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第2章 始動開始

第10話 冒険者登録

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「無一文なんです!!今夜の宿代もありません~~」
 ギルド中に私の声が響き渡る。

「それなら心配は要りませんよ。私が助けて頂いたお礼をお支払い致します」
 商人のパウロさんが優しく声を掛けてくれる。
 パウロさん…うるうるうる。
「登録が終ったら我が商会に行きましょう」
「それならしばらく待ってくれれば、ギルドからも素材買取のお金も出せるぞ」
「そうですか、それは助かります」
「では冒険者ギルドに登録でいいんだな?」
 ギルドマスターのライアンが聞いてくる。

「登録前に伺いますが、私は直接的な戦闘が苦手なのですが…」
「ダイアウルフを倒しておいて苦手とは…。まあ、冒険者の仕事は魔物討伐だけではなく、薬草採取もあるからね。心配は要らないよ」
「わかりました…」
「おい、誰か登録受付をしてやってくれ。登録料は素材買取から引いておいてくれ」
 ライアンさんが声を掛けると、銀色の髪をした女の人が答えてくれた。
「はい、わかりました。さあ、こちらへどうぞ」
 そう言われ私は受付の前に進んだ。
「ではこちらの用紙に必要事項を記入してください。文字が書けない場合は代筆も可能です」
「いえ、書けますから大丈夫です」

 まずは名前ね。
 面倒だからレナだけで良いわ。
 それから年齢は23歳と。
 特技は、はて、なんだろう?
 職業?
 無職だから冒険者に登録するのでは?

「すみません…。この職業というのは」
「あぁ、それはご自身の就いている職業です。ステータスを見ればわかりますよ」
 ステータスは一般的に見えるものなのね。
 確か前見た時には職業:社畜だったけど。

「ステータスオープン!」
 視界に画面の様な物が現れ表示される。

 名前:村野 玲奈
 種族:人族
 年齢:23歳
 性別:女
 職業:スナイパー
 レベル:5
 HP 75
 MP 550

【スキル】
 異世界言語
 鑑定
 時空間魔法ストレージ
 創生魔法
 狙撃

 職業がスナイパーになっているわ。
 スキルにも狙撃があるし。
 これね。
「職業はスナイパーと。はい、これでいいかしら」
「確認いたします。レナ様ですね、まあ23歳ですか?!私より年上だったなんて若く見えますね」
「どう見えるのでしょうか?」
「そうですね、17~18歳くらいでしょうか。とても愛らしくて…」
「まあ、お世辞を言われても」
 そう言いながらも私は内心では喜んでいた。
 この世界に来てから鏡が無いから、自分の容姿を見ていない。
 どこかにないかしら?

「あの~、どこかに鏡はないでしょうか?」
「鏡ですか?」
「えぇ、身だしなみを整えたいので」
「それならそこにある、トイレにありますよ」
「ありがとうございます、後で見てみます」
「それから職業はスナイパーですか。初めて聞きますがこれは…」
「狙撃です」
「狙撃?」
「遠距離からこっそり陰に隠れて攻撃をするのです」
「遠距離から陰に隠れてですか…。なんだか卑怯なやり方ですね」
「え?」
「あっ!すみません、気にしないでください」
「わ、私は女ですから魔物と対峙して戦うなんてできませんから」
「そ、そうですよね。失礼いたしました」

 この時、受付のリンダは思った。
 遠距離から攻撃できる程、強力な魔法が使えるのだと…。

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