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ヤンデレでいいですか
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私はよく愛が重いと言われる。
一度愛したものはなかなか嫌いになることが出来ず、好きなもののためならなんでもする。
飼っていた2匹のハムスターが喧嘩をしだしたら、2匹の間に自分の手を突っ込んで、よく噛まれていた。
大分強い力で噛まれたようで、血が沢山でた。
右手の指5本全てに絆創膏が貼られる頃にはケージを分けたが、しばらくは怪我が治らなかった。
それでも何故かその怪我を愛おしいと思えて仕方なかった。
痛いのが好きというわけでもなかったのだが、むしろもっと噛んでほしいと思うほど、2匹から与えられる痛みならばなんでも嬉しかった。
父や弟達が2匹に触れようとしたが、2匹とも私以外には触らせようとしなかった。
それがとても嬉しかったし、たまに2匹の機嫌がよくて触られた日には私の機嫌は最低だった。
それから私はそのまま成長したようで、中学でできた彼氏が他の女の子と楽しそうに話す姿を見て、モヤモヤした。
嫌われたくないという気持ちが先立って、自分の嫉妬を彼氏に伝えることは無かったが、2年目に入るとそういった我慢がきかなくなり、理由を言わずに別れようとだけ言って別れた。
未練がないわけではなく、別れてからも他の女の子と話しているのを見かけると少し気になったが、付き合っている時よりは気持ちが落ち着いていた。
絶対私は好きな人を作るべきではないと思っていた。
いや、好きな人ならまだいい。
「彼氏」になったあかつきには、周りの女性に嫉妬しすぎて、引かれるだろう。
そう思うと、どうしても誰も好きになりたくなかった。
なのに、どうして…
「僕は先輩のことが好きです」
どうしてあなたはそんなに残酷なことを言うの?
「ごめん、そんなふうに裕太君のことを考えたことなかった。」
一歳下の私の好きな人。
そんなふうに見たことがないなんて大嘘。
最初からそんなふうにしか見れなかった。
「そっか…」
裕太くんは悲しそうな顔をした。
ごめんね、裕太君。私も本当は好きだよ。
ううん。好きなんてそんな簡単な言葉じゃ表せない。
私のこの感情は好きなんて軽い言葉じゃない。
でもね、大丈夫だよ。
君はきっとすぐに他の人を好きになれるから。
「じゃあ美弥先輩、なんであなたはそんなに泣きそうな顔をしてるんですか?」
裕太君に顔を覗き込まれてビクリとする。
「…なんでも、ないよ」
強ばる頬をどうにか持ち上げて笑う。
「…僕はそんなに頼りないですか?振られた僕が言う言葉じゃないですが、先輩のこと、ずっと見てたんです。先輩のことは分かっているつもりです。」
裕太君が仄暗い目をして言った。
頬に添えられた手はがっちりと美弥を掴んでいて、離さない。
美弥は目をそらすこともできず、ポロリと涙を零した。
「大丈夫だよ先輩。俺はずっと前からあなたのことが好きだから。」
するりと頬に置いた手を下ろして、美弥の肩を抱き寄せた。僕と言っていたはずの一人称が俺になっている。
裕太の瞳に光は消えていた。
「…君は分かってないの。分かってたらそんなこと言えない」
「それなら先輩、いっそのこと僕を殺してください。」
裕太は美弥に向かって微笑んだ。
「あなたに愛されることが出来ないのなら俺は生きている価値がありません。」
そう言われて美弥は目を見開いた。
「俺はもう先輩以外を愛することが出来ないんです。苦しいんです。だからせめて先輩の手で…」
助けを求めるような目で美弥を見つめた。
どくり
美弥の心臓が音をたてる。
もしかしたら裕太も同じ気持ちかもしれない。
そんな思いを打ち消すように首を振った。
「そんなの一時の気の迷いだよ。」
「気の迷いなんかじゃありません。10年前から俺はずっと先輩のことを…先輩のことだけを見ていたんです。」
肩を掴む裕太の手は震えていた。
それでいて、逃がさないとでも言うかのように力を込めて掴んでいる。
「痛…」
美弥の体をぞくりと快感が駆け抜ける。
気持ちいい。
痛いけどこれが好きな人に与えられる痛み…。
美弥はうっとりと目を細めた。
「先輩、殺してくれないんですか?」
裕太はごそごそとポケットを探りカッターを取り出した。
キチキチと音を立てながら刃を出す。
「殺せないよ」
好きな人を殺すなんて私には無理。
裕太君を殺して自分も一緒に死にたいと何度思ったことだろう。
「なら…一緒に死にましょう。」
裕太が刃物を振り上げた。
美弥は歓喜に震えた。
一緒に死んでくれるの?
あれほど想い、自分のものにしたいと望んだ裕太君が私のものになる?
