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第14章 マジスカ領
第192話 宝くじ
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マジスカ公爵より道路整備の事業資金が無いと言われ、【スキル】世界の予備知識で検索したところ資金集めに良いものがあった。
少ない元手でお金を集め儲かる仕組みがある。
それは『宝くじ』だ。
安い金額で多くの枚数を売りお金を集める。
そこから利益を取り、残りのお金を1等から賞金に分けて行けば良い。
例えば1枚300円の宝くじを1,000万枚売ると30億になる。
そしてその半額近い金額15億を1等~6等賞、前後賞に分け賞金に当てる。
つまり発行している側は30億のお金を集め、半分は還元し残り半分は経費を引いた額が利益として残ると言う仕組みだ。
当選確率は1等が0.00001%、3等が0.001%だったとする。
だがこの違いは購入する側には理解できない。
どちらも確率が低いとしか認識できない。
そのため5~6等は当たる金額は安くして、当選数を増やし当たる人を多く出す。
それにより人は当選したことで『今度は1~3等が当たるかもしれない』と思い違いをするのだ。
更に1等の賞金額は可能な限り高額にし、くじの1枚当たりの金額は安くする。
すると購買意欲を更に掻き立てることができる。
そして問題になるのが、どこが宝くじを発行するかだ。
一介の個人がやっても信用されないだろう。
だが国や領主が行うのであれば話は別だ。
国が国民を裏切る訳にはいかないからだ。
国が発行し行っていることで信用を得て、公に資金集めができる。
それが『宝くじ』だ。
「ほう、それは素晴らしい!!なんという考えなんだ!!」
俺の話を聞き終え、マジスカ公爵が賞賛している。
「当たり番号は数字の組合せの方が分かりやすいと思います」
「そうですな。さっそく試験的に当領地で行ってみましょう」
そこからは話が早かった。
手のひらに乗るくらいの木の板に、数字を焼き印した宝くじを発行した。
宝くじを販売したのが年末だったため、『年末ジャンボ宝くじ』と命名した。
そしてマジスカ領の要所要所に、黄色い看板の出店を置き販売を始めた。
領内限定の小さな規模のため1~6等までとした。
そして反響が分からない為、1等賞の金額は300万と低めに設定した。
だがそれでもたくさんの人が宝くじを購入した。
街の人々の3年分の収入に近い額が当選したらもらえるからだ。
人口5~6万人のマジスカ領で、4万人近い成人の人々が1枚300円の宝くじを10枚単位で買い求めていく…。
そして年明けの当選番号を、ルーレットで決める日は凄かったと言う。
広場に領民全員が集まったかのように群衆が押し掛けた。
用意されたステージには9台のルーレットが並んでいる。
それぞれ0~9の数字が書かれており、それを回して弓矢を1本ずつ射抜いていく。
そして刺さった場所に書かれている数字を読み上げていく。
1本の矢を放つたびに、歓声とどよめきが起こる。
人々は6等300円が当たっても、とても喜んでいる。
宝くじを購入して使った金額より、わずか300円でも当選したことが嬉しいのだ。
6等、5等と等数が上がって行くたびに人々は喜びの声を上げる。
そして1等が発表されると、更に広場は怒涛のような歓喜に包まれた。
すると高額当選をした人は会ったこともない親戚と言う人が増え、ポッチの人でさえ友達がたくさんできたと言う。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
宝くじの収支は思った以上にマジスカ領に利益をもたらした。
当初、初めてのことなので購入枚数を少なく見ていた。
しかし思った以上に売れ行きが良かった。
1枚300円の宝くじは40万枚以上売れ1億円以上になった。
そして当選金額は様子見だったので、低く設定しており全部で700万だった。
経費を差し引いても9,000万以上の利益が出たのだ。
それから宝くじはあっと言う間にラードルフ国に広まり、数年後には他国にも広がって行く。
こうしてラードルフ国のマジスカ領を含めた、公共事業資金は捻出された。
財政困難で国が税率を上げれば、国民から反発を招く。
しかし『宝くじ』というやり方なら税率を上げる訳ではない。
だから国民の不満を招く事もない。
こんな簡単な資金集めがあるだろうか。
その後、味を占めた国側は夏にも『サマージャンボ宝くじ』が販売される。
いつの間にか小規模の宝くじが、毎月販売されるようになっていく…。
こうして決まった税金と、自主的に『宝くじ』を購入し国にお金を収めると言うやり方で、国は二重の構えで国民からお金を徴収するのであった…。
お主も悪よのう~。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつも応援頂いてありがとうございます。
