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第6章 エリアス商会
第106話 働きやすい環境と待遇
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みんな美味しそうにお茶を飲んでいる。
誰もカステラに手を出さない。
「あの~エリアス様」
「なんでしょうか?」
獣人のメイドさんが声を掛けてくる。
「働くようになったらエリアス様のことは、何とお呼びすればよいのでしょうか?」
「そうですね、商会と言う会社の長ですから社長でしょうか?」
「社長ですか」
「えぇ、そうです。ところでカステラは食べないのですか?」
「た、食べます。でももったいなくて」
メイドさんが慌てて言い訳をする。
「時間が経つと、硬くなってしまいますよ」
「そうなのですか?」
「えぇ、そうです」
硬くなると聞いた人たちは、カステラを食べ始める。
「美味しい~」
「柔らかい」
「甘いわ~」
みんなそれぞれ美味しそうに1枚目を食べた。
そうだ。
さっきは種族の件で雰囲気を悪くしたから、お詫びを兼ねてこれを出そうか。
「みなさん、お皿を各自出してください」
俺はそう言ってストレージから瓶を出した。
蓋を開けスプーンで一杯すくい、みんなのカステラの上に載せた。
先に来ている3組のお客のお皿にも同じように振舞った。
「エリアス社長。この金色の液体の様な物はなんでしょうか?」
さっきの獣人のメイドさんが聞いてくる。
「これがハチミツです」
「えっ?!え~~~~~!!!」
「「「 ハチミツだって?! 」」」
その場に居る全員が驚いている。
「現物を見るのは初めてだわ」
先客の3組のお客の内、女性の1人がそう呟く。
「カステラに浸み込んでしまいますから、早く食べた方が良いですよ」
「そ、そんな~」
「私、食べます!」
「私も!」
「美味しい!!」
「甘~い!!」
「なんだ、この味は?!」
みんな初めての味で、感動している。
そして時間はあっという間に過ぎ、15時になり先客の3組は帰って行った。
1階の出口のところでアリッサさんがお金をもらっていた。
あれ?
前よりも安いはずなのに、アリッサさんの顔が嬉しそうだ。
何故だ?
その後、メイドさん達にここで働きたいのか聞いた。
すると全員、働きたいと言う。
しかし給与はいくらにしたらいいのだろう?
ギルド長のアクアさんが察したのか、向こうから切り出してくれた。
「この子達はまだ半人前だから、1日7,000円でも十分だよ」
「それならギルドで3割引かれると、4,900円ですが良いのでしょうか?」
「えぇ、かまいません」
「それでお願いします」
みんなそれで良いと言う。
「それでは頑張り次第で、給与を上げていきますから頑張ってください」
「 はい!よろしくお願いいたします!! 」
全員の声がハモった。
「明日から8時30分までに来てください。来客は今日みたいな感じだと思います」
「 はい、社長!! 」
そして全員の採用が決まった。
そしてアクアさん達は帰って行った。
「みんな帰ったわね」
「そうですねアリッサさん」
「しかし驚いたわ」
「どうしたのですか?」
「値段を10万から1人5万円にしたでしょう。そしたらね、帰った3組のお客さんが人数分だけ払って行ったのよ」
「えっ?それだと…」
「そうよ、3組の人は使用人が2人は付いていたから、1組3人で15万円よ」
「前は侍女が2人居ても主人だけ払って10万。今は主人と侍女2人で15万?!」
「そう言うことになるわね」
「それだと値段を変えた意味がないな。でも今さら元に戻すのも変だしね」
「今のままで良いのでは?高いと思えばその内来なくなるでしょうから」
「そうだね、でも不思議だ。商売にしていないのに人が来て、お金を置いて行くから人を雇い来ないといいね、て言っているなんて変だよねアリッサさん」
「そうね、いったい何をしたいのかしら?私達…」
きっとお客はそんなに来ないだろう、雇ったメイドさん達には悪いけど。
そう思っていた時期がありました…。
施設は時と共にお客が増えていった。
その要因は会員制の娯楽施設だと思われていたが一般の人も入館できること。
富裕層になればなるほど付き人は当たり前だったから、付き人分の負担は仕方が無いと主人側が思ったこと。
そしてまだ一般に販売されていないと言う『綿』という生地で作られた手ぬぐい、タオルが持ち帰り可能なこと。
なんと言っても目玉は卵とハチミツで作られたカステラというお菓子が2枚提供され、1枚食べるともう1枚のカステラに本物のハチミツをスプーン1杯分、垂らしてもらえるプレイができること。
それだけでも5万以上の価値があったからだ。
そして施設の中に売店を作った。
要望が多かったシャンプーとボディソープ。
紅茶や緑茶、ウーロン茶とドライヤーを置いた。
アバンス商会のオルエッタさんと相談したところシャンプーやお茶は、施設から流れてくるお客以外にも一般客に浸透し口コミで買いに来る人も多いと言う。
そのため施設でも販売することになった。
だがさすがに『綿』製品は、アバンス紡績店でまだタオルしか販売していない。
それなのにバスローブを売る訳にはいかないので、アバンス紡績店で作れるようになるまでは施設で販売しないことにした。
それから来客が増え、従業員が足りなくなりまた女性を2人雇った。
彼らに聞くと、この施設は働きやすいところだと言う。
それは良かった。
働きやすい環境と待遇は大切だよね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進みます。
