裏切られた侯爵夫人なんてお断り~離婚を求められた悪役夫人は踊りだす~

みけの

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第二章 カーニバルの後に残るのは

襲撃②~ダリア・サーベント視点~

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 けたたましく鳴る警告音が聞こえていない筈がないのに、未だに頭の上に? を浮かべているだけのエイミーさん。

 この警告音は、屋敷の各所に設置された探知機のものです。外部からの侵入に反応して鳴る仕組みです。 

 屋敷に滞在中、説明されたと思うのですが……随分と警戒心が無い事です。

 いえ、今は現状把握が優先です。わたくしは未だぼーっとしたままのエイミーさんに言いました。

「不審者が潜入しました! 貴女はこのままお医者様と部屋に留まるように! 誰が来ても扉を開けてはいけませんよ!」

「え? ……ふ、不審者?」

 不審者というワードにびくっ、と顔を強張らせました。
こう言う処は普通ですね。さっきのギャン泣きを止めてくれたのはありがたいです。

 続けて侍女の1人に言います。

「貴女は念の為、ここでエイミーさんとお医者様と待機なさい。ここまでは来ないと思いますが」

「はい奥様」

 この子はサーベント家から連れて来た侍女です。腕が立ちますのでこういう時、頼りになります。
言ってからわたくしも、現状を把握するべく足を速めました。同時に隠し持っていた短剣を手に取ります。

使う必要がなければ良いのですが。

 しばらく歩いているとフデキオと出くわしました。確か旦那様にしごかれていたはずですが、賊の制圧に駆り出されたのでしょう。状況を尋ねようとしましたがその前に、

「エイミーは無事ですか!?」

先に言われてしまいました。……この子は何を置いてもエイミーさんですか。

「エイミーさんは部屋で待機してもらっているわ。医師も一緒ですし侍女も腕に覚えのある者です。彼女らに任せて貴方は賊を」

「エイミーは狙われやすいんだ!」

「それでも貴方が行くまでもありませんよ。それよりも…って、ちょっと!」

話の途中で勝手に走り去っていくフデキオ。……大丈夫でしょうか? 
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