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第3部 美味しいもの
第18話 新装開店!
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『なごみ亭』は宿泊は止め食事一本に絞り食堂をやることになった。
それからが忙しかった。
『なごみ亭』の看板を外しどこからか持ってきた板に『お食事処 なごみ亭』と
ビルさんが書いて入れ替えた。
食事は外食をする人が多い時間で朝食は6~8時、夕食は15~18時までと決めた。
日中の間は買い出しと仕込みと休憩の時間に充てた。
元々、一階の食堂にはテーブルが3つあった。
そこに二階の客室からテーブルを1つ下ろし、テーブルはこれで4つになった。
ビルさんはもっと増やしたいようだが、俺が止めた。
客室5部屋の宿屋の食堂がそんなに広いわけがない。
四人掛けのテーブル4つなら、相席してもらえば16人は座れる。
屋台で食べる人も多いから相席は気にしないと思う。
今は午後になったばかりなので夕方の準備をしないと。
外に小さい台を出し通り掛かった人に試食をしてもらう予定だ。
俺は店が混むと予想し、回転を考えると提供するスピードが命になると思った。
そのため、提供するメニューは毎回1種類のみ。
ビルさんが一人で調理をするので、効率を考えてそう決めた。
店にお客が入って来た時点で作り始めれば、注文する料理は決まっているので早く提供でき回転が良くなる。
『なごみ亭』は老舗の古い店だ。
泊まるなら別だが宿屋と違い、味が良ければ店の外見は気にならないはず。
そして夕方になり、いよいよ本番だ。
「「「 さぁ、美味しい肉野菜炒めだよ~。今までにない調味料を使って魔法の様な味だよ。さあ、味見していっておくれ~! 」」」
と、俺が大きい声で呼び込みをしている。
なぜ俺がやっているのか?それは他に人がいないからだ。
厨房にビルさん。フロアは奥さんのサリーさん。
10歳のアンナちゃんは配膳の手伝い=残り0人。
だから俺が試食を兼ねた呼び込みをしている。責任重大だ。
通りかかった冒険者風の中年のおじさんAが言った、
「肉野菜炒めなんて、どこでもおなじだろ」、「そうだよ、美味しいなんてないよ」 連れのおじさんB・Cも口を揃える。
「「嘘だと思うなら、一口食べてみてから言ってほしいな」」
と、俺は試食用の皿に一口分だけ野菜と肉を載せ、おじさんAに渡した。
「肉も入っているのか。ま、ただなら食べてやらないでもないか」
と、おじさんAが野菜と肉を口に運ぶと…。
〈〈〈〈〈 な、なんじゃこりゃ~!! 〉〉〉〉〉
おじさんAが大きな声で絶叫した。
丁度、夕食時で人通りもあり、通行人も足を止めこちらを注目しているぞ。
「「お、俺たちにもくれないか」」
おじさんB・Cが言いだし二人にも試食を渡した。
そして野菜や肉を口に運ぶと二人して…。
「「「「 旨い!うまいぞ~!! 」」」」」
「「「「 肉と野菜のコラボや~!! 」」」」」
まるでサクラのような反応に人だかりが……。
「あんちゃん、これ幾らなんだい?」と、おじさんAが言ってきた。
そして俺は
「「「「 今日はオークの肉が入って700円だ~!! 」」」」」
「「「「 お、おぅ!!この大きさの肉がまだ入って700円とは 〉〉〉〉〉
「「「「 しかも新しい調味料『マヨネーズ』もお目見えだ~!まだどこにも売っていない調味料だ~。この初を堪能できるのは今日からだ~!! 」」」」
〈〈〈〈〈 おぉ~!! 〉〉〉〉〉
「「「「 しかも数量限定だ~! 」」」」
〈〈〈〈〈 えぇ~!! 〉〉〉〉〉
声を揃えるおじさんA・B・C。
「「「「 どんなことをしても、食べたいか! 」」」」
〈〈〈〈〈 食べたい、食べるぞ、おれは食べる! 〉〉〉〉〉
と、言いながらおじさん達は店の中へ。
「ニューヨークへ行きたいか!」、「罰ゲームは怖くないか!」と俺はまだ一人でやっていた……。ヒュ~。
「俺も食べてみようかな」と、それを見ていた人達も店に入り…。
そして店内からは「「「「 旨え~!! 」」」」、
「「「「 なんだ、この『マヨネーズ』と言うのは、旨すぎる!! 」」」」
の絶叫が店の中から通りに聞こえる。
肉もそこそこ入っており、肉は高級品だからここまで入るのは珍しいはずだ。
肉野菜炒めの他にマヨネーズをかけたサラダを出している。