誰もカステラに手を出さない。
「あの~エリアス様」
「なんでしょうか?」
獣人のメイドさんが声を掛けてくる。
「働くようになったらエリアス様のことは、何とお呼びすればよいのでしょうか?」
「そうですね、商会と言う会社の長ですから社長でしょうか?」
「社長ですか」
「えぇ、そうです。ところでカステラは食べないのですか?」
「た、食べます。でももったいなくて」
メイドさんが慌てて言い訳をする。
「時間が経つと、硬くなってしまいますよ」
「そうなのですか?」
「えぇ、そうです」
硬くなると聞いた人たちは、カステラを食べ始める。
「美味しい~」
「柔らかい」
「甘いわ~」
みんなそれぞれ美味しそうに1枚目を食べた。
そうだ。
さっきは種族の件で雰囲気を悪くしたから、お詫びを兼ねてこれを出そうか。
「みなさん、お皿を各自出してください」
俺はそう言ってストレージから瓶を出した。
蓋を開けスプーンで一杯すくい、みんなのカステラの上に載せた。
先に来ている3組のお客のお皿にも同じように振舞った。
「エリアス社長。この金色の液体の様な物はなんでしょうか?」
さっきの獣人のメイドさんが聞いてくる。
「これがハチミツです」
「えっ?!え~~~~~!!!」
「「「 ハチミツだって?! 」」」
その場に居る全員が驚いている。
「現物を見るのは初めてだわ」
先客の3組のお客の内、女性の1人がそう呟く。
「カステラに浸み込んでしまいますから、早く食べた方が良いですよ」
「そ、そんな~」
「私、食べます!」
「私も!」
「美味しい!!」
「甘~い!!」
「なんだ、この味は?!」
みんな初めての味で、感動している。
そして時間はあっという間に過ぎ、15時になり先客の3組は帰って行った。
1階の出口のところでアリッサさんがお金をもらっていた。
あれ?
前よりも安いはずなのに、アリッサさんの顔が嬉しそうだ。
何故だ?
その後、メイドさん達にここで働きたいのか聞いた。
すると全員、働きたいと言う。
しかし給与はいくらにしたらいいのだろう?
ギルド長のアクアさんが察したのか、向こうから切り出してくれた。
「この子達はまだ半人前だから、1日7,000円でも十分だよ」
「それならギルドで3割引かれると、4,900円ですが良いのでしょうか?」
「えぇ、かまいません」
「それでお願いします」
みんなそれで良いと言う。
「それでは頑張り次第で、給与を上げていきますから頑張ってください」
「 はい!よろしくお願いいたします!! 」
全員の声がハモった。
「明日から8時30分までに来てください。来客は今日みたいな感じだと思います」
「 はい、社長!! 」
そして全員の採用が決まった。
そしてアクアさん達は帰って行った。
「みんな帰ったわね」
「そうですねアリッサさん」
「しかし驚いたわ」
「どうしたのですか?」
「値段を10万から1人5万円にしたでしょう。そしたらね、帰った3組のお客さんが人数分だけ払って行ったのよ」
「えっ?それだと…」
「そうよ、3組の人は使用人が2人は付いていたから、1組3人で15万円よ」
「前は侍女が2人居ても主人だけ払って10万。今は主人と侍女2人で15万?!」
「そう言うことになるわね」
「それだと値段を変えた意味がないな。でも今さら元に戻すのも変だしね」
「今のままで良いのでは?高いと思えばその内来なくなるでしょうから」
「そうだね、でも不思議だ。商売にしていないのに人が来て、お金を置いて行くから人を雇い来ないといいね、て言っているなんて変だよねアリッサさん」
「そうね、いったい何をしたいのかしら?私達…」
きっとお客はそんなに来ないだろう、雇ったメイドさん達には悪いけど。
そう思っていた時期がありました…。
施設は時と共にお客が増えていった。
その要因は会員制の娯楽施設だと思われていたが一般の人も入館できること。
富裕層になればなるほど付き人は当たり前だったから、付き人分の負担は仕方が無いと主人側が思ったこと。
そしてまだ一般に販売されていないと言う『綿』という生地で作られた手ぬぐい、タオルが持ち帰り可能なこと。
なんと言っても目玉は卵とハチミツで作られたカステラというお菓子が2枚提供され、1枚食べるともう1枚のカステラに本物のハチミツをスプーン1杯分、垂らしてもらえるプレイができること。
それだけでも5万以上の価値があったからだ。
そして施設の中に売店を作った。
要望が多かったシャンプーとボディソープ。
紅茶や緑茶、ウーロン茶とドライヤーを置いた。
アバンス商会のオルエッタさんと相談したところシャンプーやお茶は、施設から流れてくるお客以外にも一般客に浸透し口コミで買いに来る人も多いと言う。
そのため施設でも販売することになった。
だがさすがに『綿』製品は、アバンス紡績店でまだタオルしか販売していない。
それなのにバスローブを売る訳にはいかないので、アバンス紡績店で作れるようになるまでは施設で販売しないことにした。
それから来客が増え、従業員が足りなくなりまた女性を2人雇った。
彼らに聞くと、この施設は働きやすいところだと言う。
それは良かった。
働きやすい環境と待遇は大切だよね。
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読んで頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進みます。
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