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第9部 王都
第64話 王都へ 3日目 肉野菜炒め
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エターブの町を朝、出発し今日はできるだけ進み野営をするらしい。
馬車の中で昨日の盗賊の話になった。
「エリアス様の雄姿を見たかったのに、お父様に止められて」
「私も見たかったぞ、エリアス」
カトリーンお嬢様と、マリーお嬢様に言われたが止める気持ちはわかる。
「人を殺す、または殺されそうになるかもしれないところを、見せたい親はいないでしょう」
「そ、そうですね。殺し合いですものね」
「エリアスはどこで剣を習ったんだ?」
「カトリーンお嬢様、私のは自己流です」
「自己流?」
「えぇ、ただ剣を振り回していたら覚えたようなものです」
「そんなことで人が切れるのですか?」
「相手より早く、力があれば技量を上回ることができます」
「それは力押しということですね」
「はいそうです」
「エリアス様。昨日の弓のような武器はなんでしょうか?」
「アルマン。割り込んでこないで~」
「すみません、お嬢様。つい興味が出てしまいまして」
「はは、いいですよ。クロスボウという武器です」
「クロスボウ??」
「これです」
俺はストレージからクロスボウを出して見せた。
「ほほう、これは」
執事のアルマンは興味深そうにクロスボウを見ている。
ドゥメルグ公爵にも手渡して見せている。
「そこの引き金を引くと矢が飛び出します。このレバーを引くと弓が引かれ、矢が装着されます」
「これは凄い。弓兵は熟練度が必要だが、これなら素人でも強力な弓兵として使えるな。しかも10連射とは」
「ええそうです」
「量産することは可能か?」
「可能ですが戦争でもするのですか?」
「いや、強い武器があれば他国への牽制にもなる。魔物が現れた時にも強い武器は必要だからね」
「開拓村に戻れば作れますよ」
「では100台頼めないか。1台50万出そう」
「分かりました。お時間を頂くことにはなりますが」
「分かった、特に急いでいないからね。それから君の剣を、見せてもらうことは出来るかね?」
「鞘はなく抜き身ですが、良いでしょうか?」
「あぁ、構わない」
俺はストレージにクロスボウを収納し、代りに『ファルクス』を出しドゥメルグ公爵に手渡した。
「すご~い!」
「綺麗な剣」
「これは凄いですな」
「なんという巨大な剣だ、これは!」
「この剣は切れ味と重さで相手を切る剣です」
「これなら簡単に手足を切り飛ばせるだろう。こんな重い剣を片手で操るのか」
その後、戦の戦術や戦い方の話になり、もしもを想定し色々話した。
戦術は『孫子兵法』を引用し、戦い方は長槍を使うやり方を話した。
高く持上げ打下ろす、突き刺す、叩く、なぎ払うなどだ。
そして夕方なり野営場所に着いた。
道の脇に空き地があり川も近くに流れており、まるでキャンプ場のようだ。
そしてなぜか俺が夕食係になった。
そんな期待した目で見ないでほしいな。
では魔道卓上コンロをストレージから出す。
大きいフライパンを借りた。
材料はエターブの町を朝出るときに買ったという、塩漬のオーク肉を小麦粉を付けて良く揉む。
オーク肉をフライパンで炒め色がある程度、変わったら別皿に出しておく。
キャベツ、人参、玉ねぎ、もやしの順で炒め、別皿に出したオーク肉を入れる。
そして胡椒、醤油、ソースをかけて、はい出来上がり~!
