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第8部 開拓村
第51話 剣
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カーン!カーン!カキッ!カーン!カーン!カーン!
カキッ!カキッ!カーン!
カーン!カーン!カキッ!カーン!カーン!
バキッ!!
カラン~、カラン、カラン。
「すみません、アナベルさん。アナベルの剣が折れてしまいました」
「エリアスは凄いな。腕だけでなくその剣も凄い」
「なら、折ったお詫びにアナベルさん用の剣を創りますから」
「鍛冶スキルがあるのか?」
「いいえ、これです」
そう言うと俺は目の前の空間を両手でタップし始めた。
「おい、エリアス。一体君はなにをしているんだ?」
「まぁ、見ていてください」
(アナベルさんの筋力はこのくらいだから、重さはこのくらいで。長さは…)
「はい、できました!」
そう言いながら俺はストレージからアナベルさん用の『剣』を出した。
「な、マジック・バッグ!」
「はいどうぞ、ツヴァイヘンダーと言うアナベルさん用に創った剣です」
「創っただと!エリアスのスキルは錬金術師なのか」
「まっ、そんな様なものです。振ってみてください」
(そう思ってくれた方が丁度いいかもな)
ヒュン!ヒュン!シュン!!ヒュン!シュン!ヒュン!!
「おお、これは良い。扱いやすい剣だ」
「アナベルさんに合わせて創ったので、敵の剣をはね返すために突起を、剣身のガードに近い部分に取付けて、重量のある巨大な剣を取り回し、より高い破壊力を発揮する剣です。他の人が使っても扱いづらいと思いますよ」
「なんて奇麗な剣なんだ。私だけの剣……こんな凄い剣をもらえるなんて」
シュン!!シュン!!シュン!!
ドサッ~!
樹木の枝がスッパリと切れた。
「な、なんだこの切れ味は…」
巣の入らない純度99.9%の鉄と鋼を混ぜて作った剣だ。
めったなことでは折れないだろう。
なぜこうなったかと言うと…。
「しかし、なんだなエリアス村長」
「エリアスで良いですよ。アナベルさん」
「し、しかし。いきなり呼び捨ても…段階が……ゴニョゴニョ」
「なんでしょうか?アナベルさん」
「オッホン。見ていると開拓と言ってもすでに更地になっており、畑もできて野菜の種やイネも撒いてある。後は日々の世話と収穫を待つばかりだ。これで移民を集う意味が分からないが…」
「最初だけです。開拓は大変だと思うから俺がやっただけで。人が増えれば次回から、みんなで野菜の種や稲を撒いてもらいますから」
今回撒いてある野菜やイネはストレージの中で品種改良をした種だ。
暑さや寒さに強い品種だ。
そして今やっているのが森の中に生えている野生の果物の品種改良だ。
苗または樹木ごとストレージで収容し、品種改良し植える。
それの繰り返しだ。
すでに開拓した土地の半分は畑や果実園になっている。
水撒きもスプリンクラーを創っており、魔道具の水道の蛇口を開けば簡単に水が出てくる仕組みだ。
「な、なぁ。エリアス」
「なんでしょう」
「私がここにいる意味があるのかな?」
「ありますよ。ちゃんと」
「なにをすればいいんだ?」
「そうですね。ここはアスケル山脈寄りの森なので、魔物も多く村の警備に当たってほしいのです」
「なら稽古を付けてもらえないか?」
「稽古ですか?」
「エリアスは私より遥かに強い。守る側より私が弱いのでは意味がないからな」
と、いう訳なんです。
そんなことをしていると門をノックする音が聞こえた。
移住希望者が来たのかと思い門を開けると、そこに立っていたのはアバンス商会会長、アイザックさんだった。
「エリアス様。ご無沙汰しております」
「アイザックさん、いったいどうされたのですか?」
「いや、なに。リベル国からの塩の仕入れの帰りなのです。丁度、通り道でしたので、精選処理を含め開拓を始めたと伺い立ち寄った次第です」
後ろを見ると馬車三台に従者が8人、護衛の冒険者が10人同行していた。
「わざわざ、ありがとうございます。さぁ、まずは中へどうぞ。これから私はこの村にいることが多くなると思いますので、塩の精選処理は仕入れの帰りに立ち寄って頂ければ行いますから」
「そう言って頂けると助かります」
まずはアイザックさんたちに城門の中に入ってもらった。
「なっ、なんと。いや~、素晴らしい!もうすでに開拓は終わっているのですかな?
