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それを聞いた坊っちゃんは、戸惑ったようにではありましたが抱擁をおずおずと受け入れてらっしゃいました。
……まぁ、心を入れ替えて、いい姉になろうとしているのであればそれで良いとその場では思ったのですが……。
坊っちゃんが退出した後、彼女は即座に湯殿の支度を他のメイドにさせて、念入りに入浴なさいました。
着替えをお持ちしますと、扉の向こうからひたすら「キモいキモいキモい……最悪!」と、早口で呟いているのが聞こえてきます。
ため息をついたわたくしでしたが、無言でその場を後にしました。
それからもお嬢様は、坊っちゃんに優しく接しようと努力なさっているご様子でした。
まぁ、それも表面だけと言いますか、ハッキリ言ってしまうと鼻につく可愛がり方でしたけどね。弟を可愛がっている私カワイイでしょ、的なアレです。
坊っちゃんから触れられそうになるとさりげなく逃げるところとか、弟を帰した後はご自分の部屋を徹底的にメイドに消毒させるところとか。形だけなんですよね。
ただ不思議なのは、お嬢様は時おり誰かに見られているように背後をチラチラと気にしてらっしゃったんです。あれは何だったんでしょう?
傍から見ているわたくしでも分かるほどでしたので、当の坊っちゃんはご自分が本当は嫌われている事にとっくに気づいていたんだと思います。それでも、姉と会話ができて嬉しそうなのが不憫でなりませんでした。
えぇ、坊っちゃんは本当にいい子でしたよ。何年もあの暗い場所に閉じ込められていたというのに、少しもひねていないんです。
あの一件以降、わたくしは彼のお世話係を押し付けられることになったのですが、嫌とは感じませんでした。
薄暗い地下牢に少しでも日が入るように窓をブチ抜き、坊っちゃんと二人で協力して徹底的に掃除したのです。話をしていく内に彼が少しずつ笑うようになって下さるのが嬉しくて、この仕事も悪くないかなと思えたんです。
そう、その地下牢なんですが、聞いた話では気の触れたご先祖様を閉じ込めていたらしいですね。
壁の棚いっぱいに何やら難しそうな本が並んでいて、引き出しを開けると手書きのメモらしき物が乱雑に詰め込まれているんです。
わたくしは読んでもさっぱり理解できませんでしたが、幼い頃からそれを絵本代わりに読んでいた坊っちゃんは読み解く事ができるようでした。なんでも、ご先祖様はたくさんの人を助けられるような研究をしていたらしいのです。自称ですけど。
坊っちゃんは表に出られない分、ここで勉強して賢くなり、お父さんたちを驚かせるんだと計画なされていました。そうしたらきっとここから出してもらえるよね、と。
健気ですよね。わたくしは出来る限りの応援をするとお約束したんです。
そんな生活が一年ほど続いたでしょうか。お嬢様と坊っちゃんのお茶会も週一ペースで続けられていました。もうその頃になると習慣化していたと言いますか、お嬢様の態度もおざなりになっていたんですけどね。
――元気? 今週も会えて嬉しいわ。病気は悪化していない? 何かあったらすぐお姉ちゃんに言うのよ? それじゃまたね。来週を楽しみにしているわ。
判で押したように毎週同じやり取りを五分だけ。もうすぐ皇太子様との婚約発表を控えていたのでそちらに心を砕いていらっしゃったのでしょう。豪奢なドレスを身にまとうお嬢様は、見るたびにお美しくなっていくようでした。
一度、嘆願したことがあるんです。そんなに坊っちゃんを気にかけて下さるなら、あの場所から出してあげられませんか。せめて日中、外を歩く許可をご主人様から貰えないでしょうかと。すると、お嬢様は一度ひくりと頬を引きつらせてから微笑みました。
――え、えぇ、そうね、今度お父様に掛け合ってみるわ。
もちろんそれっきり音沙汰は無かったですけどね。坊っちゃんから贈られた庭の花も捨てられているのを何度も目撃しましたし、本当に……。
坊っちゃんはその頃になると研究にますますのめり込むようになっていました。相変わらずわたくしは説明されてもさっぱりでしたけど、頼まれるままに小さな鍋だの材料だのを屋敷からくすねてお運びしたのです。
何を作るのかとお聞きしましたら『真実の姿を見せる薬』が最終目標だと。レシピの説明によると内面の美しさがそのまま表に現れる飲み薬なんだそうです。
この薬を飲んで普通の顔になれば、お父さんたちも僕を好きになってくれるかもしれないから。そのためには正しい人間になれるよう、いい子にならなきゃ、と。
そのレシピの暗号はとても読み解くことが難しいようで、まずは別の簡単そうな物から少しずつ解読してステップアップしていくとの事でした。レシピの中には飲み薬だけでなく、魔法の効果がついた装飾品を作れる物もあったようです。
そうして小さな花の髪飾りを作ったとき、坊っちゃんはそれをお嬢様にプレゼントしたんです。例のお茶会の時にそれを差し出した瞬間、お嬢様は大きく目を見開き、感激したように口をハッと押さえました。
――え、ちょっと待って、あたしの弟、天使すぎる! と、尊いぃぃ!!
かなり大げさなリアクションでのけ反った彼女は床に膝から崩れ落ちました。わたくしが大丈夫ですかと尋ねますと鼻を押さえて鼻血が出そうと。出てません。
冷静に指摘しますとムッとしたご様子でしたが、すぐにご機嫌になってその髪飾りを受け取りました。素人目にみてもかなり出来のよい作品でしたので気に入ったのでございましょう。
と、その時、屈んだ体勢から立ち上がったわたくしのポケットから不都合な物が落ちてしまいました。それはお嬢様が手にしている髪飾りと同じデザインのブローチで、坊っちゃんがわたくしにもと下さった物です。
僕は二人の事が大好きだからと、坊っちゃんははにかんで言うのですが、お嬢様の機嫌はそこからあからさまに急激に下降して行きました。しばらくこちらを見つめていた彼女はニコリと笑うと手を差し出します。
――ねぇ、それあたしが預かってもいいかしら?
冗談じゃありません。せっかく坊っちゃんが心を込めて作って下さった物です。波風立てないようやんわりとお断りするのですが、お嬢様の顔はどんどん鬼のように変化していきました。
――困るのよ、あたし次の婚約発表の場でこの髪飾りを付けていこうって決めたの。なのに、ただのメイドが同じ物を付けてたらヘンに思われるでしょ。これは弟があたしを想い、あたしの為だけに作ってくれた『特別』じゃなきゃいけないの。貸して!
彼女が手を伸ばしてきたので、わたくしは反射的に飛びのいていました。抵抗されたことにカッと来たのか、お嬢様は平手打ちを飛ばしてきます。
――姉さん! やめてよ。それは姉さんに上げた物じゃ
坊っちゃんが後ろからヨタヨタと止めようとした瞬間、触れられそうになったことに気づいたお嬢様はすさまじい悲鳴を上げて尻もちをつきました。それが気まずくなったのでしょう、彼女の怒りはますます過熱していきました。
――ちょっと、なんでこんなメイドごときに構うのよ! あんた弟キャラじゃないの? あたしにだけ懐いていればいいじゃないっ!
立ち上がってこちらを向いたお嬢様は、怒りの矛先をわたくしに向けます。
――そうよ、そもそも最初から気にくわなかったのよ。あんた何しゃしゃり出てきてるわけ? この子はあたしに依存するヤンデレ設定なの! 部外者に笑いかけてたらキャラが壊れちゃうじゃない!
――何言ってるんだよ……わけわかんないよ姉さん
坊っちゃんの泣きそうな声に、いい加減わたくしも頭に来ていました。熱を持つ頬を抑えながら切々と訴えてしまったのです。これまでのお嬢様の態度で坊っちゃんがどれだけ傷ついてきたか。愛情を以って自分から触れた事が一度でもありましたかと。
――はぁ? 意味わかんない、その子を一番可愛がってあげてるのはあたしでしょ? 話すり替えないでくれる?
すり替えていません。一度でも坊っちゃんの地下牢に来た事がありましたか? 坊っちゃんはあなたの『いいお姉ちゃん』を演出するためのアクセサリーじゃないんですよ。
――アクセサリー! プッ、ちょっとやだ、その子のどこがアクセサリーよ。自慢できる弟どころか完全なるバケモノ……
……まぁ、心を入れ替えて、いい姉になろうとしているのであればそれで良いとその場では思ったのですが……。
坊っちゃんが退出した後、彼女は即座に湯殿の支度を他のメイドにさせて、念入りに入浴なさいました。
着替えをお持ちしますと、扉の向こうからひたすら「キモいキモいキモい……最悪!」と、早口で呟いているのが聞こえてきます。
ため息をついたわたくしでしたが、無言でその場を後にしました。
それからもお嬢様は、坊っちゃんに優しく接しようと努力なさっているご様子でした。
まぁ、それも表面だけと言いますか、ハッキリ言ってしまうと鼻につく可愛がり方でしたけどね。弟を可愛がっている私カワイイでしょ、的なアレです。
坊っちゃんから触れられそうになるとさりげなく逃げるところとか、弟を帰した後はご自分の部屋を徹底的にメイドに消毒させるところとか。形だけなんですよね。
ただ不思議なのは、お嬢様は時おり誰かに見られているように背後をチラチラと気にしてらっしゃったんです。あれは何だったんでしょう?
傍から見ているわたくしでも分かるほどでしたので、当の坊っちゃんはご自分が本当は嫌われている事にとっくに気づいていたんだと思います。それでも、姉と会話ができて嬉しそうなのが不憫でなりませんでした。
えぇ、坊っちゃんは本当にいい子でしたよ。何年もあの暗い場所に閉じ込められていたというのに、少しもひねていないんです。
あの一件以降、わたくしは彼のお世話係を押し付けられることになったのですが、嫌とは感じませんでした。
薄暗い地下牢に少しでも日が入るように窓をブチ抜き、坊っちゃんと二人で協力して徹底的に掃除したのです。話をしていく内に彼が少しずつ笑うようになって下さるのが嬉しくて、この仕事も悪くないかなと思えたんです。
そう、その地下牢なんですが、聞いた話では気の触れたご先祖様を閉じ込めていたらしいですね。
壁の棚いっぱいに何やら難しそうな本が並んでいて、引き出しを開けると手書きのメモらしき物が乱雑に詰め込まれているんです。
わたくしは読んでもさっぱり理解できませんでしたが、幼い頃からそれを絵本代わりに読んでいた坊っちゃんは読み解く事ができるようでした。なんでも、ご先祖様はたくさんの人を助けられるような研究をしていたらしいのです。自称ですけど。
坊っちゃんは表に出られない分、ここで勉強して賢くなり、お父さんたちを驚かせるんだと計画なされていました。そうしたらきっとここから出してもらえるよね、と。
健気ですよね。わたくしは出来る限りの応援をするとお約束したんです。
そんな生活が一年ほど続いたでしょうか。お嬢様と坊っちゃんのお茶会も週一ペースで続けられていました。もうその頃になると習慣化していたと言いますか、お嬢様の態度もおざなりになっていたんですけどね。
――元気? 今週も会えて嬉しいわ。病気は悪化していない? 何かあったらすぐお姉ちゃんに言うのよ? それじゃまたね。来週を楽しみにしているわ。
判で押したように毎週同じやり取りを五分だけ。もうすぐ皇太子様との婚約発表を控えていたのでそちらに心を砕いていらっしゃったのでしょう。豪奢なドレスを身にまとうお嬢様は、見るたびにお美しくなっていくようでした。
一度、嘆願したことがあるんです。そんなに坊っちゃんを気にかけて下さるなら、あの場所から出してあげられませんか。せめて日中、外を歩く許可をご主人様から貰えないでしょうかと。すると、お嬢様は一度ひくりと頬を引きつらせてから微笑みました。
――え、えぇ、そうね、今度お父様に掛け合ってみるわ。
もちろんそれっきり音沙汰は無かったですけどね。坊っちゃんから贈られた庭の花も捨てられているのを何度も目撃しましたし、本当に……。
坊っちゃんはその頃になると研究にますますのめり込むようになっていました。相変わらずわたくしは説明されてもさっぱりでしたけど、頼まれるままに小さな鍋だの材料だのを屋敷からくすねてお運びしたのです。
何を作るのかとお聞きしましたら『真実の姿を見せる薬』が最終目標だと。レシピの説明によると内面の美しさがそのまま表に現れる飲み薬なんだそうです。
この薬を飲んで普通の顔になれば、お父さんたちも僕を好きになってくれるかもしれないから。そのためには正しい人間になれるよう、いい子にならなきゃ、と。
そのレシピの暗号はとても読み解くことが難しいようで、まずは別の簡単そうな物から少しずつ解読してステップアップしていくとの事でした。レシピの中には飲み薬だけでなく、魔法の効果がついた装飾品を作れる物もあったようです。
そうして小さな花の髪飾りを作ったとき、坊っちゃんはそれをお嬢様にプレゼントしたんです。例のお茶会の時にそれを差し出した瞬間、お嬢様は大きく目を見開き、感激したように口をハッと押さえました。
――え、ちょっと待って、あたしの弟、天使すぎる! と、尊いぃぃ!!
