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第3部 仲間
第19話 ライオンラビット
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今日も冒険者ギルドに来ている。
特に代わり映えのない依頼内容だ。
それなら特に依頼を受けず、行き当たりばったりで森に入り、倒した魔物の素材を売ればいいと思うが。
それだと依頼を受けた事にならないので、駄目らしい。
依頼を受けて対象に出会わなくても、薬草採取かゴブリン討伐でもお金になる。
ギルドでも保険を考えてくれていると言うわけだ。
俺達4人はEランクなので、たいした依頼がない。
せめてDランクになれば、護衛の依頼も受けれるのに。
そして安定した収入を得るためには、どうしたらいいのか4人で話し合った。
討伐系は収入としては不安定だ。
どうせ森に入るのだから、果実を採り売る事にしたんだ。
この世界は砂糖が高く、甘味に飢えている。
森に入らないと採れない果実はとても高いのだ。
そうすれば、討伐は駄目でも果実を売ればお金になる。
俺のストレージなら、無限に収納できるし。
これからは生活の事を考えないと、と3人からも言われてしまった。
え、どういう事?
友達同士だよね、俺達。
まるで所帯を持ったような、言い方をされても。
これはハメられた!てやつか。
そのうち、「遅れてるの、もしかしたら…」なんて言い出さないだろうな?
あ、まだしてないし。平気です。
そんな簡単に子供が出来ない事は、知ってるつもりですから。
騙されないぞ!
今日はジャッカロープと言う、常時依頼の鹿の魔獣の狩りに来ている。
角は美術品と煎じれば漢方として高く売れる。
そして肉も少し硬いが、売れるそうだ。
結局、毒がなければ肉は食べれる!てことかもね。
今日、俺はオルガさんと腕を組みながら、4人で森に向かっている。
どうやら順番で腕を組むらしい。
レザーアーマー越しでは、当たっても分からん。
実に怪しからん装備だ。
「ねえ、エリアス君。さっきから何か言ってるけど、誰と話しているの?」
ま、まずい!俺は脳内で考えてる事が口に出るようだ。気を付けないと。
「さすがに魔獣相手だと、レザーアーマーは着ないと危ないからね」
え、もしかしたらオルガさんは、相手の思考が読める超能力があるとか?
草原に出た。
草食系の魔獣は群れを成し、草原にいる事が多いらしい。
見るとダイアウルフという魔物が5匹、ジャッカロープの子供を追いかけている。
ジャッカロープも数十匹で群れており、逃げ遅れたジャッカロープの子供のお尻に、1匹のダイアウルフが爪を立て押し倒した。
すると逃げていた大人のジャッカロープが5~6匹引き返し、押し倒したダイアウルフに向かい角を向け牽制している。
他のダイアウルフも加わろうとするが、数十匹いる残りのジャッカロープも引き返し5匹のダイアウルフを囲んで輪を作った。
そして何度もジャッカロープの角でダイアウルフは突かれ、一か所だけ囲みを開けるとダイアウルフ達は逃げていった。
こうしてジャッカロープはダイアウルフから子供を守ったのだ!
めでたし、めでたし~て、おい!
こんな場面を見てジャッカロープを狩る気にはなれない。
それに下手に手を出せば、ダイアウルフの二の舞だよ~。
『紅の乙女』のメンバーと話し、日を改める事にした。
仕方なく森に入り、ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワを山ほど採った。
後はこれがいくらで売れるかだ。
そして見るとウサギが居た。
念のため
【スキル・鑑定】簡略化発動
名前:ライオンラビット
種族:ウサギの魔獣
年齢:1歳
性別:メス
レベル:3
【特徴】
長い毛と短い耳が愛くるしいウサギの魔獣
肉は美味しく毛皮は高く売れる
臆病で身の危険を感じると仲間を呼ぶ習性がある
以前、コンラードさんが言っていた。
ライオンラビットだ。
臆病で素早い、構えた瞬間にはもうどこかに逃げていない、て聞いたが。
そうだ、試してみよう。
みんなにそのまま動かない様に合図を出した。
【スキル・ストレージ】発動
カスタマイズ開始・ ・ … … カスタマイズ完了!