書き終わって見ると、今回はセリフが殆どありませんでした。
こんなこともあります。
少ない元手でお金を集め儲かる仕組みがある。
それは『宝くじ』だ。
安い金額で多くの枚数を売りお金を集める。
そこから利益を取り、残りのお金を1等から賞金に分けて行けば良い。
例えば1枚300円の宝くじを1,000万枚売ると30億になる。
そしてその半額近い金額15億を1等~6等賞、前後賞に分け賞金に当てる。
つまり発行している側は30億のお金を集め、半分は還元し残り半分は経費を引いた額が利益として残ると言う仕組みだ。
当選確率は1等が0.00001%、3等が0.001%だったとする。
だがこの違いは購入する側には理解できない。
どちらも確率が低いとしか認識できない。
そのため5~6等は当たる金額は安くして、当選数を増やし当たる人を多く出す。
それにより人は当選したことで『今度は1~3等が当たるかもしれない』と思い違いをするのだ。
更に1等の賞金額は可能な限り高額にし、くじの1枚当たりの金額は安くする。
すると購買意欲を更に掻き立てることができる。
そして問題になるのが、どこが宝くじを発行するかだ。
一介の個人がやっても信用されないだろう。
だが国や領主が行うのであれば話は別だ。
国が国民を裏切る訳にはいかないからだ。
国が発行し行っていることで信用を得て、公に資金集めができる。
それが『宝くじ』だ。
「ほう、それは素晴らしい!!なんという考えなんだ!!」
俺の話を聞き終え、マジスカ公爵が賞賛している。
「当たり番号は数字の組合せの方が分かりやすいと思います」
「そうですな。さっそく試験的に当領地で行ってみましょう」
そこからは話が早かった。
手のひらに乗るくらいの木の板に、数字を焼き印した宝くじを発行した。
宝くじを販売したのが年末だったため、『年末ジャンボ宝くじ』と命名した。
そしてマジスカ領の要所要所に、黄色い看板の出店を置き販売を始めた。
領内限定の小さな規模のため1~6等までとした。
そして反響が分からない為、1等賞の金額は300万と低めに設定した。
だがそれでもたくさんの人が宝くじを購入した。
街の人々の3年分の収入に近い額が当選したらもらえるからだ。
人口5~6万人のマジスカ領で、4万人近い成人の人々が1枚300円の宝くじを10枚単位で買い求めていく…。
そして年明けの当選番号を、ルーレットで決める日は凄かったと言う。
広場に領民全員が集まったかのように群衆が押し掛けた。
用意されたステージには9台のルーレットが並んでいる。
それぞれ0~9の数字が書かれており、それを回して弓矢を1本ずつ射抜いていく。
そして刺さった場所に書かれている数字を読み上げていく。
1本の矢を放つたびに、歓声とどよめきが起こる。
人々は6等300円が当たっても、とても喜んでいる。
宝くじを購入して使った金額より、わずか300円でも当選したことが嬉しいのだ。
6等、5等と等数が上がって行くたびに人々は喜びの声を上げる。
そして1等が発表されると、更に広場は怒涛のような歓喜に包まれた。
すると高額当選をした人は会ったこともない親戚と言う人が増え、ポッチの人でさえ友達がたくさんできたと言う。
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宝くじの収支は思った以上にマジスカ領に利益をもたらした。
当初、初めてのことなので購入枚数を少なく見ていた。
しかし思った以上に売れ行きが良かった。
1枚300円の宝くじは40万枚以上売れ1億円以上になった。
そして当選金額は様子見だったので、低く設定しており全部で700万だった。
経費を差し引いても9,000万以上の利益が出たのだ。
それから宝くじはあっと言う間にラードルフ国に広まり、数年後には他国にも広がって行く。
こうしてラードルフ国のマジスカ領を含めた、公共事業資金は捻出された。
財政困難で国が税率を上げれば、国民から反発を招く。
しかし『宝くじ』というやり方なら税率を上げる訳ではない。
だから国民の不満を招く事もない。
こんな簡単な資金集めがあるだろうか。
その後、味を占めた国側は夏にも『サマージャンボ宝くじ』が販売される。
いつの間にか小規模の宝くじが、毎月販売されるようになっていく…。
こうして決まった税金と、自主的に『宝くじ』を購入し国にお金を収めると言うやり方で、国は二重の構えで国民からお金を徴収するのであった…。
お主も悪よのう~。
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いつも応援頂いてありがとうございます。
書き終わって見ると、今回はセリフが殆どありませんでした。
こんなこともあります。
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