【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ

文字の大きさ
上 下
32 / 128
第6部 怒涛の『マヨネーズ』伝説

第32話 カステラ

しおりを挟む
 今俺は先日の約束を果たすため、公爵家に来ている。
 屋敷の使用人の件で奴隷商に紹介状を書いてもらいにきた際に、マリーお嬢様とカトリーンお嬢様とお菓子を作る約束をしたのだ。

 公爵家に着くとマリーお嬢様とカトリーンお嬢様が待っており、

「お待ちしておりましたわ、エリアス(様)」

「待ってたよ、エリアス」

「今日は美味しいお菓子を作ろうと思います」

「それは楽しみですね」
 と執事のアルマンさんも。


 厨房に案内され、料理長ジャンさんに挨拶をした。

「こんにちわ、ジャンさん」

「ようまた来たのかい。エリアス君」
 あれ?以前来た時より丸くなっているような気がする。

「はい、また厨房をお借りいたします」

「今日は何を作るんだい?」

「はい、カステラというお菓子を作ろうと思います」

「ほう、お菓子だって?どんなお菓子なんだい」

「それはできてからのお頼みですよ」

「それはそうだな。まっ今日はお菓子担当もいるから、あまり驚かせないでくれよな」

 ではさっそく作ろう!
【スキル】世界の予備知識発動!
 世界の予備知識でカステラのレシピを探した。
 俺の目にはパソコンを見ているようにレシピの画面が見え、そのレシピを読みながら調理ができるんだ。

 材料は、はちみつ、卵、砂糖、小麦粉これだけ。
 はちみつをボールに入れお湯でよく混ぜ溶かす。
 卵をボールに割り泡立て器でよくつぶす。
 砂糖を入れ軽く混ぜる。
 小麦粉を入れ更によく混ぜる。

 型の底に敷くザラメ糖がないのが残念だ。

 型に流し込みオーブンで15分くらい焼く!
 後は型を逆さにしてだせば、はい!なんちゃってカステラの出来上がり~!

「はい、出来ました!」

 カステラをお皿に切り分け各自の前に置いた。

「ではまずは私から」と、執事のアルマンさんが言う。
 フォークで切り口に入れ目を見開いた。

 続いてマリーお嬢様とカトリーンお嬢様、料理長ジャンさんもぱくりと。
 みんな目を見開いている。
 美味しいものを食べた時はみんな目を見開くのか?

 俺も食べてみた。
 本物のカステラを食べた記憶がある俺には『まあまあ』のできだ。

 マリーお嬢様とカトリーンお嬢様は
「美味しい、美味しい!!」を連呼している。

 多めに作ったので他の調理人の人にも食べてもらった。

「あっ、」
「むっ、これは!」
「柔らかい」
 それぞれの反応がありお菓子担当は、『負けた』と言い泣いていた。

 よく聞いてみるとこの世界のお菓子は、小麦をただ捏ねて砂糖を入れただけのお菓子が多いらしい。
 砂糖が貴重なため、甘いだけでも価値があるのだ。

「美味しいですわ!エリアス(様)。これならお店を開けますわよ」
(エリアス様と一緒に居れば毎日でもこんな美味しいお菓子を食べられるのね~)

 この時マリーお嬢様の妄想にひもが付き、風船のようにお空に飛んで行った。

「そこまでのものではありませんよ、マリーお嬢様」

「「「「いえ、本当に美味しい(わ)」」」」
 みんな口を揃えて言ってくれると嬉しいものだ。
 
 これで牛乳があれば生クリームが作れるのに。

「近いうちに当屋敷で晩餐会があり、その時に出すものを考えておりました。このカステラをその際にお出しできればと思います。公爵様にも確認してからとなりますが」

 厨房の奥で地団駄を踏んでいる人がいる。
 お菓子担当の人の様だがどうしたんだろ?

「凄いなエリアス。晩餐会にだせるかもしれないなんて。名誉なことなんだぞ」

「はぁ。まだ分かりませんよ、ジャンさん」

「いったいどこから仕入れてきた知識なんだい?」

「亡くなった母が料理やお菓子作りが好きだったもので、それを見ていて覚えたんです」

「そうか、お母さんが。嫌なことを思い出させたね」

「いいえ、そんなことはありませんから」

その話を聞いていた執事のアルマンは、
(『なごみ亭』のメニューはエリアス様が発案したものが多いと聞く。お菓子もそうだが庶民が高級食材を用意出来るわけがない。エリアス様には、やりなにか秘密が…。公爵様にお知らせしなければ)
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。 しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた! 今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。 そうしていると……? ※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-

ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!! 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。 しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。 え、鑑定サーチてなに? ストレージで収納防御て? お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。 スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。 ※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。 またカクヨム様にも掲載しております。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

スローライフとは何なのか? のんびり建国記

久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。 ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。 だけどまあ、そんな事は夢の夢。 現実は、そんな考えを許してくれなかった。 三日と置かず、騒動は降ってくる。 基本は、いちゃこらファンタジーの予定。 そんな感じで、進みます。

【完結】ご都合主義で生きてます。奥様は魔女(中二病)だったのです。-北の森の怠惰な魔女-

ジェルミ
ファンタジー
右手首に布を巻き、左目に黒い眼帯をした白銀色の長い髪の少女の物語。 奥様の名前はパメラ18歳。そして転移者の旦那様の名前はダーリン。 ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。 ただひとつ違っていたのは、奥様は魔女(中二病)だったのです。 離れている家族と意思の疎通ができ、能力を共有できる【スキル】情報共有。 カスタマイズ可能な時空間魔法ストレージや創生魔法、世界の知識を使いこなしこの世の中を駆け抜ける。 ※このお話は『ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-』のスピンオフです。 前作を読まれていない方でも、楽しめるように書いています。

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

処理中です...