これだけのボリュームで700円は安い。
いずれ『謎肉』でも作ってみるか。
その後は試食なんていらないくらい店が混んだ。
なぜなら店内は四人掛けのテーブル4つ、相席で16人座れる。
そしてそれを超えれば待ちになり、待つ人が出ればそれが注目を引き宣伝になる。
ビルさんに事前に言っていたことがある。
もし待ちがでたら、ひたすら作り続ければいいと。
どんどん作っていくので座ったとたんに料理が出てくる。
最後のころには入店したお客の後に、料理を持ったサリーさんが付いて歩き、テーブルに座ると目の前に料理がすぐに置かれる。
だって料理は1種類だからね。
まさに『早いの~♪安いの~♬旨んまいの~♬!』だ。
それに加え忙しくなることを見越して配膳は店側が下げに行くのではなく、事前に配膳場所を作りフードコートのようにお客に下げてもらうようにしたのだ。
そのため、俺はずっと皿洗いだったのだ。
今まで泊り客のみだったため、皿が足りなくなり下がってきた皿をすぐに洗い料理を盛り付けて出す!の繰り返しだった。
明日、お皿を購入するとビルさんは言っていたけど。
それに食べ終わると「待っている人がいるので悪いから」と、長居はせず食べ終わるとすぐに帰る人が多かった。
席が多すぎるより少なめにし、待ちが出るくらいの方が回転が良いこともある。
そして18時前に材料が無くなり閉店となった。
『味元』を使った肉野菜炒めや、マヨネーズをかけたサラダは大好評だった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ビルさん一家と俺は座り込み、グッタリして動けない状態だった。
「「「「 あなた、大変!! 」」」」
今日の売上を集計していたサリーさんが大きな声で呼んだ。
行ってみるとサリーさんの前には硬貨の山が……!
今日の売上は56,000円。初日で5回転したことになる。
ビルさんも目を見開き
「まさかこんなにお客さんが来てくれるなんて。宿屋をやっている時でも良くても
一日30,000円くらいだったのに」
「ほんと、嘘のようだわ」
「これもエリアスお兄ちゃんのおかげだね~」
親子三人で大喜び!
「ほんと、そうだよ。エリアス君が居なかったら、この店はどうなっていたことか」
「いえ、そんなことはありませんよ」
(5部屋しかない宿屋でやっていけると思ってた、ビルさん達がおかしいんだよ~)
それからが忙しかった。
『なごみ亭』の看板を外しどこからか持ってきた板に『お食事処 なごみ亭』と
ビルさんが書いて入れ替えた。
食事は外食をする人が多い時間で朝食は6~8時、夕食は15~18時までと決めた。
日中の間は買い出しと仕込みと休憩の時間に充てた。
元々、一階の食堂にはテーブルが3つあった。
そこに二階の客室からテーブルを1つ下ろし、テーブルはこれで4つになった。
ビルさんはもっと増やしたいようだが、俺が止めた。
客室5部屋の宿屋の食堂がそんなに広いわけがない。
四人掛けのテーブル4つなら、相席してもらえば16人は座れる。
屋台で食べる人も多いから相席は気にしないと思う。
今は午後になったばかりなので夕方の準備をしないと。
外に小さい台を出し通り掛かった人に試食をしてもらう予定だ。
俺は店が混むと予想し、回転を考えると提供するスピードが命になると思った。
そのため、提供するメニューは毎回1種類のみ。
ビルさんが一人で調理をするので、効率を考えてそう決めた。
店にお客が入って来た時点で作り始めれば、注文する料理は決まっているので早く提供でき回転が良くなる。
『なごみ亭』は老舗の古い店だ。
泊まるなら別だが宿屋と違い、味が良ければ店の外見は気にならないはず。
そして夕方になり、いよいよ本番だ。
「「「 さぁ、美味しい肉野菜炒めだよ~。今までにない調味料を使って魔法の様な味だよ。さあ、味見していっておくれ~! 」」」
と、俺が大きい声で呼び込みをしている。
なぜ俺がやっているのか?それは他に人がいないからだ。
厨房にビルさん。フロアは奥さんのサリーさん。
10歳のアンナちゃんは配膳の手伝い=残り0人。
だから俺が試食を兼ねた呼び込みをしている。責任重大だ。
通りかかった冒険者風の中年のおじさんAが言った、
「肉野菜炒めなんて、どこでもおなじだろ」、「そうだよ、美味しいなんてないよ」 連れのおじさんB・Cも口を揃える。
「「嘘だと思うなら、一口食べてみてから言ってほしいな」」