それを恐怖に震えていると勘違いしたのか、裕太は泣きそうな顔で美弥の頬に左手を当てた。
カッターを持った手を美弥の腰にまわし、抱き寄せると、深く口付けた。
「はぁ…っ」
長いキスの後に、裕太は涙を零した。
「好きです。先輩」
さようなら、そう言って美弥を抱きしめたまま、心臓に向けて一気にカッターを振り下ろした。
どすっ
鈍い音を立ててカッターが美弥の胸に突き刺さる。
裕太はそれを一気に引き抜いて、自分の胸に突き刺した。
「あぁ、先輩の血だぁ」
裕太は歪な笑みを浮かべた。
胸を刺されたせいなのか、それとも裕太にときめいているのか恐らく両方だろう。
美弥の胸がいつも以上にどくどくと波打つ。
「好きだよ」
最後に一言、想いを込めて唇を開いた。
「愛してる」
伝えきれないほどに。
裕太が目を見開いたのを最後に見て、美弥の意識は途切れた。
目を開けると白い天井が見えた。
腕には細いチューブが繋がっている。
「…あのまま死ねれば幸せだったのに。」
美弥が呟いた言葉は誰にも届かなかった。
美弥は腕のチューブを引き抜いてベットから降りた。
裕太も自分のことを刺していた。
カッターでは一度刺すくらいじゃ死ねないだろう。
一緒に運ばれたなら彼はこの病院にいるかもしれない。
壁をつたって歩いた。
いくつか先の病室から声が聞こえた。
「何故飯尾さんを刺したんだい?」
「愛しているからです」
裕太の声だった。
思わず、自分の胸に傷があることも忘れて駆け出した。
「ちょっと君!」
病室の外にいた男性に止められたが、それを無視して急いで通り抜けた。
「裕太君!」
ぎゅうっと愛おしい人を抱きしめる。
「せん…ぱい?」
「私が一緒に死のうと言ったんです。裕太君のせいじゃありませんよ。」
きっと私の目は愛に飢えてギラギラと光っていることだろう。
結局美弥からの証言もあり、裕太が罪に問われることは無かった。
親は2人を引き離そうと必死になったが、ただの勘違いだった、愛し合っているのでもう大丈夫だ。と言ってどうにか納得してもらった。両者の親はどちらも引いていたけれど、2人はお互いがいればいいと思っていたので問題なかった。
「裕太君ごめんね。愛してるよ」
「俺の方がきっと愛してるよ。」
2人は見つめあって口付けを交わした。
裕太は美弥の赤く染まった頬を愛おしそうにそっと撫でた。
一度愛したものはなかなか嫌いになることが出来ず、好きなもののためならなんでもする。
飼っていた2匹のハムスターが喧嘩をしだしたら、2匹の間に自分の手を突っ込んで、よく噛まれていた。
大分強い力で噛まれたようで、血が沢山でた。
右手の指5本全てに絆創膏が貼られる頃にはケージを分けたが、しばらくは怪我が治らなかった。
それでも何故かその怪我を愛おしいと思えて仕方なかった。
痛いのが好きというわけでもなかったのだが、むしろもっと噛んでほしいと思うほど、2匹から与えられる痛みならばなんでも嬉しかった。
父や弟達が2匹に触れようとしたが、2匹とも私以外には触らせようとしなかった。
それがとても嬉しかったし、たまに2匹の機嫌がよくて触られた日には私の機嫌は最低だった。
それから私はそのまま成長したようで、中学でできた彼氏が他の女の子と楽しそうに話す姿を見て、モヤモヤした。
嫌われたくないという気持ちが先立って、自分の嫉妬を彼氏に伝えることは無かったが、2年目に入るとそういった我慢がきかなくなり、理由を言わずに別れようとだけ言って別れた。
未練がないわけではなく、別れてからも他の女の子と話しているのを見かけると少し気になったが、付き合っている時よりは気持ちが落ち着いていた。
絶対私は好きな人を作るべきではないと思っていた。
いや、好きな人ならまだいい。
「彼氏」になったあかつきには、周りの女性に嫉妬しすぎて、引かれるだろう。
そう思うと、どうしても誰も好きになりたくなかった。
なのに、どうして…
「僕は先輩のことが好きです」
どうしてあなたはそんなに残酷なことを言うの?
