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終章-ひねくれ師匠と本当の私
146.師匠、株を下げる。
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オズワルドはその言葉に眉をわずかに寄せてみせる。
女神業に戻ることにしたユーナは一つ条件を出した。
それは発破をかけたニチカ自身が補佐に着くこと。
マナに呼びかけることに関しては彼女もユーナに引けを取らない。いやむしろ同等かそれ以上の才能を持っている。ぜひ手伝ってくれとの熱い申し出に折れたニチカは、とりあえず闇のマナ騒動がひと段落するまでという条件で首を縦に振ったのだった。
これからしばらくはここ天界を拠点として、必要があれば各地に出向きマナ操作をすることになる。
「天界就職おめでとう! 三食昼寝付き給料がっぽり!」
どこから取り出したのか、クラッカーをパーンと鳴らすユーナの背中に向かって男は冷たく言った。
「就職か……聞こえは良いな」
「んん?」
「補佐じゃなくて『予備女神』の間違いじゃないのか?」
指摘にニヤと笑いながら女神は振り返る。その目は狡猾な狐を連想させた。
「……バレたぁ?」
おそらくユーナがニチカを欲しがったのは自分の後継者としてだろう。自分の元でマナ管理を学ばせ、いずれはその役目を引き継がせるつもりではないだろうか。
肉体に不老の処置をほどこし、女神として未来永劫この世界を見守り続ける役目を。
「……」
「……」
駆け引きを得意とする二人はしばらく無言で相手の出方を探る。
だが先に折れたのはユーナだった。パッと笑いヒラヒラと手を振る。
「ンな怖い顔すんなよぉ、不老不死になんかさせないって。あくまで保険、ほ・け・ん、僕に何かあったときの為に念のため」
だいたいさぁ、と続けながら彼女は大きく伸びをした。
「あの子の一生が終わる前に僕が消滅する確立なんてそれこそ0%に近いよ。こちとら何百年と生きてる生き神サマだぜ? たったの6、70年よゆーよゆー」
ここまで来たらとことんやってやらぁ、と。どこか吹っ切れたように言い放った彼女は、何かの袋を後ろ手にポンと放り投げた。
「ってことで、これニチカに渡しておいて。ついでにお昼が終わったら午後イチで来て欲しいって言ってくれると助かる」
「自分で行け。俺はお前の部下じゃない」
不服そうに言うと何とも言えない顔で振り返られてしまった。
「うわぁ……僕の気遣いってモンが分からないかね。今日の午後には降りて自宅に帰るんだろ? お別れ言ってきなよ」
***
女神の執務室を出たオズワルドは、苛立ったまま回廊を進む。
いや、苛立つのはおかしい。これで全ては元通りだ。
厄介な拾い物だった弟子は天界に留まり、自分は森の中の自宅へ戻って趣味の魔女道具作りに専念できる。静かで穏やかな生活が自分を待っている。これまでのうんざりするような騒々しい日々から離れられるはずなのに。
「あれっ、ご主人だ。おーい!」
どこからか陽気な声が飛んでくる。曲がり角から飛び出してきたのは茶色の毛をなびかせたウルフィだった。
「おはよーっ! ニチカを探してるの?」
「いや」
「この道をずーっとまっすぐ行ったテラスに居たよ! たぶんまだ居ると思う」
「いや、だから」
そのまま連れ立って歩いていくと、人が入れるほどの青い筒がいくつも並んだ部屋に突き当たる。これは各地の主要都市と天界を繋ぐ転移装置で、ユーナが管理しているものだ。もちろんオーバーテクノロジーなので技術は非公開。オズワルドは密かに技術を盗もうとしていたがかなり手ごわく苦戦している。
「こんな便利なものが使い放題なんて嬉しいよね~、でも僕は走るのも好きだからニチカに会いに来るときぐらいしか使わないかも」
ポータル自体は無数にあるのだが、現在繋がってるのはエルミナージュ・桜花国・風の里・サリューンの4つだけだ。ホワイトローズも繋ごうとしたが断られてしまったらしい。
使えるのは天界関係者のみ、つまり今回の騒動を知っていてユーナの許可が出た者だけとなっている。
「じゃ、ご主人! 僕、先に降りてるからね、テイル村に寄ってからお家に帰るよ! また三日後!」
それだけを言い残し、ふさふさの尻尾がサリューン行きのポータルの青い光の中へ消える。
ウルフィとの使い魔契約もまだ続いていた。テイル村へ行くことが増えそうなので以前よりは契約内容を緩くしたが、それでも縁はこれからも続いていくだろう。
「物好きなヤツだ」
故郷が出来たのだから使い魔なんぞ辞めて帰ればいいのにと思うが、彼はガンとして受け入れなかった。
――だって僕、ご主人のこと大好きだもの!
