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第3部 美味しいもの
第15話 まずは商談
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相変わらず俺は遅寝、遅起きだ。
この町の人は日の出と共に活動しだす。
俺は7:30頃に起き朝食をとる。
ビルさん達も心得たもので、その頃に朝食を作ってくれている。
食べ終わってから部屋でダラダラしてから出かけるので、行動するのは大体10時頃からだ。(と、言うより宿泊客は俺しかいないことが多い。大丈夫か?)
今、俺は商業ギルドに来ている。
中に入ると暇な時間帯なのか前回同様、受付はノエルさんという女性だった。
「エリアスと言います。ギルドマスターのアレックさんに会いたいのですが」
「お約束はしておりますか?」
「いいえ。していませんが損のないお話だとお伝えください!」
「少々お待ちください」
と、ノエルさんは奥にさがり、しばらくしてからギルマスの部屋に案内された。
部屋に入るとアレックさんが
「今日はなんのようだい?あぁ、そういえば精選処理の件かい?」
「いいえ、今日は精選処理ではなく別件なんです」
「ほう、どんなことかな」
「これです」
俺はマジック・バッグから出す振りをして、ストレージから昨日食べきれなかった野菜スープ、野菜炒め、肉料理、茹で野菜を出した。
たくさんあったので食べる振りをして、ストレージに入れておいたのだ。
定番の時間停止機能付きなので暖かいままだ。
ストレージから出した時、アレックさんの目が『キラリ』と光ったのを俺は見逃さなかったけど。
「これは?」
「何も言わず、まずは食べてみてください」と、フォークとスプーンを渡した。
そして野菜スープを口に入れるとアレックさんは
「「「「 なっ、なんだ。この味は!! 」」」」
と、驚きの声を上げスプーンを落としそうになった。
(味の大革命や~!と言う声が聞こえた気がする)
「『うま味調味料』です」
「『うま味調味料』?何だいそれは」
「あるものから『うま味』だけを取り出した調味料です。そのため、何にでも合い
美味しくなるんです」
と、言いながらストレージから『うま味調味料』が入った入物を出して見せた。
(『うま味調味料』に椎茸と鰹節のダシ汁を入れた、合わせダシだから更に美味しくなるんだ)
「それは凄いな。で、君はこれをどうしたいんだい?」
「ギルドで調味料を買上で扱ってほしいのです。そしてそれを作るための、住居兼作業場を借りようと思いまして」
「自分で売るより利幅は減るがいいのかい?」
「はい、かまいません。自分で店を開き売る手間や経費を考えたら、商業ギルドに卸したほうが全国的に流通しますから。薄利多売、細く長くできればいいと思っています」
「ほぅ、目先の利益を追う商人が多いのに薄利多売、細く長くか。いい心がけだ。
で、いくらで卸してくれるんだい?」
「俺が卸す金額の2倍でギルドが商人に売り、商人がそれに1.5倍かけて売る。
最低3倍が、店頭に並ぶ値段でしょうか?」
「ふむ、君とギルドと販売する商人の間で値段を決めたいという事か」
「は、はい、どの店でも手軽な同じ金額で購入できれば買いやすいと思うので」
「価格統一か、そのような考えの商人は今までいなかったよ。この街の中では統一 し、他の街に出す時は移動の経費が掛かるから例外としよう」
「で、いくらで買ってもらえますか?値段がよくわからなくて」
「ははは、欲がないな。では20,000円でどうだ?」
「えっ!」
「まあ、ま、そうだよな。安いよな。では30,000円で仕入れよう!」
安くて驚いたのではない。高くて驚いたのだ。
原価をいえば蓋付の入物を入れても1個当たり326円!
60個売ると100,400円の儲けがでる!
2,000円でギルドに卸しても利益率83.7%、高すぎ!!
(商品より入物の方が高いんですけど)
「いえ、そうではありません。2,000円にしてください!お願いします」
その後、売側が値段を下げる交渉が続き結局2,000円に収まった。
「本当に欲がないな。他の商人に見せてやりたいくらいだよ」
(いえ、欲がないのではありません。アレックさんの言う値段で売ったら売値が10,000円近い調味料なんて、原価が高くて屋台や飲食店では使ってもらえないよ。調味料は消耗品!たくさんの人に使ってもらって、リピートしてくれた方が長い目で見ると儲かるんだ)
「ただ商品名だが『うま味調味料』は長いな」とアレックさん。
「そうですね。では『味』の『元』と書いて『味元』というのはどうでしょう」
「『味元』か」
「ええ、そうです。『味元』、『味元』です」
「えっ………………………………………… そ、そうか、(汗)、良い名だ」
こうして交渉は無事に済み取り合えず、月200個の契約から始まることになった。
事前に税金8%を引いてもらったが、それだけでも360,000円超えの利益になる。
ますます駄目人間になりそうだ。
この町の人は日の出と共に活動しだす。
俺は7:30頃に起き朝食をとる。
ビルさん達も心得たもので、その頃に朝食を作ってくれている。
食べ終わってから部屋でダラダラしてから出かけるので、行動するのは大体10時頃からだ。(と、言うより宿泊客は俺しかいないことが多い。大丈夫か?)
