「馬車の旅はどうでしたか?」
「ワイバーンを退治されたとか?」
それぞれ、他愛のない話を聞かれた。
(これはいったい何の集まりだ?)
王都に呼ばれ、村の今後を聞かれ、そして今は王女たちの相手をしている。
わざわざ来ることなのか?
電話や交通機関が発達していない以上、こんなことでも旅をしてこないといけないのか。
大変だな。
「エリアス。王様よりハンカチを頂いたが、これはとても手触りがいいですね」
「まあ王妃様。私にも見せてください」
国王様に渡したハンカチを王妃様が持っており、王女たちと交互に見ている。
「とても手触りが良いですわ」
「柔らか~い」
「これはまだありますの?」
「いいえ、これはまだ試作段階でして。来年の秋口から織ろうと計画しております」
「それは楽しみですね。できたら一番に私に送ってください」
「かしこまりました。カロリーナ王女様」
「あら、カロリーナだけなの。私たち2人にはないのかしら?」
「もちらんお送りいたします」
「まあ、まるで取って付けたようね~」
と、からかわれた。
「では後は若い二人にまかせて」
「そうですわね」
そう言いながら、グリニス王妃、ポーリーン王女、そしてドゥメルグ公爵も侍女も消え俺とカロリーナ王女が残った。
……………………………………。
これはお見合いか?
その場にいた俺以外の全員の声がハモった。
「はい、森の奥に入れば入るほど、強く巨大な魔物がいます。ただ彼らも自然の摂理に従っています」
「自然の摂理?!」
「はい。彼らもお腹が減れば食べ、縄張りを冒すものは排除する。そして弱いものが食べられる。それなら強くなり一番最下位にならなければいいのです」
「強くなる?そんなことが出来るのか?」
「はい、強敵を倒せば倒すほど熟練度が上がり、レベルは上がりますから」
「だが倒す前にやられては意味がない」
「そのために複数で協力し倒していくのです。そして魔物は、縄張りを持っており、よほどのことがない限りそこから出ることはありませんから」
「では魔物の縄張りに干渉しなければ、開拓は可能と申すか?」
「その通りです。ただし開拓していく以上は、そこを縄張りとしている魔物がいれば、倒さなければなりませんが」
「そこじゃよ、そこが出来ないから開拓が出来ないのだ」
「できます。森にはあなた方が亜種族と蔑む人たちが居ます。彼らは戦闘能力に長け、森で暮らせる強さがあるはずです」
「彼らを利用するというのだな」
「いいえ。利用するのではなく、一緒に生きて行くのです。そして10年、20年後には亜種族と蔑まれることのない世界になれば良いと思います」
「そう考えているのか。夢を語るのは良いが、どの様にするのだ?」
「はい、陛下。まず開拓をし自分たちが食べていけるだけの、穀物や果実を作ります。それと同時に綿織物に力を入れていきます」
「綿織物とは?」
「陛下、これをどうぞ」
そう俺は言い、ストレージから木綿のハンカチを出し、宰相経由でサバイア国王に渡してもらった。
「植物から取れる『ワタ』というものです。今まで生地と言えば麻や魔獣の毛を使った毛織物が主流です。ですが綿は植物で花が咲いた後にできるものです。吸水性、通気性に優れ、柔らかな肌触りと染色しやすいのが特徴です」
「おぉ、なんと柔らかい。シオドリク宰相も触ってみなさい」
「はい、陛下。おぉ、これは柔らかい!」
「綿は赤ちゃんの肌にも優しく、肌着や下着としても最適です」
「これを開拓村でやりたいと言うのか」
「来年春に種を巻けば、秋には収穫となりそこから織物を始めます」
「ほう、そこまで考えているのか?だが人は集まっているのかね?」
「いいえ、まだ40人です。亜種族とか人族とかの差別はなく人が欲しいのです」
「そうか、王都から集めるには遠すぎるからな。気長にやるしかないの~」
それから場が和み面会は終わった。
その後、せっかく王都まで来てくれたのだから、とお茶会が開かれた。
テラスにドゥメルグ公爵と向かうと、テーブルには3人先客がおり挨拶をした。
「お待たせ致しました。トバイアス・ビクトワール・ドゥメルグ公爵です」
「開拓村セトラーの村長エリアスです」
側にいた年配の侍女が紹介をしてくれた。
「こちらはグリニス王妃様、そしてポーリーン王女様となります」
俺たちはそれぞれに挨拶をした。
「そしてこちらがポーリーン王女様のお子様のカロリーナ第一王女様となります」
それぞれ、50代前半、30代前半、14~5歳くらいだった。
「遠いアレンの街からようこそ、おいでくださいました」
「馬車の旅はどうでしたか?」
「ワイバーンを退治されたとか?」
それぞれ、他愛のない話を聞かれた。
(これはいったい何の集まりだ?)
王都に呼ばれ、村の今後を聞かれ、そして今は王女たちの相手をしている。
わざわざ来ることなのか?
電話や交通機関が発達していない以上、こんなことでも旅をしてこないといけないのか。
大変だな。
「エリアス。王様よりハンカチを頂いたが、これはとても手触りがいいですね」
「まあ王妃様。私にも見せてください」
国王様に渡したハンカチを王妃様が持っており、王女たちと交互に見ている。
「とても手触りが良いですわ」
「柔らか~い」
「これはまだありますの?」
「いいえ、これはまだ試作段階でして。来年の秋口から織ろうと計画しております」
「それは楽しみですね。できたら一番に私に送ってください」
「かしこまりました。カロリーナ王女様」
「あら、カロリーナだけなの。私たち2人にはないのかしら?」
「もちらんお送りいたします」
「まあ、まるで取って付けたようね~」
と、からかわれた。
「では後は若い二人にまかせて」
「そうですわね」
そう言いながら、グリニス王妃、ポーリーン王女、そしてドゥメルグ公爵も侍女も消え俺とカロリーナ王女が残った。
……………………………………。
これはお見合いか?
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