67 / 98
第8部 領地経営
第67話 mama's boy
しおりを挟む
俺は住民の前で新任の挨拶をした。
「「「 シ~~ン! 」」」
一瞬、間があったがその後、拍手をたくさん浴びた。
「「「 パチ、パチ、パチ、パチ! 」」」
「いいわ、いいわセルベルト卿」
ペニーさんが言う。
「セルベルト卿は堅苦しいのが嫌いみたいだから、エリアス様で良いみたいよ」
知らないおばさんが、俺のことを話している。
確かにそうだけど誰だ?そんな話がもう広まっているのかな?
「貴族様が俺たち庶民に頭を下げるなんて」
「な、なんて謙虚な挨拶なんだ」
「さあ、みなさん。それでは仕事に向かってください」
アーマン村長が声を掛け、みんなそれぞれにその場を離れていった。
「あなたが新しい領主様だったのね」
寝具を譲ってくれたペニーさん、レジーナさん、フリーダさんが残っていた。
「でも良かったわ。エリアス様が新しい領主様で。前の領主様は酷かった…」
ペニーさんは辛そうに言う。
「えぇ、お話は伺っております。さぞ辛かったでしょう」
「とても女好きで綺麗な女性には目がなくて」
「そうね、ペニー。私も何度断ってもしつこくされて、大変だったわ」
「あら、あなたもだったのレジーナ。お互い苦労したわね」
「私も『あなたは奇麗だから税金を掛ける』て、言われて、払えなければ体で払え、て。お金を用意するのが毎回、大変だったわ」
「まあ、フリーダ。あなたも苦労したのね」
は?
オイ、オイ、オイ。
「すみません、前の領主は何歳くらいの方だったのでしょうか?」
「25歳くらいかな。親が商売をやっていて金持ちで爵位を買った、て言ってたわ」
この国では爵位売買がある。
うらぶれた貴族が明日の金に困り、お金を持っている商家に爵位を売る。
元貴族はお金を、商家は名誉の称号を手に入れることができるのだ。
貴族は血の繋がりに意味があり、生まれたその時から自然に認められる階級だ。
一方、爵位は権力によって承認されることで生まれる階級なのだ。
そして位の低い男爵、騎士などの爵位は売買されても国は関与しない。
低い位は権限や力もそれほどなく、国にしてみるとクラウドファンディングみたいなものだ。
不特定多数の人が国という組織に爵位を買う事で、財源の提供や協力などを行うからだ。
だがやりすぎると粛清される。
だた、それだけのことだった。
「エリアス様なら、私で税金を払っても良いわよ」
「な、何を言っているのペニー。あなたには旦那が居るでしょ。私なら独身だから」
「それなら私もよ」
レジーナさんとフリーダさんが、訳の分からないことを言っている。
しかしペニーさん達は40~50代だ。
前の領主は女好きと聞いていたが?
困って嫁達3人を見ると、呆れた顔をしていた。
この村に来た時には、ムッとした顔をしたのに。
どうしたんだ?
『ねえ、聞いてたルイディナ。前の領主は女好きだったて聞いてたけど、マザコンだったのね』
『マザコンてなに?パメラ』
『エリアスっちから聞いたんだけど、母親に対して青年が強い愛着・執着を持つことなんだって。大人になっても母親離れできてないの。だから性の相手も自分の母親位の年齢の人が好きで、とにかくオッパイが好きなの』
『男ならみんなオッパイが好きなんじゃないの?』
『それが違うのよオルガ。オッパイをしゃぶっている時や、触っている時は赤ちゃんに戻れるの。そして下手に大人だから性欲もあって始末が悪いのよ』
一呼吸おいてパメラが話始める。
『ここに来る前に前の領主は奇麗な女性が居る家には色んな税金を掛け、払えない場合は女性の体を要求した、て聞いたけど若い人なんていないわよね』
『そう言えばそうね。大体が40~60代で、そのお子さんの年齢が20代半ばで、その子供が10歳位かな』
『ね、この村には若い人なんて居ないのよ。前の領主から見たら自分好みの素敵なおばさん達が居る村だったのよ。でもエリアスっちが違うから、おばさん達がエリアスっちにベタベタしても、私達は気にすることは無いのよ』
『そ、そうねパメラ。エリアスは人が良いから、女が増えそうで怖かったの』
『大丈夫よオルガ、安心して。この村にはその対象になる年齢の人が居ないわ』
『そうね、居るのは40歳以上か25歳くらいの既婚者か10歳くらいの子供達よね』
突然、女子集会を始めるのは止めてほしいな。
しかし前の領主はマザコンだったのかな?
エリアスはこの世界に転移する生前は58歳だった。
だが今は精神年齢も肉体年齢の17歳になっている。
そして肉親のいない寂しさから時折、誰かに甘えたい時もある。
だが大人になってしまうと、それもできない。
「誰かの胸で、甘えたい。大人になった今だから」
あると思います!
マザコン。
和製英語でマザーコンプレックス。
英語ではmama's boy。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
またこんな話で1話です。
すみません。
「「「 シ~~ン! 」」」
一瞬、間があったがその後、拍手をたくさん浴びた。
「「「 パチ、パチ、パチ、パチ! 」」」
「いいわ、いいわセルベルト卿」
ペニーさんが言う。
「セルベルト卿は堅苦しいのが嫌いみたいだから、エリアス様で良いみたいよ」
知らないおばさんが、俺のことを話している。
確かにそうだけど誰だ?そんな話がもう広まっているのかな?
