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第6部 怒涛の『マヨネーズ』伝説

第38話 ソース&カツ

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『マヨネーズ』作りは今後、孤児院の子供達が行うことになった。
 アルバンさんには今後、定期的に商業ギルドやアバンス商会に顔を出しように指示を出す。
 そして塩を扱っている商店にも営業を掛け、塩と不純物の精選処理の仕事も請け負うように言った。

 俺は時間があるとアルバンさんの奥さんのアルシアさんに、『【スキル】世界の予備知識』を使い料理を教えた。
 そして余分に作りストレージに収容し、なにかのための非常食としてストックしている。
 娘のアディちゃんはまだ5歳なので出来ることが限られ、大人が暇な時間に読み書きを教えているくらいだ。

 この世界に転移してきて『マヨネーズ』や『味元あじげん』は作った。
 だがこれで満足はしていない。
 揚げ物が食べたい!トンカツだ。

 そして試したいことがある。
 まず街に出て必要な材料を購入してきた。

【スキル】世界の予備知識発動!
 そしてストレージ内にある材料に創生魔法を使う。
 野菜と果物(トマト、たまねぎ、りんご、にんにく)を生のまま加熱し、すり潰した後に裏ごしをして半液体状にする。
 とろみを付けたいのでレモンによく似た果汁を入れ塩、砂糖、香辛料をそれに加える。
 簡単に言えばこれがなんちゃって『とんかつソース』の作り方だ。

 異世界であるから同じものなんて作れない。
 だから『なんちゃって』なんだ。

 ただここで問題になるのが熟成、長期発酵だ。
 このまま放置して待つ!では長すぎて話にならない。
 
 そこでストレージ内の時間を加速させた。
『とんかつソース』は3年くらい加速させると、丁度良い発酵になることがわかった。
 海沿いの地域なら魚の良い干物が出来たのに、残念だ。
 


 昼の時間帯になりビルさんに『今日の昼は俺が作ります』と行った。
 台所に立ちアルシアさんや『なごみ亭』のみんながやり方を見ている。
 5歳のアディちゃんも何が出来るのか楽しみなようだ。

 オーク肉の筋を切るために包丁の背で叩く。
 やや硬いパンを削り、パン粉を作って置く。
 肉の両面に塩、胡椒を叩き小麦粉、溶いだ卵、パン粉順に付ける。
    フライパンに油を引きキツネ色になるまで炒める。

 はい、揚げないトンカツの出来上がり!
 油は高級だから大切に使わないとね。

 そしてキャベツを刻み皿に盛りカツを乗せた。
『ソース』をタップリかけ、いただきま~す!

〈〈〈〈〈 美味しい~~!! 〉〉〉〉〉
 アルバンさん、アルシアさん、アディちゃん家族の声がハモる。

「こんな食べ方があったなんて」
「美味しいわ~!」
「エリアスお兄ちゃん、おいちぃ~!」
 みんなから絶賛され、質問攻めにあった。


「なんという料理なんですか?」
「そうですね。オーク肉なのでオークカツです」
「オークカツですか?」
「はい。お気に召しましたか?」
「勿論です。美味しい」
「この黒い調味料は何なのですか?」
「『ソース』です」
「『ソース』??」
「野菜と果物を発酵させ熟成させており、肉の揚げ物に合うんですよ」
「肉を油で揚げるなんて発想はなかったわ~」
「また新しい調味料ができたのですか!」
「美味しいね~」
「これは売り込みに行かないと」 

 たくさんオークカツを作り、こっそりストレージに仕舞った。
『マヨネーズ』作りが軌道に乗れば、どんどん美味しいものを作るぞ!

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【スキル】世界の予備知識とは?
 調べたいことを思うと目の前に検索結果が現れ、パソコン画面を見ているように調べることが来るのだ。
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