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第8部 開拓村

第48話 開拓村セトラー

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 夕方アルバンさんが営業から戻ったので、アルシアさんとアディちゃんを交え今後について話した。

 まず街にいてはできることが限られるので、村を開拓することにしたこと。
 そこで今後は穀物や果実を品種改良して販売すること。
 人が集まるまでは俺一人で行うこと。
 
 『味元あじげん』、『醤油』と『ソース』の製造に関しては設備や時間が必要になることを説明。
今あるものは俺が持っていた在庫であることにした。
村に人が集まるまでは、その在庫を販売に充てると話した。

 子供達への支払いや材料の仕入れもあるので、50万円をアルバンさんに渡しておいた。

 そして良い物件があればアルバンさん達家族の、住居兼店舗を探してほしいと説明した。
 店頭販売したいものもこれから出てくる可能があり、月80万円くらいの家賃なら自己判断で契約して構わないと言った。
 
 一気に話した後、三人は口をアングリ開けていたのが見ものだった。

 

 そしてこれからは、商業ギルドやアバンス商会へ納品する人が必要になる。
 誰かいないか?そうだ!明日聞きに行ってみよう。
 
 翌朝、遅い朝食を食べてから大聖堂に行った。
 改装工事も随分、進んでいる。

 歩いているとシスターに呼び止められ寄宿舎に案内された。
 しばらくすると大司教ヨハネス様が現れた。

「エリアス様。お待たせして申しわけありません。ランドたちになにかありましたでしょうか?」
「いいえ、子供たちは真面目に頑張ってくれていますよ」
「では、どの様な御用でしょうか?」
「人手が欲しいのです。」
「人手ですか?」
「そうです。商売で人手が足りず、雇うにしろ信用できる人がいないのです」
「信用できる人ですか…」
「「「「 今やってほしいのは、商業ギルドやアバンス商会へ毎日、調味料を運んでくれる人です。単純なことのようですが、間違いなく届けることが重要な仕事です。そこで教会の方なら信用できると。空いている時間で結構なんです。都度の寄付と調味料を運ぶ道具もお貸しいたします。最低二人一組でお願いします!! 」」」」

「わかりました。そこまで信用して頂けるなら。エリアス様のために、この大司教ヨハネスお力になりましょう。手の空いている見習いやブラザー(男性の修道士)にも手伝わせしょう!!」

(『愛し子』様のお役に立てる機会だ。間接的に女神ゼクシー様に奉仕していることになり、みなも納得するだろう。無償でもいいのだが建前として寄付は頂くか。それにオークションで得たお金はいつまでも続かない。不確実な寄付よりも修道士や孤児達を養うためにも、ここらで定期的な収入があることも必要だ)

「納品がある場合は前日に子供達に伝えておきますので、翌日に子供たちと一緒にきてもらえば結構ですから」
 
「わかりました。みなにそう伝えておきます」

 それから商業ギルドやアバンス商会へ足を運び、これからは営業はアルバンさんが、納品は教会の者が来ることを事前に話して回った。

 そして商業ギルドやアバンス商会、冒険者ギルドにはお金を払い看板を出した。
 街から歩いて二時間ほどの場所に開拓村ができたという、移住募集の看板だ。
 『仕事内容:酪農、畜産、農業、果実園、警備他自分が出来ること。
  食事、住居保証付
  希望資格:健康でやる気のある人。あなたのやる気、待ってます』

 市場に行き野菜や肉を買う。
 それから開拓村の屋敷用に寝具店に行き布団一式とタオルを買う。
 雑貨屋に行きトイレットペーパーを買う。
 そのほか必要な台所用品・清掃具などを買い、ストレージに収容。
 住人が増える可能性があるので、少し余分に買っておいた。
 
 そして『なごみ亭』に戻りアルシアさんに、明日から納品は手の空いている男性の見習いや修道士さんが来てくれることを話しておいた。

 そしてしばらく俺は、開拓地を街を行き来するすることを説明した。
 開拓地はsettler(開拓者)という意味でセトラー村とした。


 運搬用にリヤカーを『創生魔法』で創り、『なごみ亭』の裏庭に置かせてもらった。
 両サイドにはエリアス商会の文字と大きな鷹が世界を脚で掴み、翼を広げているロゴを入れた。
 
 そして2週間が過ぎた。
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