「貴族様が俺たち庶民に頭を下げるなんて」
「な、なんて謙虚な挨拶なんだ」
「さあ、みなさん。それでは仕事に向かってください」
アーマン村長が声を掛け、みんなそれぞれにその場を離れていった。
「あなたが新しい領主様だったのね」
寝具を譲ってくれたペニーさん、レジーナさん、フリーダさんが残っていた。
「でも良かったわ。エリアス様が新しい領主様で。前の領主様は酷かった…」
ペニーさんは辛そうに言う。
「えぇ、お話は伺っております。さぞ辛かったでしょう」
「とても女好きで綺麗な女性には目がなくて」
「そうね、ペニー。私も何度断ってもしつこくされて、大変だったわ」
「あら、あなたもだったのレジーナ。お互い苦労したわね」
「私も『あなたは奇麗だから税金を掛ける』て、言われて、払えなければ体で払え、て。お金を用意するのが毎回、大変だったわ」
「まあ、フリーダ。あなたも苦労したのね」
は?
オイ、オイ、オイ。
「すみません、前の領主は何歳くらいの方だったのでしょうか?」
「25歳くらいかな。親が商売をやっていて金持ちで爵位を買った、て言ってたわ」
この国では爵位売買がある。
うらぶれた貴族が明日の金に困り、お金を持っている商家に爵位を売る。
元貴族はお金を、商家は名誉の称号を手に入れることができるのだ。
貴族は血の繋がりに意味があり、生まれたその時から自然に認められる階級だ。
一方、爵位は権力によって承認されることで生まれる階級なのだ。
そして位の低い男爵、騎士などの爵位は売買されても国は関与しない。
低い位は権限や力もそれほどなく、国にしてみるとクラウドファンディングみたいなものだ。
不特定多数の人が国という組織に爵位を買う事で、財源の提供や協力などを行うからだ。
だがやりすぎると粛清される。
だた、それだけのことだった。
「エリアス様なら、私で税金を払っても良いわよ」
「な、何を言っているのペニー。あなたには旦那が居るでしょ。私なら独身だから」
「それなら私もよ」
レジーナさんとフリーダさんが、訳の分からないことを言っている。
しかしペニーさん達は40~50代だ。
前の領主は女好きと聞いていたが?
困って嫁達3人を見ると、呆れた顔をしていた。
この村に来た時には、ムッとした顔をしたのに。
どうしたんだ?
『ねえ、聞いてたルイディナ。前の領主は女好きだったて聞いてたけど、マザコンだったのね』
『マザコンてなに?パメラ』
『エリアスっちから聞いたんだけど、母親に対して青年が強い愛着・執着を持つことなんだって。大人になっても母親離れできてないの。だから性の相手も自分の母親位の年齢の人が好きで、とにかくオッパイが好きなの』
『男ならみんなオッパイが好きなんじゃないの?』
『それが違うのよオルガ。オッパイをしゃぶっている時や、触っている時は赤ちゃんに戻れるの。そして下手に大人だから性欲もあって始末が悪いのよ』
一呼吸おいてパメラが話始める。
『ここに来る前に前の領主は奇麗な女性が居る家には色んな税金を掛け、払えない場合は女性の体を要求した、て聞いたけど若い人なんていないわよね』
『そう言えばそうね。大体が40~60代で、そのお子さんの年齢が20代半ばで、その子供が10歳位かな』
『ね、この村には若い人なんて居ないのよ。前の領主から見たら自分好みの素敵なおばさん達が居る村だったのよ。でもエリアスっちが違うから、おばさん達がエリアスっちにベタベタしても、私達は気にすることは無いのよ』
『そ、そうねパメラ。エリアスは人が良いから、女が増えそうで怖かったの』
『大丈夫よオルガ、安心して。この村にはその対象になる年齢の人が居ないわ』
『そうね、居るのは40歳以上か25歳くらいの既婚者か10歳くらいの子供達よね』
突然、女子集会を始めるのは止めてほしいな。
しかし前の領主はマザコンだったのかな?
エリアスはこの世界に転移する生前は58歳だった。
だが今は精神年齢も肉体年齢の17歳になっている。
そして肉親のいない寂しさから時折、誰かに甘えたい時もある。
だが大人になってしまうと、それもできない。
「誰かの胸で、甘えたい。大人になった今だから」
あると思います!
マザコン。
和製英語でマザーコンプレックス。
英語ではmama's boy。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
またこんな話で1話です。
すみません。
1
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ
ボケ猫
ファンタジー
日々、異世界などの妄想をする、アラフォーのテツ。
ある日突然、この世界のシステムが、魔法やレベルのある世界へと変化。
夢にまで見たシステムに大喜びのテツ。
そんな中、アラフォーのおっさんがレベルを上げながら家族とともに新しい世界を生きていく。
そして、世界変化の一因であろう異世界人の転移者との出会い。
新しい世界で、新たな出会い、関係を構築していこうとする物語・・・のはず・・。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる