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【場所:カジノの貴賓室】
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お久しぶりですリシェンヌ公爵令嬢。……ああ失礼しました。今は相続してリシェンヌ女公爵でしたわね。おめでとうございます♪
……そして先代様には、ご愁傷さまでした。
本日は旦那様のお引き取りご苦労様です!
そして……お久しぶりでぇす! 2年前、貴方のご婚約者様を浮気に誘った泥棒猫のルリエですぅ。……きゃはっ!
……あれ? どうされたのですか、何だか顔色が……え・何でお前がここに!? って?
何でと言われましても……カジノに来る目的なんて、遊ぶために決まってるじゃあありませんか。
そう、わたしはここに遊びに来ました。
そして何故そうなったのか、貴方様の旦那様からタイマン勝負を申し込まれて、勝って勝って勝ちまくった結果、現在です♪
決行苦戦しましたけど、最終はわたしの勝ちでした♪
貴方様の愛しい旦那様は、そこに真っ裸で亀甲縛りされていまぁす♪
猿轡じゃなくちょーっとマニアックなヤツ噛ませてますけど、くすっ!
え? 何故そこまでしたのかって? すぐに自分が来て支払うから身ぐるみはがす必要なんてないのに?
そう言われりゃそうですが……
強いて言えば、んー……ゾーケイビ(造形美)?
あ、ジョーが、いえ貴方様のかつてのご婚約者で元第3王子殿下が、こんな時に言ってたフレーズがあるなぁ。確か……
うん! “映える”かなと。
き、急に怒らないで下さい! てか、どうして怒るんですか! え……そういう意味で言ってるんじゃない?
じゃあ何でですか? わたし貴方様程頭は良くないので、きちんと言葉で説明してください。
……ああ、なるほど。
王族をたぶらかし、貴方に冤罪をかけた罪で辺境へ追いやられたわたしが、どうしてここにいるのか? って事でしたか。
そうかぁ……本当に貴方様は興味が無かったんですね。
冤罪をかけたわたしの事じゃあありませんよ。元婚約者だった今平民の第3王子殿下の事です。卒業式後のパーティで貴方様に、ありもしない冤罪を動機に婚約破棄を宣言して、その事で廃嫡された上にわたしと一緒に辺境へ追放されたあの方です。
はあ……本当に罪悪感すらなかったなんて……サイテー(ボソッ)
わたし達へは確かに、辺境に追いやられました。小汚い古臭い馬車に2人乗せられて、放り出されるように国境で置き去りにされました。
まぁ本当ならそこで餓死するか、野獣に襲われるかな悲惨な結末があったでしょう。罪人として。
目の前に広がるのは、草も生えない痩せた土地でした。
と、まぁ追放された2人でしたけど。
そこでずっと罪人としているつもりはありませんでした。
罪を償う手段は他にもあったでしょう? ……そうそう、“追放もしくは賠償金の支払いに処す”ですよ!
わたし、賠償金を払いました。稼ぎたてほやほやの現ナマを、偉いさんの目の前にずらーっと並べて。補佐の人達にはすごーく手間だったけど、それ以上の金額はありました。
だから今のわたし達は罪人じゃあありません。綺麗さっぱり、ただの人です。
――そんな大金どうしたのか? どこかの金持ちをたぶらかしたか盗みでもしたのか、って?
あははは!! 出来ませんよそんな事。大体こーんな弱くて頭が悪いわたしが、盗みなんて出来っこないでしょう? 辺境にやってくる物好きな金持ち親父なんていませんし?
というか貴方、わたしの事本当に調べたんですか?
あの断罪の日、ジ、いえ殿下が
“お前はルリエを、格下の身分であることを理由に取り巻きまで巻き込んで嫌がらせをした! そのような者を王家に迎える事は出来ない! 故に国外追放を命じる!”
って高らかに言い放った時、堂々と自分の無実の証拠を列挙してたじゃないですか。で、
“わたくしは彼女に嫌がらせなど出来る状況ではありません。それは殿下が最もお分かりでしょう?”