整地され畑があり、なんと!建物まであるとは。ここへ来るまでの道は平らに均され道も広く、早く進める。逆に街からの本道の方が道が悪い。驚く事ばかりですな~!ハッハッハッハッ!」
アイザックさんはなぜか諦めた様に目を見開き、涙目になりながら笑っていた。
門の中に入って貰ったが繋ぎ場(馬を停めて、繋いでおく場所)が無いことに気づいた。
俺はストレージから枝を落とした幹を3本、垂直に地面に挿すように出した。
「「「 ドン!! 」」」
「エリアス様。今のは?」
「私のスキルで繋ぎ場を作りました」
「スキルですか?」
「はい。村も出来たので、もう隠すのは止めたのです」
「…………………………。」
「こんなことで驚いてたら、エリアスとは付き合っていられないよ」
「この、こちらの女性の方は?エリアス様の思い人でしょうか?」
「お、お、思い人だなんて……ゴニョゴニョ」
「この女性はアナベルさんと言いまして、移住者で警備を担当している方です」
「警備ですか、どこかの騎士だったかたでしょうか?コホン、これは失礼。それにその抜身の見事な剣はどこで…」
「あぁ、これか。これはエリアスに創ってもらった私用の剣だ」
「創ってもらった…、私用の剣?」
〈〈〈〈〈 移住すると、この見事な剣がもらえるのか?? 〉〉〉〉〉
カキッ!カキッ!カーン!
カーン!カーン!カキッ!カーン!カーン!
バキッ!!
カラン~、カラン、カラン。
「すみません、アナベルさん。アナベルの剣が折れてしまいました」
「エリアスは凄いな。腕だけでなくその剣も凄い」
「なら、折ったお詫びにアナベルさん用の剣を創りますから」
「鍛冶スキルがあるのか?」
「いいえ、これです」
そう言うと俺は目の前の空間を両手でタップし始めた。
「おい、エリアス。一体君はなにをしているんだ?」
「まぁ、見ていてください」
(アナベルさんの筋力はこのくらいだから、重さはこのくらいで。長さは…)
「はい、できました!」
そう言いながら俺はストレージからアナベルさん用の『剣』を出した。
「な、マジック・バッグ!」
「はいどうぞ、ツヴァイヘンダーと言うアナベルさん用に創った剣です」
「創っただと!エリアスのスキルは錬金術師なのか」
「まっ、そんな様なものです。振ってみてください」
(そう思ってくれた方が丁度いいかもな)
ヒュン!ヒュン!シュン!!ヒュン!シュン!ヒュン!!
「おお、これは良い。扱いやすい剣だ」
「アナベルさんに合わせて創ったので、敵の剣をはね返すために突起を、剣身のガードに近い部分に取付けて、重量のある巨大な剣を取り回し、より高い破壊力を発揮する剣です。他の人が使っても扱いづらいと思いますよ」
「なんて奇麗な剣なんだ。私だけの剣……こんな凄い剣をもらえるなんて」
シュン!!シュン!!シュン!!
ドサッ~!
