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第1部 新しい世界
第16話 始動
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あぁ、駄目だわ、この子。
またどこかに気持ちが飛んでる。
焦点が定まってないし。
これでは、とても使い物にならない。
それでもタケシと言う男がいれば、少しは気持ちが安定するのかしら?
あの男が側に居ても、邪魔になる訳でもないから試してみましょうか。
そして使い物にならなければ、どこかに閉じ込めて周りの目から隠さないと。
聖女を召喚したと各国に触れ回った。
しかし、使い物にならないと分かったらいい笑いものだわ。
その時、ドアを叩く音がした。
「どうぞ」
ドアを開けイルゼと共にタケシが入って来た。
「お待ちしてましたわ、タケシ様。イルマ様が変なのです」
俺はビッチェ王女にそう言われ、イルマちゃんを見た。
するとどこかを漠然と見つめ、ブツブツ言っているイルマちゃんがいた。
「イルマちゃん!イルマちゃん!俺の声が聞こえるか?大丈夫か」
あ、あれ?
私はどうしていたのかしら。
目の前にはタケシ君がいた。
前世のことを思い出すのに、どれくらいこうしていたのかしら。
「分かりましたわ。イルマ様のご希望通り、討伐にはタケシ様もご一緒して頂きましょう」
「本当ですか、ビッチェ王女様」
「もちろん本当です。どうやらイルマ様は、現状がよほどご不安なご様子。同郷のタケシ様がご一緒なら、気持ちも和らぐと言われるのならそう致しましょう」
「ありがとうございます。それから、お願いがございます」
「どんなことでしょうか」
「討伐中なにがあるか分かりません。装備を充実させて頂きたいのですが」
「勿論です。軽くて防御力のある、ローブをご用意致しますわ」
「私だけではなくタケシ様にも防具と剣、そしてお金をご用意して頂けないでしょうか」
「えっ、防具と剣は分かりますが、どうしてお金を?使う機会はありませんよ」
「それが先日タケシ様とお話した際に、持ち合わせがないのは不安だと言う話になりまして。そしてこの国のお金自体も見たことがなく、使う機会がなくても持っていれば安心かなと思いまして」
貧乏根性て、ことね。
「それにこの国の貨幣を覚えたいそうで。小さいのもから大きい貨幣まで、一通り欲しいそうです」
取りあえず、言う通りにしてあげないと。
気が変わったら困るわ。
「一通りね、分かりました。用意させましょう」
「ありがとうございます。それともう1つお願いがございます」
「もう1つお願い?なんでしょうか」
「タケシ君と自由に合わせてほしいのです」
「それはどういう事でしょうか?」
「いつでも私やタケシ君が、お互いの部屋に行けるように許可をください」
こ、この女。
やはりタケシ狙いか。
「それはなりません、あなたは女性なのです。男と部屋を行き来できるようにしてほしいなんて」
「い、いえ。違います。タケシ君は、そう向こうの世界にいる私のお兄ちゃんに似ているのです」
「お兄様に?」
「兄は私より2つ年上で、背格好もタケシ君は兄に似ているもので。故郷の兄といるようで、安心するんです」
「はあ、分かりました。ただし会う時は必ずお互いに、メイドを連れて行くように」
「はい、ありがとうございます」
この女は。
何を考えているのかしら?
異世界に召喚されたのに、男の尻を追うなんて。
とんだアバズレだわ。
タケシと2人きりにさせたら、あっと言う間に純潔が…。
メイド2人に、よく言っておかないと。
「討伐は日にちが決まり次第、お伝えしますから。イルマ様はローブ用の採寸をしましょうか。レーナ」
「はい、ビッチェ王女様」
「イルマ様の採寸をお願い」
「かしこまりました。さあ、こちらへどうぞ、イルマ様」
「では失礼いたします、ビッチェ王女様」
メイドのレーナに連れられ、イルマ様、いいえイルマは部屋を出て行った。
「イルゼはタケシ様を騎士団の訓練所にお連れして」
「はい」
「そこでタケシ様に合う防具や剣を借りて頂戴」
「かしこまりました。ではタケシ様、参りましょう」
そしてタケシも部屋を出て行く。
さあ、私もやることをやらないと。
「オバダリア侯爵」
「なんだい、ビッチ」
「私はこれからロターリ司祭様に、聖魔法が使える神官様をお貸し頂くように手紙を書きますので」
「あぁ、そうか。それではまたなビッチ」
「はい、また後で」
オバダリア侯爵も部屋を出て行った。
もう疲れた。
いつまでこんなことが続くのだろう。
15歳の私には荷が重すぎるわ。
でも生き残るため、今を頑張らないといけないわ。
私は羊紙皮を広げペンをとった。
そしてあのロリコンでドMのロターリ司祭宛に、神官要請の文を書き始めた。
私の要請を聞いてくれたら謝礼と、素晴らしいご褒美を別途差し上げますからと。
あんなことで済むなら、安いと考えればいいのかしら。
またどこかに気持ちが飛んでる。
焦点が定まってないし。
これでは、とても使い物にならない。
それでもタケシと言う男がいれば、少しは気持ちが安定するのかしら?
あの男が側に居ても、邪魔になる訳でもないから試してみましょうか。
そして使い物にならなければ、どこかに閉じ込めて周りの目から隠さないと。
聖女を召喚したと各国に触れ回った。
しかし、使い物にならないと分かったらいい笑いものだわ。
その時、ドアを叩く音がした。
「どうぞ」
ドアを開けイルゼと共にタケシが入って来た。
「お待ちしてましたわ、タケシ様。イルマ様が変なのです」
俺はビッチェ王女にそう言われ、イルマちゃんを見た。
するとどこかを漠然と見つめ、ブツブツ言っているイルマちゃんがいた。
「イルマちゃん!イルマちゃん!俺の声が聞こえるか?大丈夫か」
あ、あれ?
私はどうしていたのかしら。
目の前にはタケシ君がいた。
前世のことを思い出すのに、どれくらいこうしていたのかしら。
「分かりましたわ。イルマ様のご希望通り、討伐にはタケシ様もご一緒して頂きましょう」
「本当ですか、ビッチェ王女様」
「もちろん本当です。どうやらイルマ様は、現状がよほどご不安なご様子。同郷のタケシ様がご一緒なら、気持ちも和らぐと言われるのならそう致しましょう」
「ありがとうございます。それから、お願いがございます」
「どんなことでしょうか」
「討伐中なにがあるか分かりません。装備を充実させて頂きたいのですが」
「勿論です。軽くて防御力のある、ローブをご用意致しますわ」
「私だけではなくタケシ様にも防具と剣、そしてお金をご用意して頂けないでしょうか」
「えっ、防具と剣は分かりますが、どうしてお金を?使う機会はありませんよ」
「それが先日タケシ様とお話した際に、持ち合わせがないのは不安だと言う話になりまして。そしてこの国のお金自体も見たことがなく、使う機会がなくても持っていれば安心かなと思いまして」
貧乏根性て、ことね。
「それにこの国の貨幣を覚えたいそうで。小さいのもから大きい貨幣まで、一通り欲しいそうです」
取りあえず、言う通りにしてあげないと。
気が変わったら困るわ。
「一通りね、分かりました。用意させましょう」
「ありがとうございます。それともう1つお願いがございます」
「もう1つお願い?なんでしょうか」
「タケシ君と自由に合わせてほしいのです」
「それはどういう事でしょうか?」
「いつでも私やタケシ君が、お互いの部屋に行けるように許可をください」
こ、この女。
やはりタケシ狙いか。
「それはなりません、あなたは女性なのです。男と部屋を行き来できるようにしてほしいなんて」
「い、いえ。違います。タケシ君は、そう向こうの世界にいる私のお兄ちゃんに似ているのです」
「お兄様に?」
「兄は私より2つ年上で、背格好もタケシ君は兄に似ているもので。故郷の兄といるようで、安心するんです」
「はあ、分かりました。ただし会う時は必ずお互いに、メイドを連れて行くように」
「はい、ありがとうございます」
この女は。
何を考えているのかしら?
異世界に召喚されたのに、男の尻を追うなんて。
とんだアバズレだわ。
タケシと2人きりにさせたら、あっと言う間に純潔が…。
メイド2人に、よく言っておかないと。
「討伐は日にちが決まり次第、お伝えしますから。イルマ様はローブ用の採寸をしましょうか。レーナ」
「はい、ビッチェ王女様」
「イルマ様の採寸をお願い」
「かしこまりました。さあ、こちらへどうぞ、イルマ様」
「では失礼いたします、ビッチェ王女様」
メイドのレーナに連れられ、イルマ様、いいえイルマは部屋を出て行った。
「イルゼはタケシ様を騎士団の訓練所にお連れして」
「はい」
「そこでタケシ様に合う防具や剣を借りて頂戴」
「かしこまりました。ではタケシ様、参りましょう」
そしてタケシも部屋を出て行く。
さあ、私もやることをやらないと。
「オバダリア侯爵」
「なんだい、ビッチ」
「私はこれからロターリ司祭様に、聖魔法が使える神官様をお貸し頂くように手紙を書きますので」
「あぁ、そうか。それではまたなビッチ」
「はい、また後で」
オバダリア侯爵も部屋を出て行った。
もう疲れた。
いつまでこんなことが続くのだろう。
15歳の私には荷が重すぎるわ。
でも生き残るため、今を頑張らないといけないわ。
私は羊紙皮を広げペンをとった。
そしてあのロリコンでドMのロターリ司祭宛に、神官要請の文を書き始めた。
私の要請を聞いてくれたら謝礼と、素晴らしいご褒美を別途差し上げますからと。
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