ストレートに感情を伝えられる素直さが羨……とは言わなくもないが、いやそのセリフを自分が言ったら駄目な気がする。色んな意味で
表立っては無表情だが、内心そんな事をめまぐるしく考えていた男は五つ離れたポータルがチカチカと瞬くのに気付いた。風の里から誰かが上がって来る。
しばらくして一際眩しく光ったかと思うと、ドシャアァァと大量の書類が流れ出てきた。その上にばったりと倒れこんだのは緑の髪の青年だった。
「死ぬ……マジ死ぬ……あの女神さま上司にしたくないランキング堂々のトップ……」
ランバールは疲労困憊していた。下界と天界の使いっぱしりにされ、風だからとあちこちに走らされ――あぁもう思い出したくもない。
「おはよー、いやぁホント便利ねこのポータル」
明るい声が響き、エルミナージュからもシャルロッテが同じく書類を抱えて上がってくる。彼女は床で倒れ伏すランを見ると「あら」と呟いた。
「報告書まとめてないの? そのまま持って行ったら昨日みたいにユーナ様にオモチャにされるわよ?」
「わーかーってますって!! まだ時間ある! 机借りて整理しようと思ってるんスから!!」
ガァァと吼えたランバールは散らばっていた書類をかき集めた。また苦労して書いた調査結果を紙飛行機にされたらたまらない。
彼が這いつくばっている間、シャルロッテは脇の台座に資料を置いて自分もその横に腰掛けた。長い脚を組んで前のめりに頬杖を尽く。
「ねーオズちゃん、ホントにこれで良いの? あなたもここに住み込みで働けばいいじゃない。実力は充分にあるんだから」
わざわざあの辺鄙な森に一人で帰らなくてもと率直な意見をぶつけるが、オズワルドは視線を合わせようとしなかった。
「あの女神とは対等の立場で居たい」
「取引相手として? らしいっちゃらしいけど、でもそれだけじゃないでしょ?」
「何が」
なんとなくその本音を察したシャルロッテの横で、ランバールが紙束をトントンと打ちつけながら軽く言う。
「ま、センパイと違って俺はニチカちゃんと同僚になれたわけですしぃ? これからグッと接近する機会が増えちゃったりなんかして~」
「……」
「自分で言うのもなんだけど人の心の隙間に入り込むの得意だし、一緒にいる時間ならこっちのがたっぷりあるわけですからねぇー」
わざとらしく節をつけた挑発にも、男はむっつりと黙り込んだままだった。
それを見た半精霊はハァァと心からのため息をつく。
「センパイ、意地を張るのにも限度ってものが」
「だから何の話だ」
不機嫌を声ににじませる男に、シンと沈黙が降りる。
その気まずい空気を破ったのは明るい声を出したランバールだった。
「あはは~、またまたとぼけちゃって、なぁ?」
スッと雰囲気を変えた彼は立ち上がり、緑の双眸を細める。
「……いい加減にしろよテメェ」
止める間もなくオズワルドの胸倉を掴むと、地の底から這うような声を響かせた。
「逃げるのも大概にしろ」
普段の飄々とした彼からは想像もつかない威圧感だ。いや、本来の性質と言うべきか。彼は少しも隙を見せない表情で男を追い詰めていく。
「いいか? オレはニチカちゃんの事が好きで好きで堪らない、できる事なら今でも自分の物にしたいと思ってる。でもそれじゃ彼女は幸せにはなれない、アンタじゃなきゃダメなんだ」
許可が出るなら目の前の男を今すぐにでも殺してやりたいとその眼差しが語っていた。ギリッと奥歯を噛み締めた彼は叩きつけるように叫んだ。
「一度でも気持ちを伝えたことがあったか!? フェイクラヴァーなんてつまらない建て前に逃げるな! 種はアンタらを繋ぐきっかけにはなったかもしれないけど、このままだといつか必ずあの子は傷つく。オレにはそんな未来が見えるんだよ!」
ドッと突き飛ばすように手を離したかと思うと、吐き捨てるかのように言い捨てた。
「男を見せろよオズワルド、今のアンタすげーカッコ悪いぜ」
女神業に戻ることにしたユーナは一つ条件を出した。
それは発破をかけたニチカ自身が補佐に着くこと。
