134 / 254
第8章 開拓村
第134話 開拓村の夜は猫が鳴く 閑話 女神ゼクシー
しおりを挟む
俺は教会に参拝に来ている。
女神ゼクシー像に跪いて、目を閉じ祈った。
するとボサボサ頭のスレンダーで、黒髪の残念メガネ女神ゼクシーが現れた。
「こんにちは、ゼクシーかあさん。寝起きですか?もう昼過ぎですよ。夜更かしはお肌の天敵ですよ」
「いらっしゃい!エリアスちゃん!!家にいるのにお化粧なんてしても意味ないわ。それに最近は夜に面白い番組があって。つい毎晩欠かさずリアルと録画で何回も見てしまうのよね」
この世界にもテレビ番組があるんだ?
どんな内容だろう?
民放?CATV?
こんな何もない空間に居るのだから何かないとね。
「さあ、さあ、家の中に入って」
なぜかカウンターの奥の通路を通ると和風の家がある。
「さあ、座って」
俺はテーブルの椅子に座った。
「かあさん、お土産です」
俺はストレージからつぶあん、カステラ、それにハチミツを少しかけて出した。
「嬉しいわ、エリアス!!そう言えばあなた、ここ数日で一皮むけたでしょ?」
「あっ?えっ!!」
「ちょ、ちょっと、な、なにをやっているの?どこを押さえているのよ~」
「い、いや、だって…」
「ち、違うわよ、人としてよ。ば、馬鹿ね~」
あ~、焦った。
いきなり言うもんだから。
そして生活魔法でお湯を出し紅茶に急須に入れ、かあさんに差し出す。
「まあ、いい香りね。いただくわ」
ゴク、ゴク、ゴク、ゴク、
「あ~、美味しいお茶ね。それにこのカステラも甘くて…」
「それは良かった。母さん」
そんな話をしながら楽しい親子の時は過ぎた。
「それじゃあ、母さん。また来ますね」
「えぇ、待っているわ。私のエリアス」
俺はそれから現実社会に戻った。
また来ることをアルバンさん達に話した。
今度来た時のためにアルバンさんに、社員証をもらい工業団地?を後にした。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
私は女神ゼクシー。
この世界を司る女神。
ある意味、女神は人の人生をリアルで見れる立場にある。
刑事ドラマ、恋愛もの、成上がり物、毎日好きなドラマがリアルで見れるのよ。
見ているだけ。
そう私に出来ることはただ、下界を見ているだけなの。
見ている事しかできない。
たとえ人族が滅んで、魔物の闊歩する世界になったとしても干渉は出来ない。
それが決まりごと。
今日は息子エリアスが遊びに来てくれて、とても楽しい1日だったわ。
また来てくれないかしら。
さてっと。
昨日の夜に録画しておいた、番組でもまた見ようかな。
番組のタイトルは『開拓村の夜は猫が鳴く。猛君』。
そう私には毎晩、見ていることしかできないの。
女神ゼクシーにも深い暗い『闇』があった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
新作【心】ご都合主義で生きてます。-商品開発は任せてください。現代知識を使い時代を駆け上る。-
を、公開いたしました。
こちらも楽しんで頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
女神ゼクシー像に跪いて、目を閉じ祈った。
するとボサボサ頭のスレンダーで、黒髪の残念メガネ女神ゼクシーが現れた。
「こんにちは、ゼクシーかあさん。寝起きですか?もう昼過ぎですよ。夜更かしはお肌の天敵ですよ」
「いらっしゃい!エリアスちゃん!!家にいるのにお化粧なんてしても意味ないわ。それに最近は夜に面白い番組があって。つい毎晩欠かさずリアルと録画で何回も見てしまうのよね」
この世界にもテレビ番組があるんだ?
どんな内容だろう?
民放?CATV?
こんな何もない空間に居るのだから何かないとね。
「さあ、さあ、家の中に入って」
なぜかカウンターの奥の通路を通ると和風の家がある。
「さあ、座って」
俺はテーブルの椅子に座った。
「かあさん、お土産です」
俺はストレージからつぶあん、カステラ、それにハチミツを少しかけて出した。
「嬉しいわ、エリアス!!そう言えばあなた、ここ数日で一皮むけたでしょ?」
「あっ?えっ!!」
「ちょ、ちょっと、な、なにをやっているの?どこを押さえているのよ~」
「い、いや、だって…」
「ち、違うわよ、人としてよ。ば、馬鹿ね~」
あ~、焦った。
いきなり言うもんだから。
そして生活魔法でお湯を出し紅茶に急須に入れ、かあさんに差し出す。
「まあ、いい香りね。いただくわ」
ゴク、ゴク、ゴク、ゴク、
「あ~、美味しいお茶ね。それにこのカステラも甘くて…」
「それは良かった。母さん」
そんな話をしながら楽しい親子の時は過ぎた。
「それじゃあ、母さん。また来ますね」
「えぇ、待っているわ。私のエリアス」
俺はそれから現実社会に戻った。
また来ることをアルバンさん達に話した。
今度来た時のためにアルバンさんに、社員証をもらい工業団地?を後にした。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
私は女神ゼクシー。
この世界を司る女神。
ある意味、女神は人の人生をリアルで見れる立場にある。
刑事ドラマ、恋愛もの、成上がり物、毎日好きなドラマがリアルで見れるのよ。
見ているだけ。
そう私に出来ることはただ、下界を見ているだけなの。
見ている事しかできない。
たとえ人族が滅んで、魔物の闊歩する世界になったとしても干渉は出来ない。
それが決まりごと。
今日は息子エリアスが遊びに来てくれて、とても楽しい1日だったわ。
また来てくれないかしら。
さてっと。
昨日の夜に録画しておいた、番組でもまた見ようかな。
番組のタイトルは『開拓村の夜は猫が鳴く。猛君』。
そう私には毎晩、見ていることしかできないの。
女神ゼクシーにも深い暗い『闇』があった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
新作【心】ご都合主義で生きてます。-商品開発は任せてください。現代知識を使い時代を駆け上る。-
を、公開いたしました。
こちらも楽しんで頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
14
お気に入りに追加
280
あなたにおすすめの小説
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界に行けるようになったんだが自宅に令嬢を持ち帰ってしまった件
シュミ
ファンタジー
高二である天音 旬はある日、女神によって異世界と現実世界を行き来できるようになった。
旬が異世界から現実世界に帰る直前に転びそうな少女を助けた結果、旬の自宅にその少女を持ち帰ってしまった。その少女はリーシャ・ミリセントと名乗り、王子に婚約破棄されたと話し───!?
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる