完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第8章 開拓村

第124話 ダークエルフと生態系

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 俺達夫婦4人は『なごみ亭』で夕食を採っている。
「なあエリアス。今日はどこに行っていたのだ?」
 オルガさんが聞いてくる。

「アスケルの森を開拓してました」
「開拓ですって?!」
 ノエルさんが驚いて、聞いてくる。
「ノエル、エリアスはこう言うやつだ。目を離すと何をするかわからないからな」
 オルガさん、その言い方はないでしょう。

「そう言えばドゥメルグ公爵の所に行ったときに、そんなことを言っていたな」
「ええオルガさん、善は急げと言いまして…」
「なんだ、それは」
「良いと思ったことは、ためらわずに実行するべきだということ…「そんな事ではない!なにを勝手なことをやっているのか、と聞いているんだよ」
 なにか最近、オルガさんは母親みたいに口うるさくなってきたな。
「みんな忙しそうだから」
 俺だけ暇だから、とはさすがに言えない。

 ああぁ、そうだ。
 聞きたいことがあったんだ。
「アリッサさん。緑竜グリーンドラゴンの素材は、冒険者ギルドで買い取れますか?」
「 え?! 」
 みんなが驚いた声を上げる。

「な、なにを言っているのかな~、エリアス君は?」
 アリッサさんの目が怖いぞ!
 実は…と開拓村で俺は闇妖精ダークエルフを救い、緑竜グリーンドラゴンを倒したことを話した。
 するとみんなとても驚いていた。

「買取出来るわよ、エリアス君」
「商業ギルドでもうろこなどの状態なら買取れます」
 アリッサさんが答えれば、ノエルさんも負けずに答える。
 そういえばアリッサさんは冒険者ギルド、ノエルさんは商業ギルドの出身だ。

 2大ギルドの対決だ!バチ、バチ、バチ、バチ、火花が飛び散る!!

「な、わけないでしょう?なにを解説しているのかしら?」
 アリッサさんに怒られてしまった。
 なぜか俺の頭の中の考えを読み取ることが出来る嫁達だった。

 エリアスは知らなかった。
【メンタルスキル】高速思考のおかげで、物事を瞬時に考えられるスキルがある。
 しかし絶えず人は物事を考えている。
 そのため、頭が疲れ無意識に独り言が多くなるのを、自分では分からなかった。


「美味しいのかな?」
「  え?!! 」
「エリアス君。今、なんと言ったの?」
「アリッサさん、ドラゴンの肉と言えば、美味しいと相場が決まっているので…」
「ドラゴンの肉なんて市場に出回らないわ。だから誰も食べたことがないの」

「じゃあ、焼き肉大会でもやりますか」
「な、なにを言っているの?ドラゴンよ、ドラゴン!!馬鹿なのかしら?」
 そう言われ俺はアリッサさんに、両手の親指を口に入れられ広げられえる。
 さあ、学級文庫と言ってみなさい!言いなさい!そう言われているようだった。


「そう言うがアリッサ。ドラゴンなんて買取に出したら大変だろう?」
「そんなことをしたら大騒ぎよ、オルガ。普通はドラゴンなんて倒せないから」

「価値があるのは鱗、皮膚、骨、肉です。血は不老不死になると言われています」
 ノエルさんが解説してくれる。
 アリッサさんに、両手の親指を口から抜いてもらった俺は答える。
「でも血だけ抜き取っても、ドラゴンの血だなんて分からないよね?」
「えぇ、そうです。エリアス様」

「では肉や骨、血は本体がそのままあって、初めて価値があるてことですね」
「そういうことになりますね。言葉だけではなく、目で見てからではないと信じてもらえないかもしれません」
「そうか、それならストレージの中に閉まっておこうかな」
「それがいい、いつか必要になる時が来るかもしれないからな」
「そうですねオルガさん」
「でも村も見たいな。明日、村をみんなで見に行こうか」
「いいですね、行きましょう」



 翌朝、俺達4人は開拓村に向かった。
 ノエルさんは事務系なので心配したが、思った以上に体力があり付いてこれた。
 なにをやらせているんだ?
 するとオルガさんとアリッサさんが、何かを言っていた。
『恐るべし、強者つわもの

 
 開拓村の前に着いた。
 すると門の前に人がいるのが見えた。
 先日のディオというダークエルフだった。
 他にも5人いて5人中3人は前日、見た顔だった。

「エリアス様。先日はありがとうございました。長老を連れてお礼に参りました」
「そんなことはいいのに。ここではなんだから、俺の屋敷に案内します」
「ディオ様。人間相手に下手に出ることなんてありませんよ」
「なにを言うんだ、アルガス。おまえは実際に見ていなかったから言えるのだ」
 アルガスと呼ばれたダークエルフが不満そうな顔をして言う。
「しかも何日待ったと思っているんだ?こんな奴が緑竜グリーンドラゴンを倒せるわけがない」
「では魔法で吹き飛んだ山脈をどう説明するのだ?」
「うぅ…、それは…」

 待っててくれたんだ。
 それは悪いことをしたな。
「さあ、中へどうぞ」
 俺達はダークエルフ5人と城壁の中に入った。


「へ~、よくここまで、やったなエリアス」
 開墾した畑と屋敷を見て、オルガさんはそう言った。

「エルフ、猫族、人族なんて面白い組み合わせだな」
 アルガスと呼ばれたダークエルフは更に言う。
 エルフ?ノエルさんが首をかしげる。
 そう言えばノエルさんには、アリッサさんのことは言ってなかったな。
「こんな女を引き連れた人族の男が、我々が相手にできなかったドラゴンを倒せるわけがない」
「失礼もいい加減にしろ、アルガス」
「しかしディオ様」

 俺は面倒になり、仕方がないので村の空いている場所に緑竜を出した。

〈〈〈〈〈 ドン!! 〉〉〉〉〉

 俺は無意識に軽く、ジャンプした。
 ダークエルフの人達もつられた様に、軽くジャンプしてみんな驚いている。

「初めて緑竜を見た」
「上顎から吹き飛んでいる」
「うげ~、グロイ」
 みんなそれぞれ感想を言っている。
 これで信じてもらえますかな。

「ディオ様。これはいったい」
「だから言っただろう、アルガス。これをよく見てみろ」
 アルガスと言われたダークエルフは、緑竜を見て黙ってしまった。


 それから俺たちは屋敷に向かい一階の客間に集まった。
 それぞれ席に座ってもらい、リンゴでジュースを作り振舞った。
「「「 美味しい 」」」

「先日から高い塀の建物が、出来たのは知っていたがこれほどとは」
「エリアス様。こちらは我が部族長カーティス様です」
 ディオさんは紹介を始めた。
 アルガスと言われたダークエルフを含めた4人が戦士で護衛だと。
「昨日は我が部族のものが世話になりました。言葉にも出来ないほどです」

 部族長カーティスさんの話を聞くと最近、ウサギ、イノシシ、熊系など肉が食べれる魔物の数が極端に減ったという。
 生態系が壊れた?
 そして魔物たちは共食いを始め、数が減ったそうだ。
  
 大型の魔物ほど食料がなく、飢えから狂暴化して村を襲うようになったという。


 ドキッ!!
 俺のストレージの中には、その食べれる魔物がたくさん収納されている。

 犯人は俺?


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 明けましておめでとうございます。
 本年も変わらずよろしくお願いいたします。
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