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第3章 開花

第37話 お約束は一人では…

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 住宅屋のオーナーにうながされ、ログハウスの中に入った。
 中は木の良い匂いがする。

 作りは居間が10畳くらい、6畳の部屋が2つ。
 その他に台所スペースがある。
 風呂は無くトイレも……。

 この世界では水は貴重だから、お金持ちでもない限りはお風呂に入る習慣がない。
 しかも下水が無いから排水が出来ない。

「これにします。おいくらですか?」
「新築なら1,500ベーロ(1,500万)だが、展示品だから1,300万で良いよ」
 う~ん。得した感が無い。
 仕方ないか。
「では、もらっていきますね」
 私はそういうとお金を払い、ストレージにログハウスを収納する。
「「 まいどあり~!! 」」

 オーナーと店員さんに見送られ店を後にする。
 家の中で寝るなら寝具や家具は必要ね。
 そう思い私は午前中、街で買い物を楽しんだ。

 家に住むというのは意外と必需品があってお金が掛かるものね。
 でもこの世界に来てからお金が貯まるばかりで、使うことがなかったからいいストレス発散になったわ。


 いよいよ、この街ともさようならね!

 マドック公爵に別れを言った方が良いかしら?
 でも引き留められるのが目に見えているからやめておこう。

 さあ、出発!!

 私は城門を出て街道を歩く。
 昼間なのに空には薄っすらと大小の月が2つ浮かぶ。
 ここはどんな惑星なのかしら?

 途中お腹が空いて来た。
 時間的に昼頃かな?

 街道横の道の木々をストレージで収納し休憩スペースを作った。
 そこにテーブルと椅子を出し、街で購入したスープを食べる。
 景色を眺めながら食事を始める。
 まるでピクニックみたい。

 しばらくそこでくつろいでいると、護衛に守られた乗り合い馬車がやって来た。
 パカ、パカ、パカ、パカ、
  パカ、パカ、パカ、パカ、

 通り過ぎる際に御者ぎょしゃや護衛の人にガン見された。
 それはそうよね。
 道沿いでテーブルを出し椅子に座り、食事をしているなんて。
 こんなところまでテーブルを持って来たの?なんて思われるわね。

 なんだかご飯を食べたら眠くなって来たわ。
 お昼寝でもしようかしら。

 私はそう思い道の脇の木々を更に大きく収納し、ログハウスが出せるスペースを作った。
 そしてログハウスを出す。

 それ!!

〈〈〈〈〈 ドン!! 〉〉〉〉〉

 トンッ、と私は軽くジャンプした。

 飛んでは見たものの一人で飛ぶお約束は寂しかった…。

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 いつも応援頂いてありがとうございます。
 物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となる場合もあります。
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