俺はパンに切れ目を入れ野菜炒めをはさみ食べた。
野菜炒めサンドだ。
それを見ていた他の人たちも、同じように真似をしていた。
そしてその日はすることもないので、早めに寝袋にくるまり外で野宿をした。
* * * * *
馬車から少し離れた場所では。
「アルマンどう思うか?」
「はい、公爵様。あの戦略や知識を持ってすれば、この国を今以上にすることが出来るかもしれません」
「お前もそう思うか。国王様がエリアスを気に入り、無理を言わなければ良いが」
「エリアス様ならきっと、うまくやってくれます」
馬車の中で昨日の盗賊の話になった。
「エリアス様の雄姿を見たかったのに、お父様に止められて」
「私も見たかったぞ、エリアス」
カトリーンお嬢様と、マリーお嬢様に言われたが止める気持ちはわかる。
「人を殺す、または殺されそうになるかもしれないところを、見せたい親はいないでしょう」
「そ、そうですね。殺し合いですものね」
「エリアスはどこで剣を習ったんだ?」
「カトリーンお嬢様、私のは自己流です」
「自己流?」
「えぇ、ただ剣を振り回していたら覚えたようなものです」
「そんなことで人が切れるのですか?」
「相手より早く、力があれば技量を上回ることができます」
「それは力押しということですね」
「はいそうです」
「エリアス様。昨日の弓のような武器はなんでしょうか?」
「アルマン。割り込んでこないで~」
「すみません、お嬢様。つい興味が出てしまいまして」
「はは、いいですよ。クロスボウという武器です」
「クロスボウ??」
「これです」
俺はストレージからクロスボウを出して見せた。
「ほほう、これは」
執事のアルマンは興味深そうにクロスボウを見ている。
ドゥメルグ公爵にも手渡して見せている。
「そこの引き金を引くと矢が飛び出します。このレバーを引くと弓が引かれ、矢が装着されます」
「これは凄い。弓兵は熟練度が必要だが、これなら素人でも強力な弓兵として使えるな。しかも10連射とは」
「ええそうです」
「量産することは可能か?」
「可能ですが戦争でもするのですか?」
「いや、強い武器があれば他国への牽制にもなる。魔物が現れた時にも強い武器は必要だからね」
「開拓村に戻れば作れますよ」
「では100台頼めないか。1台50万出そう」
「分かりました。お時間を頂くことにはなりますが」
「分かった、特に急いでいないからね。それから君の剣を、見せてもらうことは出来るかね?」
「鞘はなく抜き身ですが、良いでしょうか?」
「あぁ、構わない」
俺はストレージにクロスボウを収納し、代りに『ファルクス』を出しドゥメルグ公爵に手渡した。
「すご~い!」
「綺麗な剣」
「これは凄いですな」
「なんという巨大な剣だ、これは!」
「この剣は切れ味と重さで相手を切る剣です」
「これなら簡単に手足を切り飛ばせるだろう。こんな重い剣を片手で操るのか」
その後、戦の戦術や戦い方の話になり、もしもを想定し色々話した。
戦術は『孫子兵法』を引用し、戦い方は長槍を使うやり方を話した。
高く持上げ打下ろす、突き刺す、叩く、なぎ払うなどだ。
そして夕方なり野営場所に着いた。
道の脇に空き地があり川も近くに流れており、まるでキャンプ場のようだ。
そしてなぜか俺が夕食係になった。
そんな期待した目で見ないでほしいな。
では魔道卓上コンロをストレージから出す。
大きいフライパンを借りた。
材料はエターブの町を朝出るときに買ったという、塩漬のオーク肉を小麦粉を付けて良く揉む。
オーク肉をフライパンで炒め色がある程度、変わったら別皿に出しておく。
キャベツ、人参、玉ねぎ、もやしの順で炒め、別皿に出したオーク肉を入れる。
そして胡椒、醤油、ソースをかけて、はい出来上がり~!
俺はパンに切れ目を入れ野菜炒めをはさみ食べた。
野菜炒めサンドだ。
それを見ていた他の人たちも、同じように真似をしていた。
そしてその日はすることもないので、早めに寝袋にくるまり外で野宿をした。
* * * * *
馬車から少し離れた場所では。
「アルマンどう思うか?」
「はい、公爵様。あの戦略や知識を持ってすれば、この国を今以上にすることが出来るかもしれません」
「お前もそう思うか。国王様がエリアスを気に入り、無理を言わなければ良いが」
「エリアス様ならきっと、うまくやってくれます」
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