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第7部 視野を外へ

第41話 アスケル山脈の森

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『赤い翼』のメンバーたちとアスケル山脈の森を目指す。
 聞いたところによると依頼でもない限りは、街から1~2時間くらいのところまでしか離れないとのこと。
 あまり離れると暗くなる前に街に戻れないからだ。
 時間の目安は太陽の上った位置を基準にしているそうだ。

 街道から1時間くらい歩き森の中に入った。

 欲しいのは果実、穀物だ。
 森の中を歩いていると野イチゴが見つかった。
 今は6月。時期によって採れる果実が違うはずだ。
 
『赤い翼』のメンバーにも探すのを手伝ってもらった。
 アドレーさんとジェイ さんが警戒を、軽装のマットさんとランダルさんが果物や穀物探しだ。

 それからグミの実やベリー系の実。 
 小さいがメロンもどきや硬いトウモロコシが見つかった。
 山菜やキノコも見つかり、それをストレージで収容していった。

 ストレージで収容しているのを見て『赤い翼』のメンバーがとても驚いていた。
 使い方が間違っていると言われた 。

「休憩にしましょう」
 俺はストレージからテーブルと椅子を人数分出した。

「「「「 ………………… !! 」」」」

 さらに驚く『赤い翼』のメンバーたち。

 テーブルに人数分のカップを出し、ストレージに入れておいた紅茶を注いだ。
「さあ、どうぞ。召し上がってください」

「あんちゃんには驚かされるぜ」
「まったくそうだよ」
「これだけ採れたら、それだけで食っていけるぜ」
「そりゃそうだ」
 と、4人に言われた。

 山に果物や穀物を取りに来ても、手に持てる範囲しか持てない。
 でもマジック・バッグ(ストレージ)があれば、売るほど採れるからだ。

 そして話を聞くとアドレーさんとマットさんは同じ村出身で幼馴染なんだとか。
 アレンの街に来て酒場でジェイ さんとランダルさんに出会い、意気投合してからの付き合いだとか。

 そんな話をしていると、ランダルさんが指を口に当てた。
「シッ!静かに」
 『赤い翼』のメンバー全員が武器を構えた。

 何かが近づいてくる。

 ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ!

 
「トロールだ!!しかもハグレだ」
 アドレーさんが叫ぶ!

 盾役のジェイ さんが前に出る。
 マットさんは後ろに下がり弓を構える!
 俺はテーブルと椅子をストレージに仕舞った。

「逃げてください!エリアスさん」
「なんでこんなところにハグレがいるんだ!」 

 俺は冷静に『【スキル】世界の予備知識』を発動した。
(群れを抜けた魔物は強く凶暴である)

 トロールが見えてきた。

『【メンタルスキル】沈着冷静』で俺は慌てることはなかった。

 【スキル・鑑定】発動!
 名前:トロール
 種族:魔物
 年齢:30歳
 性別:オス
 レベル:26
 HP 170
 MP 20
 筋力  25
 攻撃力 23
 丈夫さ 25
 知力 30
 器用さ 20
 素早さ 20
 運   20
 状態:良好

【スキル】
 雄たけび

【特徴】
 太っていて動きは鈍く、知能が低い。

(これはまずいな。この四人では食い止めるのが精いっぱいだろう)


「わァ!!」
 タンク役のジェイさんが吹き飛ばされる!
 マットさんが弓を放つち、アドレーさんが剣で対抗しているが決め手にならない。
 
「「「逃げてください!エリアスさん、はやく!」」」
 ランダルさんが叫ぶ!

【スキル】世界の予備知識発動!
 『居合術』ロ ード・ ・ … … 読込完了!

 俺は『赤い翼』のメンバーの前に出た。
 「「 あっ!!エリアスさん 」」

 俺はストレージの中に手を入れ剣のつかを持った。
 左足を引き腰を落とし、膝に力を貯めた。
 ストレージから剣を抜き刀を外側に捻り、抜き放つ瞬間にそのまま刃は水平に振り抜く!
 手首を反らしせて柄を握り、二の太刀で首を狙う!

 ドバッ!!

 トロールの腹は真一文字に切られ、そこから内臓と血が飛び出した。

 ドサッ!!
 
 その後から首が落ちトロールは崩れ落ちた。

 キレ味と重さで切る巨大な刀『ファルクス』。
 初めて使つたが思った以上の切れ味だった。

「「「「 タタタ、タッタッタ~♬ レベルUP 剣なのに居合を覚えた 」」」」
 どこからか音が聞こえような気がした。


「「 す、すごい 」」

「大丈夫ですか?みなさん」

「「「あぁ、大丈夫だ(よ)」」」

 どうやら四人共無事のようだ。

 ジェイさんが腕を抑えて立ち上がる。

「お~痛て~、しくじった」
「これ飲んでください」
 俺はハイポーションをジェイさんに渡した。

「そんな悪いな、護衛が怪我してたら世話がない」
 ジェイさんはハイポーションを受取り飲んだ。
 すると体が淡く輝いたと思ったら効き目が出たらしく
「ふぅ~助かったぜ」
 と腕を振った。

「しかし凄かったですね、エリアスさん。あんなに強いなんて」

「そうですよ。俺たちの前に出たときは、どうなるかと思いましたよ」
 マットさんとランダルさんに言われた。

「これだけ強ければ護衛はいらなかったのでは?」
「いいえ、みなさんがいなければ果物や穀物の場所も、分かりませんでしたから」「そう言ってもらえると助かる」

「で、このトロールはどうするんだい?ギルドに売れば素材と魔石で、いい金になるぜ」
「では持ち帰りましょう」

 俺はそう言うとストレージにトロールに収容した。

「さっきの剣技は初めて見ました」
「『居合術』といいまして二の太刀で相手を倒す技です」
「初めて聞きます。エリアスさんの国の技ですか?」
「えぇ、そうです。ではそろそろ果物や穀物も十分採れたので、戻りますか」


 こうして俺たちは冒険者ギルドに戻ってきた。
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