かなり大げさなリアクションでのけ反った彼女は床に膝から崩れ落ちました。わたくしが大丈夫ですかと尋ねますと鼻を押さえて鼻血が出そうと。出てません。
冷静に指摘しますとムッとしたご様子でしたが、すぐにご機嫌になってその髪飾りを受け取りました。素人目にみてもかなり出来のよい作品でしたので気に入ったのでございましょう。
と、その時、屈んだ体勢から立ち上がったわたくしのポケットから不都合な物が落ちてしまいました。それはお嬢様が手にしている髪飾りと同じデザインのブローチで、坊っちゃんがわたくしにもと下さった物です。
僕は二人の事が大好きだからと、坊っちゃんははにかんで言うのですが、お嬢様の機嫌はそこからあからさまに急激に下降して行きました。しばらくこちらを見つめていた彼女はニコリと笑うと手を差し出します。
――ねぇ、それあたしが預かってもいいかしら?
冗談じゃありません。せっかく坊っちゃんが心を込めて作って下さった物です。波風立てないようやんわりとお断りするのですが、お嬢様の顔はどんどん鬼のように変化していきました。
――困るのよ、あたし次の婚約発表の場でこの髪飾りを付けていこうって決めたの。なのに、ただのメイドが同じ物を付けてたらヘンに思われるでしょ。これは弟があたしを想い、あたしの為だけに作ってくれた『特別』じゃなきゃいけないの。貸して!
彼女が手を伸ばしてきたので、わたくしは反射的に飛びのいていました。抵抗されたことにカッと来たのか、お嬢様は平手打ちを飛ばしてきます。
――姉さん! やめてよ。それは姉さんに上げた物じゃ
坊っちゃんが後ろからヨタヨタと止めようとした瞬間、触れられそうになったことに気づいたお嬢様はすさまじい悲鳴を上げて尻もちをつきました。それが気まずくなったのでしょう、彼女の怒りはますます過熱していきました。
――ちょっと、なんでこんなメイドごときに構うのよ! あんた弟キャラじゃないの? あたしにだけ懐いていればいいじゃないっ!
立ち上がってこちらを向いたお嬢様は、怒りの矛先をわたくしに向けます。
――そうよ、そもそも最初から気にくわなかったのよ。あんた何しゃしゃり出てきてるわけ? この子はあたしに依存するヤンデレ設定なの! 部外者に笑いかけてたらキャラが壊れちゃうじゃない!
――何言ってるんだよ……わけわかんないよ姉さん
坊っちゃんの泣きそうな声に、いい加減わたくしも頭に来ていました。熱を持つ頬を抑えながら切々と訴えてしまったのです。これまでのお嬢様の態度で坊っちゃんがどれだけ傷ついてきたか。愛情を以って自分から触れた事が一度でもありましたかと。
――はぁ? 意味わかんない、その子を一番可愛がってあげてるのはあたしでしょ? 話すり替えないでくれる?
すり替えていません。一度でも坊っちゃんの地下牢に来た事がありましたか? 坊っちゃんはあなたの『いいお姉ちゃん』を演出するためのアクセサリーじゃないんですよ。
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