1 / 7
1
しおりを挟む
「やっとエレノアの婚約者さんに会えるのね!楽しみだわ~!」
嬉しそうな母親につい先日別れたばかりですとも言えないまま婚約者を連れてくると約束した日付の1週間前になってしまった。
早く言えていたらまだ楽だったのかもしれない。後で言おう、後で言おうと引き伸ばしているうちにどうしようもないところまで来てしまった。
「どうすればいいと思う?イライ…」
「アホなんじゃないの?」
頼りになる幼馴染イライジャに相談するも彼の言葉はグサリと刺さる。
「そもそもエレノアが最初にはっきり別れたって言っておけばこんなことにはなってないんだよ」
「うっ…」
いつもは優しいのに今回ばかりは言葉がきつい。しかし彼はいつだって助けてくれる。今回も頭に手を当てて呆れた様子を見せるイライジャに縋るしかなかった。
「助けてよイライ~!」
「あー!もうっ!わかったから。後で文句言わないでよ」
しがみつくエレノアを引き剥がして目を合わせた。
「俺が婚約者のフリでもしようか」
いつも通りの優しい笑顔を浮かべたイライに祈るように手を合わせてお願いします!と頼みこんだ。
嬉しそうな母親につい先日別れたばかりですとも言えないまま婚約者を連れてくると約束した日付の1週間前になってしまった。
早く言えていたらまだ楽だったのかもしれない。後で言おう、後で言おうと引き伸ばしているうちにどうしようもないところまで来てしまった。
「どうすればいいと思う?イライ…」
「アホなんじゃないの?」
頼りになる幼馴染イライジャに相談するも彼の言葉はグサリと刺さる。
「そもそもエレノアが最初にはっきり別れたって言っておけばこんなことにはなってないんだよ」
「うっ…」
いつもは優しいのに今回ばかりは言葉がきつい。しかし彼はいつだって助けてくれる。今回も頭に手を当てて呆れた様子を見せるイライジャに縋るしかなかった。
「助けてよイライ~!」
「あー!もうっ!わかったから。後で文句言わないでよ」
しがみつくエレノアを引き剥がして目を合わせた。
「俺が婚約者のフリでもしようか」
いつも通りの優しい笑顔を浮かべたイライに祈るように手を合わせてお願いします!と頼みこんだ。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
私は王子の婚約者にはなりたくありません。
黒蜜きな粉
恋愛
公爵令嬢との婚約を破棄し、異世界からやってきた聖女と結ばれた王子。
愛を誓い合い仲睦まじく過ごす二人。しかし、そのままハッピーエンドとはならなかった。
いつからか二人はすれ違い、愛はすっかり冷めてしまった。
そんな中、主人公のメリッサは留学先の学校の長期休暇で帰国。
父と共に招かれた夜会に顔を出すと、そこでなぜか王子に見染められてしまった。
しかも、公衆の面前で王子にキスをされ逃げられない状況になってしまう。
なんとしてもメリッサを新たな婚約者にしたい王子。
さっさと留学先に戻りたいメリッサ。
そこへ聖女があらわれて――
婚約破棄のその後に起きる物語
攻略対象の王子様は放置されました
白生荼汰
恋愛
……前回と違う。
お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。
今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。
小説家になろうにも投稿してます。
お約束の異世界転生。計画通りに婚約破棄されたので去ります──って、なぜ付いてくる!?
リオール
恋愛
ご都合主義設定。細かい事を気にしない方向けのお話です。
5話完結。
念押ししときますが、細かい事は気にしないで下さい。
【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。
まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。
私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。
お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。
けれど、彼に言われましたの。
「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」
そうですか。男に二言はありませんね?
読んでいただけたら嬉しいです。
辺境伯は王女から婚約破棄される
高坂ナツキ
恋愛
「ハリス・ワイマール、貴男との婚約をここに破棄いたしますわ」
会場中にラライザ王国第一王女であるエリス・ラライザの宣言が響く。
王宮の大ホールで行われている高等学校の卒業記念パーティーには高等学校の卒業生やその婚約者、あるいは既に在学中に婚姻を済ませている伴侶が集まっていた。
彼らの大半はこれから領地に戻ったり王宮に仕官する見習いのために爵位を継いではいない状態、つまりは親の癪の優劣以外にはまだ地位の上下が明確にはなっていないものばかりだ。
だからこそ、第一王女という絶大な権力を有するエリスを止められるものはいなかった。
婚約破棄の宣言から始まる物語。
ただし、婚約の破棄を宣言したのは王子ではなく王女。
辺境伯領の田舎者とは結婚したくないと相手を罵る。
だが、辺境伯側にも言い分はあって……。
男性側からの婚約破棄物はよく目にするが、女性側からのはあまり見ない。
それだけを原動力にした作品。
悪役令嬢は、婚約破棄の原因のヒロインをざまぁしたい!
公爵 麗子
恋愛
濡れ衣を着せられて婚約破棄なんて、許せませんわ!
ヒロインの嘘で何もかも全て奪われた罪、償ってもらいますわ。
絶対に誰よりもしあわせになってみせますわ。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる