裏切られた侯爵夫人なんてお断り~離婚を求められた悪役夫人は踊りだす~

みけの

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第二章 カーニバルの後に残るのは

襲撃③~ダリア・サーベント視点~

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 賊の女とわたくし達。

「何をしているのです叔母上! 早くこやつの言う通りにして下さい!」

足の下で喚くフデキオに、賊が呆れたように

「なぁんか腑抜けた奴だねぇ、こんな奴のどこがいいんだか」

 意味の分からない事を言います。

 どうにか……旦那様にお伝えしないとと思った時、

「皆様、お下がり下さい!」

突如クロエの叫びが聞こえました。

 訝しく思いながらも言われた通り、部屋から一歩下がると……。

 ビシャアアアッ!!

 天井から大量の水が!
「きゃあ!」

「うわっなんだー?」

「いやぁん!」

 室内を大雨が襲い、そこにいる全員に降り注ぐ様にしばらく呆然としてしまいました。

これは一体……と考えた時、思い当たった事がありました。くうちゃんです。

“試験的に防火設備を新しくしました”

 と言ってましたがこれの事でしょうか?

 大粒の雨に殴られ、部屋にいたエイミーさんやお医者様、そしてフデキオが目も開けられない有様になっています。……賊も突然降りかかった雨に意識が取られ、フデキオから剣先がずれている。……今です!

「制圧なさい!」

 一斉に騎士達が賊の女に飛び掛かり、身柄を拘束します。

 その後、旦那様が全ての賊を拘束したと知らせが来ました。
こうして騒動は、無事に収束したのです。


「うえ~ん…酷いわ寒いわぁ……私、妊婦なのにぃ」

 お風呂を終えたエイミーさんが、毛布で体をぐるぐると巻かれた状態でべそをかいてます。

……まぁ今回は仕方ないでしょう。賊の侵入なんて経験、今までなかったでしょうし。

と言っても咄嗟にお医者様が上着を被せ、その上から守ってくれていたから貴女は無傷でいられたのよ?

 やや呆れた気分でいると、旦那様がエイミーさんを抱き寄せようとするフデキオの首を掴んで、耳元で尋ねました。

「一体どうしてお前は、人質になど取られたのだ」

ちなみにフデキオやお医者様達も湯を使って頂いた後です。

「そ、それは………」

何故か目を逸らすフデキオ。な~んか怪しいですわ~。

 全員の怪しむ視線がフデキオに向いている中、先程負傷した侍女が手を上げました。

「……奥様、わたくしからご説明しても?」
「お願いするわ」
 

「絶対に外に出ないようにと言われておりましたので、わたくしはお医者様とエイミー様を守る為、扉の近くに待機しておりました。
 やがてエイミー様がお茶とお菓子を所望されましたが、それどころではありませんから今はお待ちくださいとお断りをさせて頂きました。
 それに対してエイミー様は、お気を悪くされ……。そうこうしていると、ドアをノックする音がし、外から『エイミー、俺だ』というフデキオ様らしきお声がし……。
確認しようと少しだけ扉を開けようとしたら背後から勢いよく押され、エイミー様が飛び出していこうとされました」

「!?」

っ、何考えてるのよ小娘っ!!

という叫びをギリギリで止めるには、かなり苦労しました。

自分で自分を褒めてあげたいです
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