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第7部 いざ男爵領へ

第54話 時空間魔法

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 俺達4人はアレンの街に宿をとった。
 広めの4人部屋に入り俺は言った。
「ちょっといいかな。みんなに話があります」
「なあに、エリアスっち」

 それぞれが、なんだ?というような顔をしながらベッドに腰かけた。

「実はまだみんなに話してなかった事があるんだ」
「どんなこと?」
「実は俺、時空間魔法が使えるんです」
「時空間魔法?私の空間魔術師と関係があるのね」
「そうですパメラさん。実際は俺もよく分からないけど、時間と空間を操れる魔法です」

「「「 時間と空間を操る?? 」」」

 オルガさんやルイディナさんも口を揃える。
「みんながマジック・バッグだと思っていたのは、ストレージという俺の魔法です」

「「「 魔法?? 」」」

「どういうことなのエリアスっち。もっ詳しく教えて」
 魔術師であるパメラさんが食いついてくる。
「普通マジック・バッグは古代文明の遺跡から発掘されたり、エンチャント付与をされたバッグがマジック・バッグですよね」
 嫁3人がうなずく。

「でも俺のストレージは保存場所が空間なんだ。空間を開け、その中に仕舞う事ができる魔法なんです」
「私が使った空間結合とかいう魔法と同じなの」
「似てるかな。例えば空間結合はAとBの間の空間を飛ばして、直接繋げる魔法だと思う。でもストレージは空間にを開けて、その中に仕舞う魔法かな」
「AだけあってBがない、てことね」
「う、うん。そうだね。物が存在しないで空いている所に入り口があって、そこに物を入れることが出来る魔法かな」
 オルガさんやルイディナさんは理解できないのか、黙っている。

「そしてもう1つ、時空間魔法は時間を操れるんだ」
「時間を操る?どういう事よ」
「ストレージに物を入れると、時間の流れを止めることが出来るんだよ。だから暖かい食べ物は暖かいまま、腐る事もないんだ」
「入れた時のままの状態を、維持できるてことなの」
「そう言う事だね」
「それじゃあエリアスっち。私もストレージや、それを応用した魔法が使えるように頑張るよ」
「そ、そうだね。努力は報われるからね」

「エリアス、ちょっと聞きたいんだけど、いいかしら」
「なんですか、ルイディナさん」
「難しい話は私には分からないけど、エリアスの時空間魔法はマジック・バッグ以上に物が入って、入れた物は腐る事がないてことだよね」
「えぇ、そうですよ」

「す、凄いわ。それならたくさん野菜や穀物を仕入れて、他に行って売りましょう。いいえ、商隊に入って荷物の運搬をやりましょう。ストレージに仕舞えば、あなたが居るだけで荷物が運べるんだから儲かるわよ」

「ルイディナ、落ち着いて」
「なによオルガ。あなただってそう思うでしょ。エリアスはお宝を持っているのよ」
「ちょっと2人共、こちらに来て」
 そう言うとオルガさんは嫁2人を引っ張り、部屋の隅に移動して行く。
 以前にも見たことあるぞ、この光景。

『な、なによオルガ』
『なによじゃないわ、ルイディナ。前にも話したわよね。エリアス君の能力は秘密にしておかないと、私達は今のままで居られらくなるって』
『そうだよ、誰かにエリアスっちの能力が分かったら大変だよ。エリアスっちは、国に囲われ毎日、奇麗な女の人を当てがわれて種馬、エリアス号になるんだよ』
『私達なんてティッシュの様に捨てられるわ』
『仮にそうなってもエリアスがそんな事するかな。今まで一緒にやってきたのに』
『だから分からないんだよ。だってエリアスっちは優柔不断で流されやすいから。その性格のおかげで私達は今ここにいるんでしょ。ルイディナも気づいているはずよ』

 そ、そうだわ、大事なことを忘れていた。
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