完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ

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第3章 お披露目会

第55話 冷蔵庫

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 そして値段の交渉が始まった。
 
「エリアス君、冷蔵庫の在庫は各2セット、照明の魔道具は10セット、魔道コンロも
10セットはあるわよね?」
 アリッサさんが、無いのを分かっていて聞いてくる。
 俺が『創生魔法』で創っているのを、知っているから創れというのだ。
「あ、あります…」

 俺はアイザックさん達に背を向け、見えない様にストレージの中で『創生魔法』を使い創って行く。
 ストレージ内で作業をしている時は、パソコン画面の操作と同じになる。
 目の前の空間をタップしながら視線を動かしている。
 傍から見たらとても変な光景だ。

「はい、どうぞ。まずは冷蔵庫です」
 俺はストレージの中から3種類出していく。

 まず90Lタイプは高さ90cmくらいの2ドアの冷蔵庫だ。

「この冷蔵庫は2ドアで上が冷凍室、下は冷蔵室になっています。8段階の温度調節が可能で、製氷皿が付くので氷の作り置きもでき一人暮らしに最適です」

「「「 おぉ~~~!!! 」」」

「そして次は150Lです。高さは130cmくらいの2ドアです。こちらのタイプから上のドアが冷蔵室、下は引き出し式の冷凍室になります」
「どうして小さい冷蔵庫は上が冷凍室で、大きくなると下が冷凍室なんだい?」
「はい、アレックさん。いいところに気が付きましたね!」
「いや~、そうでもないよ。えっへん!」

「実は小さい冷蔵庫は空気を冷やす、冷却器という魔道具が1つなんです。冷たい空気は暖かい空気より重く下に流れます。冷却器は1つの場合は上を冷凍にして、下がってきた冷気で下の部屋で野菜や飲み物を冷やすことになります。そのため、どうしても魔石の魔力の消費が激しくなります」

「う~ん。なるほど…」

「そして150Lのように大きいタイプの冷蔵庫は、冷凍室と冷蔵室に専用冷却器が配置されています。そのため、冷凍室が上で冷蔵室が下と言う制約は無くなります。そして引き出し式の冷蔵庫になると更に効率が良くなります 」

「それは、どう言う…」

「ドアタイプの場合は開けると下部から冷気が逃げ、上部から暖気が浸入し一気に中の温度が上がります。しかし引き出し式の場合は上が開放されるので、重たい冷気は引き出しの中に残り、一気に温度が上がるのを抑えられます。野菜室は冷やしすぎると野菜が凍ってしまうので冷蔵室の下に配置し、冷蔵室の冷気を利用しています」

「………………。」
 
「そのため、冷蔵庫3種類は90Lは冷却器は1つのため、開け閉めが多いと中の温度が上がり元の温度に冷やすのに時間が掛かかります。150Lは冷蔵室はドアで冷蔵室は引き出し式で、専用冷却器があり冷えやすく魔石の消費も無駄がりません。230Lは更に効率が良く上から冷蔵室、野菜室、冷凍室の順になっており、開け閉めしても他のタイプに比べ温度に影響が出ません。そして150L、230Lには自動霜取り機能が、しかも!!230Lのみ自動製氷機能が付いています!!」

「「「「 おぉ~~~!!! 」」」」

 みんな呆然とした顔のまま、なぜか分かったような反応をしている。

「エリアス様はいったい、どこでそのような知識を…」
 アイザックさんが呟くのが聞こえてくる。
 そしてそのまま、いつものようにスルーする…。


 取りあえず、一般家庭ならこの3種類で大丈夫だろう。
 大きな飲食店なら業務用の冷蔵庫が必要になるだろうけど。


「エリアス様、まだ大きいサイズがあるのでしょうか?」
 な、なんだ。アイザックさんは?!
 俺の心が読めるのか?

「で、どんなものでしょうか?」
 仕方がないな。

「使いやすい様に作業台の下が冷蔵庫や冷凍庫になっていたり、引き出しや扉を開けると調理器具が収納でき必要な物をすぐに取り出せるようになったものでしょうか」
「後、他には…」
「3口のコンロです。調理をするなら1口より3口の方が、同時に調理の用意が出来て便利ですから」
「ではそれもお願いします」

「いえ、それは追々おいおいに、と言う事で」

 でた!俺のお得意の日本人トーク!!

「そ、そうですか、残念です…」
 アリッサさんを見ると、余計なことを言うな、みたいな顔をして俺を見ていた。




 ジュ~、ジュ~、ジュ~、
 俺とオルガさん、コルネールさんは肉を焼いて食べている。
 Dランクパーティ『餓狼猫のミーニャ』3人娘も、美味しそうに食べている。

 しかしその少し離れたところでは、アリッサさん達が難しい顔をしている。
 商業ギルドのアレックさんとノエルさん。
 アバンス商会アイザックさんと、そのお供の2人だ。

 照明の魔道具は蓋を取り天井に3cmの木材用ネジをドライバーを使って、何か所か本体を留めることを説明。
 もちろん木材用ネジとドライバーは、サービスで付いていることを話した。

 そして魔道コンロは本体右の蓋の中に火の刻印を刻んである。
 蓋を開け魔石を入れ点火ダイヤルを回すと火が付き、火力調整ができることを説明した。

 ワイングラスは24個だ。

 価格交渉はアリッサさんに任せ、俺はみんなと肉を焼き食べている。

 時折、アリッサさん達の居る方角から、それは、とか、そこをなんとか、と言う声が聞こえてくる。
 なぜか売る側のアリッサさんの方が、強気な交渉に聞こえる。

 そしてしばらくすると、勝ち誇ったような顔をしたアリッサさんと、疲れた顔をしたアレックさん達が戻って来た。

「エリアス君、全部売れたわよ。明日、商業ギルドに納品にいってね」
「分かりました。あれ?アバンス商会は買わなかったのですか?」
「購入したわよ。丁度、商業ギルドと半分ずつよ。アバンス商会は王都に着いたら渡してあげて」
「それはどう言うことでしょうか」

「アバンス商会のアイザックさんは、王都に持っていき売りたいそうよ。王都なら人口も多くお金持ちが多いから、この領で売る金額の2~3倍で売れるの」
「そんなにですか?!」
 それならどうせ俺も王都に行くから、『創生魔法』で創って売ろうかな?

「もしかしたらエリアス君は、王都に行くから自分でも売ろうかと思っていない?」
「あはは、バレましたか。そう思いました」
「でも、それは無理ね」
「どうしてですか?」
「長年、商売をしてきたアイザックさんだから、売る相手が居るのよ。私達が商店に行っても、足元を見られて買い叩かれるだけよ」
「そう言うものですか」

「えぇ、だからエリアス君は運送を頼むわね。でもその分、運送賃とここより高く売れる分、割り増しで購入してもらったから」
「では明日、納品に行くのは商業ギルドだけですね。『味元あじげん』の納品もあるので、一緒に収めてきますから」
「では、お願いね。エリアス君」

 それから楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、焼肉大会は終わった。
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