「ごめん、そんなふうに裕太君のことを考えたことなかった。」
一歳下の私の好きな人。
そんなふうに見たことがないなんて大嘘。
最初からそんなふうにしか見れなかった。
「そっか…」
裕太くんは悲しそうな顔をした。
ごめんね、裕太君。私も本当は好きだよ。
ううん。好きなんてそんな簡単な言葉じゃ表せない。
私のこの感情は好きなんて軽い言葉じゃない。
でもね、大丈夫だよ。
君はきっとすぐに他の人を好きになれるから。
「じゃあ美弥先輩、なんであなたはそんなに泣きそうな顔をしてるんですか?」
裕太君に顔を覗き込まれてビクリとする。
「…なんでも、ないよ」
強ばる頬をどうにか持ち上げて笑う。
「…僕はそんなに頼りないですか?振られた僕が言う言葉じゃないですが、先輩のこと、ずっと見てたんです。先輩のことは分かっているつもりです。」
裕太君が仄暗い目をして言った。
頬に添えられた手はがっちりと美弥を掴んでいて、離さない。
美弥は目をそらすこともできず、ポロリと涙を零した。
「大丈夫だよ先輩。俺はずっと前からあなたのことが好きだから。」
するりと頬に置いた手を下ろして、美弥の肩を抱き寄せた。僕と言っていたはずの一人称が俺になっている。
裕太の瞳に光は消えていた。
「…君は分かってないの。分かってたらそんなこと言えない」
「それなら先輩、いっそのこと僕を殺してください。」
裕太は美弥に向かって微笑んだ。
「あなたに愛されることが出来ないのなら俺は生きている価値がありません。」
そう言われて美弥は目を見開いた。
「俺はもう先輩以外を愛することが出来ないんです。苦しいんです。だからせめて先輩の手で…」
助けを求めるような目で美弥を見つめた。
どくり
美弥の心臓が音をたてる。
もしかしたら裕太も同じ気持ちかもしれない。
そんな思いを打ち消すように首を振った。
「そんなの一時の気の迷いだよ。」
「気の迷いなんかじゃありません。10年前から俺はずっと先輩のことを…先輩のことだけを見ていたんです。」
肩を掴む裕太の手は震えていた。
それでいて、逃がさないとでも言うかのように力を込めて掴んでいる。
「痛…」
美弥の体をぞくりと快感が駆け抜ける。
気持ちいい。
痛いけどこれが好きな人に与えられる痛み…。
美弥はうっとりと目を細めた。
「先輩、殺してくれないんですか?」
裕太はごそごそとポケットを探りカッターを取り出した。
キチキチと音を立てながら刃を出す。
「殺せないよ」
好きな人を殺すなんて私には無理。
裕太君を殺して自分も一緒に死にたいと何度思ったことだろう。
「なら…一緒に死にましょう。」
裕太が刃物を振り上げた。
美弥は歓喜に震えた。
一緒に死んでくれるの?
あれほど想い、自分のものにしたいと望んだ裕太君が私のものになる?
それを恐怖に震えていると勘違いしたのか、裕太は泣きそうな顔で美弥の頬に左手を当てた。
カッターを持った手を美弥の腰にまわし、抱き寄せると、深く口付けた。
「はぁ…っ」
長いキスの後に、裕太は涙を零した。
「好きです。先輩」
さようなら、そう言って美弥を抱きしめたまま、心臓に向けて一気にカッターを振り下ろした。
どすっ
鈍い音を立ててカッターが美弥の胸に突き刺さる。
裕太はそれを一気に引き抜いて、自分の胸に突き刺した。
「あぁ、先輩の血だぁ」
裕太は歪な笑みを浮かべた。
胸を刺されたせいなのか、それとも裕太にときめいているのか恐らく両方だろう。
美弥の胸がいつも以上にどくどくと波打つ。
「好きだよ」
最後に一言、想いを込めて唇を開いた。
「愛してる」
伝えきれないほどに。
裕太が目を見開いたのを最後に見て、美弥の意識は途切れた。
目を開けると白い天井が見えた。
腕には細いチューブが繋がっている。
「…あのまま死ねれば幸せだったのに。」
美弥が呟いた言葉は誰にも届かなかった。
美弥は腕のチューブを引き抜いてベットから降りた。
裕太も自分のことを刺していた。
カッターでは一度刺すくらいじゃ死ねないだろう。
一緒に運ばれたなら彼はこの病院にいるかもしれない。
壁をつたって歩いた。
いくつか先の病室から声が聞こえた。
「何故飯尾さんを刺したんだい?」
「愛しているからです」
裕太の声だった。
思わず、自分の胸に傷があることも忘れて駆け出した。
「ちょっと君!」
病室の外にいた男性に止められたが、それを無視して急いで通り抜けた。
「裕太君!」
ぎゅうっと愛おしい人を抱きしめる。
「せん…ぱい?」
「私が一緒に死のうと言ったんです。裕太君のせいじゃありませんよ。」
きっと私の目は愛に飢えてギラギラと光っていることだろう。
結局美弥からの証言もあり、裕太が罪に問われることは無かった。
親は2人を引き離そうと必死になったが、ただの勘違いだった、愛し合っているのでもう大丈夫だ。と言ってどうにか納得してもらった。両者の親はどちらも引いていたけれど、2人はお互いがいればいいと思っていたので問題なかった。
「裕太君ごめんね。愛してるよ」
「俺の方がきっと愛してるよ。」
2人は見つめあって口付けを交わした。
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