俺はライオンラビットの前後左右と、上の空間にストレージを張り包んだ。
ストレージは生き物を収納できない。
ストレージでライオンラビットを覆えば、箱に閉じ込めたのと同じで、逃げることは出来ない。
ただ広い範囲で、できないのが難点だ。
ライオンラビットは驚いたように暴れたが、俺を見つめ動かなくなった。
??
「ルイディナさん、早く!」
「はいよ!」
ルイディナさんが仕留めようと構えると
「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」と声が聞こえたような気がした。
気が付くとライオンラビットは3匹になっていた。
シュッ!!
ルイディナさんの弓矢が飛ぶ!!
ドンッ!
俺はその都度ストレージで囲み、ルイディナさんが弓矢を打つ!
MPがみるみる減っていく。
逃げるライオンラビットも居たが、中には俺を見つめ動かなくなるものがいた。
「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」
「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」
シュッ!!
ドンッ!
「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!
「はあ、はあ、はあ。もう駄目だ」
俺の魔力が尽きストレージ囲いは出来なくなった。
その途端、残ったライオンラビットは逃げた。
俺はこの技をconfine(閉じ込める)と名付けた。
「凄いな、エリアスは。いったいどんな魔法だい?」
ルイディナさんに聞かれ、さすがに疲れたのか汗ばんでいる。
(おぁ~、今日もルイディナさんのご褒美の汗が…)
「これは俺のスキルの応用で言えません」
「私達にも言えないんだ。ライオンラビットの周りを、何かで囲んでいるように見えたけど」
すると突然パメラさんが興奮したように叫ぶ!
「魔力の具現化よ!魔力を形にして囲んだんだわ。凄いわ!」
(エリアスっちと子供を作れば、生まれてくる子供は大魔導士になるかも?あ~早く子種が欲しい)
「パ、パメラ、また何をやっているの?股に手を置くのはやめて!」
と、オルガさんに注意をされていた。
時々、パメラさんがやる、股に手を挟むポーズは何の意味があるんだろう?
仕留めたライオンラビットを数えると13匹だった。
これは大量だ~!とみんなで喜んだ。
これでしばらくはお金の心配をしなくて済むからだ。
そして森を出て帰る途中、気づいたことがあった。
とても重大な事に…。
特に代わり映えのない依頼内容だ。
それなら特に依頼を受けず、行き当たりばったりで森に入り、倒した魔物の素材を売ればいいと思うが。
それだと依頼を受けた事にならないので、駄目らしい。
依頼を受けて対象に出会わなくても、薬草採取かゴブリン討伐でもお金になる。
ギルドでも保険を考えてくれていると言うわけだ。
俺達4人はEランクなので、たいした依頼がない。
せめてDランクになれば、護衛の依頼も受けれるのに。
そして安定した収入を得るためには、どうしたらいいのか4人で話し合った。
討伐系は収入としては不安定だ。
どうせ森に入るのだから、果実を採り売る事にしたんだ。
この世界は砂糖が高く、甘味に飢えている。
森に入らないと採れない果実はとても高いのだ。
そうすれば、討伐は駄目でも果実を売ればお金になる。
俺のストレージなら、無限に収納できるし。
これからは生活の事を考えないと、と3人からも言われてしまった。
え、どういう事?
友達同士だよね、俺達。
まるで所帯を持ったような、言い方をされても。
これはハメられた!てやつか。
そのうち、「遅れてるの、もしかしたら…」なんて言い出さないだろうな?
あ、まだしてないし。平気です。
そんな簡単に子供が出来ない事は、知ってるつもりですから。
騙されないぞ!
今日はジャッカロープと言う、常時依頼の鹿の魔獣の狩りに来ている。
角は美術品と煎じれば漢方として高く売れる。
そして肉も少し硬いが、売れるそうだ。
結局、毒がなければ肉は食べれる!てことかもね。
今日、俺はオルガさんと腕を組みながら、4人で森に向かっている。
どうやら順番で腕を組むらしい。
レザーアーマー越しでは、当たっても分からん。
実に怪しからん装備だ。
「ねえ、エリアス君。さっきから何か言ってるけど、誰と話しているの?」
ま、まずい!俺は脳内で考えてる事が口に出るようだ。気を付けないと。
「さすがに魔獣相手だと、レザーアーマーは着ないと危ないからね」
え、もしかしたらオルガさんは、相手の思考が読める超能力があるとか?
草原に出た。
草食系の魔獣は群れを成し、草原にいる事が多いらしい。
見るとダイアウルフという魔物が5匹、ジャッカロープの子供を追いかけている。
ジャッカロープも数十匹で群れており、逃げ遅れたジャッカロープの子供のお尻に、1匹のダイアウルフが爪を立て押し倒した。
すると逃げていた大人のジャッカロープが5~6匹引き返し、押し倒したダイアウルフに向かい角を向け牽制している。
他のダイアウルフも加わろうとするが、数十匹いる残りのジャッカロープも引き返し5匹のダイアウルフを囲んで輪を作った。
そして何度もジャッカロープの角でダイアウルフは突かれ、一か所だけ囲みを開けるとダイアウルフ達は逃げていった。
こうしてジャッカロープはダイアウルフから子供を守ったのだ!
めでたし、めでたし~て、おい!
こんな場面を見てジャッカロープを狩る気にはなれない。
それに下手に手を出せば、ダイアウルフの二の舞だよ~。
『紅の乙女』のメンバーと話し、日を改める事にした。
仕方なく森に入り、ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワを山ほど採った。
後はこれがいくらで売れるかだ。
そして見るとウサギが居た。
念のため
【スキル・鑑定】簡略化発動
名前:ライオンラビット
種族:ウサギの魔獣
年齢:1歳
性別:メス
レベル:3
【特徴】
長い毛と短い耳が愛くるしいウサギの魔獣
肉は美味しく毛皮は高く売れる
臆病で身の危険を感じると仲間を呼ぶ習性がある
以前、コンラードさんが言っていた。
ライオンラビットだ。
臆病で素早い、構えた瞬間にはもうどこかに逃げていない、て聞いたが。
そうだ、試してみよう。
みんなにそのまま動かない様に合図を出した。
【スキル・ストレージ】発動
カスタマイズ開始・ ・ … … カスタマイズ完了!
俺はライオンラビットの前後左右と、上の空間にストレージを張り包んだ。
ストレージは生き物を収納できない。
ストレージでライオンラビットを覆えば、箱に閉じ込めたのと同じで、逃げることは出来ない。
ただ広い範囲で、できないのが難点だ。
ライオンラビットは驚いたように暴れたが、俺を見つめ動かなくなった。
??
「ルイディナさん、早く!」
「はいよ!」
ルイディナさんが仕留めようと構えると
「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」と声が聞こえたような気がした。
気が付くとライオンラビットは3匹になっていた。
シュッ!!
ルイディナさんの弓矢が飛ぶ!!
ドンッ!
俺はその都度ストレージで囲み、ルイディナさんが弓矢を打つ!
MPがみるみる減っていく。
逃げるライオンラビットも居たが、中には俺を見つめ動かなくなるものがいた。
「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」
「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」
シュッ!!
ドンッ!
「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!「ライオンラビットはエリアスを見つめている!」「ライオンラビットは仲間を呼んだ!」シュッ!!ドンッ!
「はあ、はあ、はあ。もう駄目だ」
俺の魔力が尽きストレージ囲いは出来なくなった。
その途端、残ったライオンラビットは逃げた。
俺はこの技をconfine(閉じ込める)と名付けた。
「凄いな、エリアスは。いったいどんな魔法だい?」
ルイディナさんに聞かれ、さすがに疲れたのか汗ばんでいる。
(おぁ~、今日もルイディナさんのご褒美の汗が…)
「これは俺のスキルの応用で言えません」
「私達にも言えないんだ。ライオンラビットの周りを、何かで囲んでいるように見えたけど」
すると突然パメラさんが興奮したように叫ぶ!
「魔力の具現化よ!魔力を形にして囲んだんだわ。凄いわ!」
(エリアスっちと子供を作れば、生まれてくる子供は大魔導士になるかも?あ~早く子種が欲しい)
「パ、パメラ、また何をやっているの?股に手を置くのはやめて!」
と、オルガさんに注意をされていた。
時々、パメラさんがやる、股に手を挟むポーズは何の意味があるんだろう?
仕留めたライオンラビットを数えると13匹だった。
これは大量だ~!とみんなで喜んだ。
これでしばらくはお金の心配をしなくて済むからだ。
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