と、俺は試食用の皿に一口分だけ野菜と肉を載せ、おじさんAに渡した。
「肉も入っているのか。ま、ただなら食べてやらないでもないか」
と、おじさんAが野菜と肉を口に運ぶと…。
〈〈〈〈〈 な、なんじゃこりゃ~!! 〉〉〉〉〉
おじさんAが大きな声で絶叫した。
丁度、夕食時で人通りもあり、通行人も足を止めこちらを注目しているぞ。
「「お、俺たちにもくれないか」」
おじさんB・Cが言いだし二人にも試食を渡した。
そして野菜や肉を口に運ぶと二人して…。
「「「「 旨い!うまいぞ~!! 」」」」」
「「「「 肉と野菜のコラボや~!! 」」」」」
まるでサクラのような反応に人だかりが……。
「あんちゃん、これ幾らなんだい?」と、おじさんAが言ってきた。
そして俺は
「「「「 今日はオークの肉が入って700円だ~!! 」」」」」
「「「「 お、おぅ!!この大きさの肉がまだ入って700円とは 〉〉〉〉〉
「「「「 しかも新しい調味料『マヨネーズ』もお目見えだ~!まだどこにも売っていない調味料だ~。この初を堪能できるのは今日からだ~!! 」」」」
〈〈〈〈〈 おぉ~!! 〉〉〉〉〉
「「「「 しかも数量限定だ~! 」」」」
〈〈〈〈〈 えぇ~!! 〉〉〉〉〉
声を揃えるおじさんA・B・C。
「「「「 どんなことをしても、食べたいか! 」」」」
〈〈〈〈〈 食べたい、食べるぞ、おれは食べる! 〉〉〉〉〉
と、言いながらおじさん達は店の中へ。
「ニューヨークへ行きたいか!」、「罰ゲームは怖くないか!」と俺はまだ一人でやっていた……。ヒュ~。
「俺も食べてみようかな」と、それを見ていた人達も店に入り…。
そして店内からは「「「「 旨え~!! 」」」」、
「「「「 なんだ、この『マヨネーズ』と言うのは、旨すぎる!! 」」」」
の絶叫が店の中から通りに聞こえる。
肉もそこそこ入っており、肉は高級品だからここまで入るのは珍しいはずだ。
肉野菜炒めの他にマヨネーズをかけたサラダを出している。
これだけのボリュームで700円は安い。
いずれ『謎肉』でも作ってみるか。
その後は試食なんていらないくらい店が混んだ。
なぜなら店内は四人掛けのテーブル4つ、相席で16人座れる。
そしてそれを超えれば待ちになり、待つ人が出ればそれが注目を引き宣伝になる。
ビルさんに事前に言っていたことがある。
もし待ちがでたら、ひたすら作り続ければいいと。
どんどん作っていくので座ったとたんに料理が出てくる。
最後のころには入店したお客の後に、料理を持ったサリーさんが付いて歩き、テーブルに座ると目の前に料理がすぐに置かれる。
だって料理は1種類だからね。
まさに『早いの~♪安いの~♬旨んまいの~♬!』だ。
それに加え忙しくなることを見越して配膳は店側が下げに行くのではなく、事前に配膳場所を作りフードコートのようにお客に下げてもらうようにしたのだ。
そのため、俺はずっと皿洗いだったのだ。
今まで泊り客のみだったため、皿が足りなくなり下がってきた皿をすぐに洗い料理を盛り付けて出す!の繰り返しだった。
明日、お皿を購入するとビルさんは言っていたけど。
それに食べ終わると「待っている人がいるので悪いから」と、長居はせず食べ終わるとすぐに帰る人が多かった。
席が多すぎるより少なめにし、待ちが出るくらいの方が回転が良いこともある。
そして18時前に材料が無くなり閉店となった。
『味元』を使った肉野菜炒めや、マヨネーズをかけたサラダは大好評だった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ビルさん一家と俺は座り込み、グッタリして動けない状態だった。
「「「「 あなた、大変!! 」」」」
今日の売上を集計していたサリーさんが大きな声で呼んだ。
行ってみるとサリーさんの前には硬貨の山が……!
今日の売上は56,000円。初日で5回転したことになる。
ビルさんも目を見開き
「まさかこんなにお客さんが来てくれるなんて。宿屋をやっている時でも良くても
一日30,000円くらいだったのに」
「ほんと、嘘のようだわ」
「これもエリアスお兄ちゃんのおかげだね~」
親子三人で大喜び!
「ほんと、そうだよ。エリアス君が居なかったら、この店はどうなっていたことか」
「いえ、そんなことはありませんよ」
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