樹木の枝がスッパリと切れた。
「な、なんだこの切れ味は…」
巣の入らない純度99.9%の鉄と鋼を混ぜて作った剣だ。
めったなことでは折れないだろう。
なぜこうなったかと言うと…。
「しかし、なんだなエリアス村長」
「エリアスで良いですよ。アナベルさん」
「し、しかし。いきなり呼び捨ても…段階が……ゴニョゴニョ」
「なんでしょうか?アナベルさん」
「オッホン。見ていると開拓と言ってもすでに更地になっており、畑もできて野菜の種やイネも撒いてある。後は日々の世話と収穫を待つばかりだ。これで移民を集う意味が分からないが…」
「最初だけです。開拓は大変だと思うから俺がやっただけで。人が増えれば次回から、みんなで野菜の種や稲を撒いてもらいますから」
今回撒いてある野菜やイネはストレージの中で品種改良をした種だ。
暑さや寒さに強い品種だ。
そして今やっているのが森の中に生えている野生の果物の品種改良だ。
苗または樹木ごとストレージで収容し、品種改良し植える。
それの繰り返しだ。
すでに開拓した土地の半分は畑や果実園になっている。
水撒きもスプリンクラーを創っており、魔道具の水道の蛇口を開けば簡単に水が出てくる仕組みだ。
「な、なぁ。エリアス」
「なんでしょう」
「私がここにいる意味があるのかな?」
「ありますよ。ちゃんと」
「なにをすればいいんだ?」
「そうですね。ここはアスケル山脈寄りの森なので、魔物も多く村の警備に当たってほしいのです」
「なら稽古を付けてもらえないか?」
「稽古ですか?」
「エリアスは私より遥かに強い。守る側より私が弱いのでは意味がないからな」
と、いう訳なんです。
そんなことをしていると門をノックする音が聞こえた。
移住希望者が来たのかと思い門を開けると、そこに立っていたのはアバンス商会会長、アイザックさんだった。
「エリアス様。ご無沙汰しております」
「アイザックさん、いったいどうされたのですか?」
「いや、なに。リベル国からの塩の仕入れの帰りなのです。丁度、通り道でしたので、精選処理を含め開拓を始めたと伺い立ち寄った次第です」
後ろを見ると馬車三台に従者が8人、護衛の冒険者が10人同行していた。
「わざわざ、ありがとうございます。さぁ、まずは中へどうぞ。これから私はこの村にいることが多くなると思いますので、塩の精選処理は仕入れの帰りに立ち寄って頂ければ行いますから」
「そう言って頂けると助かります」
まずはアイザックさんたちに城門の中に入ってもらった。
「なっ、なんと。いや~、素晴らしい!もうすでに開拓は終わっているのですかな?
整地され畑があり、なんと!建物まであるとは。ここへ来るまでの道は平らに均され道も広く、早く進める。逆に街からの本道の方が道が悪い。驚く事ばかりですな~!ハッハッハッハッ!」
アイザックさんはなぜか諦めた様に目を見開き、涙目になりながら笑っていた。
門の中に入って貰ったが繋ぎ場(馬を停めて、繋いでおく場所)が無いことに気づいた。
俺はストレージから枝を落とした幹を3本、垂直に地面に挿すように出した。
「「「 ドン!! 」」」
「エリアス様。今のは?」
「私のスキルで繋ぎ場を作りました」
「スキルですか?」
「はい。村も出来たので、もう隠すのは止めたのです」
「…………………………。」
「こんなことで驚いてたら、エリアスとは付き合っていられないよ」
「この、こちらの女性の方は?エリアス様の思い人でしょうか?」
「お、お、思い人だなんて……ゴニョゴニョ」
「この女性はアナベルさんと言いまして、移住者で警備を担当している方です」
「警備ですか、どこかの騎士だったかたでしょうか?コホン、これは失礼。それにその抜身の見事な剣はどこで…」
「あぁ、これか。これはエリアスに創ってもらった私用の剣だ」
「創ってもらった…、私用の剣?」
〈〈〈〈〈 移住すると、この見事な剣がもらえるのか?? 〉〉〉〉〉
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