今、俺は商業ギルドに来ている。
中に入ると暇な時間帯なのか前回同様、受付はノエルさんという女性だった。
「エリアスと言います。ギルドマスターのアレックさんに会いたいのですが」
「お約束はしておりますか?」
「いいえ。していませんが損のないお話だとお伝えください!」
「少々お待ちください」
と、ノエルさんは奥にさがり、しばらくしてからギルマスの部屋に案内された。
部屋に入るとアレックさんが
「今日はなんのようだい?あぁ、そういえば精選処理の件かい?」
「いいえ、今日は精選処理ではなく別件なんです」
「ほう、どんなことかな」
「これです」
俺はマジック・バッグから出す振りをして、ストレージから昨日食べきれなかった野菜スープ、野菜炒め、肉料理、茹で野菜を出した。
たくさんあったので食べる振りをして、ストレージに入れておいたのだ。
定番の時間停止機能付きなので暖かいままだ。
ストレージから出した時、アレックさんの目が『キラリ』と光ったのを俺は見逃さなかったけど。
「これは?」
「何も言わず、まずは食べてみてください」と、フォークとスプーンを渡した。
そして野菜スープを口に入れるとアレックさんは
「「「「 なっ、なんだ。この味は!! 」」」」
と、驚きの声を上げスプーンを落としそうになった。
(味の大革命や~!と言う声が聞こえた気がする)
「『うま味調味料』です」
「『うま味調味料』?何だいそれは」
「あるものから『うま味』だけを取り出した調味料です。そのため、何にでも合い
美味しくなるんです」
と、言いながらストレージから『うま味調味料』が入った入物を出して見せた。
(『うま味調味料』に椎茸と鰹節のダシ汁を入れた、合わせダシだから更に美味しくなるんだ)
「それは凄いな。で、君はこれをどうしたいんだい?」
「ギルドで調味料を買上で扱ってほしいのです。そしてそれを作るための、住居兼作業場を借りようと思いまして」
「自分で売るより利幅は減るがいいのかい?」
「はい、かまいません。自分で店を開き売る手間や経費を考えたら、商業ギルドに卸したほうが全国的に流通しますから。薄利多売、細く長くできればいいと思っています」
「ほぅ、目先の利益を追う商人が多いのに薄利多売、細く長くか。いい心がけだ。
で、いくらで卸してくれるんだい?」
「俺が卸す金額の2倍でギルドが商人に売り、商人がそれに1.5倍かけて売る。
最低3倍が、店頭に並ぶ値段でしょうか?」
「ふむ、君とギルドと販売する商人の間で値段を決めたいという事か」
「は、はい、どの店でも手軽な同じ金額で購入できれば買いやすいと思うので」
「価格統一か、そのような考えの商人は今までいなかったよ。この街の中では統一 し、他の街に出す時は移動の経費が掛かるから例外としよう」
「で、いくらで買ってもらえますか?値段がよくわからなくて」
「ははは、欲がないな。では20,000円でどうだ?」
「えっ!」
「まあ、ま、そうだよな。安いよな。では30,000円で仕入れよう!」
安くて驚いたのではない。高くて驚いたのだ。
原価をいえば蓋付の入物を入れても1個当たり326円!
60個売ると100,400円の儲けがでる!
2,000円でギルドに卸しても利益率83.7%、高すぎ!!
(商品より入物の方が高いんですけど)
「いえ、そうではありません。2,000円にしてください!お願いします」
その後、売側が値段を下げる交渉が続き結局2,000円に収まった。
「本当に欲がないな。他の商人に見せてやりたいくらいだよ」
(いえ、欲がないのではありません。アレックさんの言う値段で売ったら売値が10,000円近い調味料なんて、原価が高くて屋台や飲食店では使ってもらえないよ。調味料は消耗品!たくさんの人に使ってもらって、リピートしてくれた方が長い目で見ると儲かるんだ)
「ただ商品名だが『うま味調味料』は長いな」とアレックさん。
「そうですね。では『味』の『元』と書いて『味元』というのはどうでしょう」
「『味元』か」
「ええ、そうです。『味元』、『味元』です」
「えっ………………………………………… そ、そうか、(汗)、良い名だ」
こうして交渉は無事に済み取り合えず、月200個の契約から始まることになった。
事前に税金8%を引いてもらったが、それだけでも360,000円超えの利益になる。
ますます駄目人間になりそうだ。
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