って堂々と仰ってましたね。
……そして先代様には、ご愁傷さまでした。
本日は旦那様のお引き取りご苦労様です!
そして……お久しぶりでぇす! 2年前、貴方のご婚約者様を浮気に誘った泥棒猫のルリエですぅ。……きゃはっ!
……あれ? どうされたのですか、何だか顔色が……え・何でお前がここに!? って?
何でと言われましても……カジノに来る目的なんて、遊ぶために決まってるじゃあありませんか。
そう、わたしはここに遊びに来ました。
そして何故そうなったのか、貴方様の旦那様からタイマン勝負を申し込まれて、勝って勝って勝ちまくった結果、現在です♪
決行苦戦しましたけど、最終はわたしの勝ちでした♪
貴方様の愛しい旦那様は、そこに真っ裸で亀甲縛りされていまぁす♪
猿轡じゃなくちょーっとマニアックなヤツ噛ませてますけど、くすっ!
え? 何故そこまでしたのかって? すぐに自分が来て支払うから身ぐるみはがす必要なんてないのに?
そう言われりゃそうですが……
強いて言えば、んー……ゾーケイビ(造形美)?
あ、ジョーが、いえ貴方様のかつてのご婚約者で元第3王子殿下が、こんな時に言ってたフレーズがあるなぁ。確か……
うん! “映える”かなと。
き、急に怒らないで下さい! てか、どうして怒るんですか! え……そういう意味で言ってるんじゃない?
じゃあ何でですか? わたし貴方様程頭は良くないので、きちんと言葉で説明してください。
……ああ、なるほど。
王族をたぶらかし、貴方に冤罪をかけた罪で辺境へ追いやられたわたしが、どうしてここにいるのか? って事でしたか。
そうかぁ……本当に貴方様は興味が無かったんですね。
冤罪をかけたわたしの事じゃあありませんよ。元婚約者だった今平民の第3王子殿下の事です。卒業式後のパーティで貴方様に、ありもしない冤罪を動機に婚約破棄を宣言して、その事で廃嫡された上にわたしと一緒に辺境へ追放されたあの方です。
はあ……本当に罪悪感すらなかったなんて……サイテー(ボソッ)
わたし達へは確かに、辺境に追いやられました。小汚い古臭い馬車に2人乗せられて、放り出されるように国境で置き去りにされました。
まぁ本当ならそこで餓死するか、野獣に襲われるかな悲惨な結末があったでしょう。罪人として。
目の前に広がるのは、草も生えない痩せた土地でした。
と、まぁ追放された2人でしたけど。
そこでずっと罪人としているつもりはありませんでした。
罪を償う手段は他にもあったでしょう? ……そうそう、“追放もしくは賠償金の支払いに処す”ですよ!
わたし、賠償金を払いました。稼ぎたてほやほやの現ナマを、偉いさんの目の前にずらーっと並べて。補佐の人達にはすごーく手間だったけど、それ以上の金額はありました。
だから今のわたし達は罪人じゃあありません。綺麗さっぱり、ただの人です。
――そんな大金どうしたのか? どこかの金持ちをたぶらかしたか盗みでもしたのか、って?
あははは!! 出来ませんよそんな事。大体こーんな弱くて頭が悪いわたしが、盗みなんて出来っこないでしょう? 辺境にやってくる物好きな金持ち親父なんていませんし?
というか貴方、わたしの事本当に調べたんですか?
あの断罪の日、ジ、いえ殿下が
“お前はルリエを、格下の身分であることを理由に取り巻きまで巻き込んで嫌がらせをした! そのような者を王家に迎える事は出来ない! 故に国外追放を命じる!”
って高らかに言い放った時、堂々と自分の無実の証拠を列挙してたじゃないですか。で、
“わたくしは彼女に嫌がらせなど出来る状況ではありません。それは殿下が最もお分かりでしょう?”
って堂々と仰ってましたね。
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