マナに呼びかけることに関しては彼女もユーナに引けを取らない。いやむしろ同等かそれ以上の才能を持っている。ぜひ手伝ってくれとの熱い申し出に折れたニチカは、とりあえず闇のマナ騒動がひと段落するまでという条件で首を縦に振ったのだった。
これからしばらくはここ天界を拠点として、必要があれば各地に出向きマナ操作をすることになる。
「天界就職おめでとう! 三食昼寝付き給料がっぽり!」
どこから取り出したのか、クラッカーをパーンと鳴らすユーナの背中に向かって男は冷たく言った。
「就職か……聞こえは良いな」
「んん?」
「補佐じゃなくて『予備女神』の間違いじゃないのか?」
指摘にニヤと笑いながら女神は振り返る。その目は狡猾な狐を連想させた。
「……バレたぁ?」
おそらくユーナがニチカを欲しがったのは自分の後継者としてだろう。自分の元でマナ管理を学ばせ、いずれはその役目を引き継がせるつもりではないだろうか。
肉体に不老の処置をほどこし、女神として未来永劫この世界を見守り続ける役目を。
「……」
「……」
駆け引きを得意とする二人はしばらく無言で相手の出方を探る。
だが先に折れたのはユーナだった。パッと笑いヒラヒラと手を振る。
「ンな怖い顔すんなよぉ、不老不死になんかさせないって。あくまで保険、ほ・け・ん、僕に何かあったときの為に念のため」
だいたいさぁ、と続けながら彼女は大きく伸びをした。
「あの子の一生が終わる前に僕が消滅する確立なんてそれこそ0%に近いよ。こちとら何百年と生きてる生き神サマだぜ? たったの6、70年よゆーよゆー」
ここまで来たらとことんやってやらぁ、と。どこか吹っ切れたように言い放った彼女は、何かの袋を後ろ手にポンと放り投げた。
「ってことで、これニチカに渡しておいて。ついでにお昼が終わったら午後イチで来て欲しいって言ってくれると助かる」
「自分で行け。俺はお前の部下じゃない」
不服そうに言うと何とも言えない顔で振り返られてしまった。
「うわぁ……僕の気遣いってモンが分からないかね。今日の午後には降りて自宅に帰るんだろ? お別れ言ってきなよ」
***
女神の執務室を出たオズワルドは、苛立ったまま回廊を進む。
いや、苛立つのはおかしい。これで全ては元通りだ。
厄介な拾い物だった弟子は天界に留まり、自分は森の中の自宅へ戻って趣味の魔女道具作りに専念できる。静かで穏やかな生活が自分を待っている。これまでのうんざりするような騒々しい日々から離れられるはずなのに。
「あれっ、ご主人だ。おーい!」
どこからか陽気な声が飛んでくる。曲がり角から飛び出してきたのは茶色の毛をなびかせたウルフィだった。
「おはよーっ! ニチカを探してるの?」
「いや」
「この道をずーっとまっすぐ行ったテラスに居たよ! たぶんまだ居ると思う」
「いや、だから」
そのまま連れ立って歩いていくと、人が入れるほどの青い筒がいくつも並んだ部屋に突き当たる。これは各地の主要都市と天界を繋ぐ転移装置で、ユーナが管理しているものだ。もちろんオーバーテクノロジーなので技術は非公開。オズワルドは密かに技術を盗もうとしていたがかなり手ごわく苦戦している。
「こんな便利なものが使い放題なんて嬉しいよね~、でも僕は走るのも好きだからニチカに会いに来るときぐらいしか使わないかも」
ポータル自体は無数にあるのだが、現在繋がってるのはエルミナージュ・桜花国・風の里・サリューンの4つだけだ。ホワイトローズも繋ごうとしたが断られてしまったらしい。
使えるのは天界関係者のみ、つまり今回の騒動を知っていてユーナの許可が出た者だけとなっている。
「じゃ、ご主人! 僕、先に降りてるからね、テイル村に寄ってからお家に帰るよ! また三日後!」
それだけを言い残し、ふさふさの尻尾がサリューン行きのポータルの青い光の中へ消える。
ウルフィとの使い魔契約もまだ続いていた。テイル村へ行くことが増えそうなので以前よりは契約内容を緩くしたが、それでも縁はこれからも続いていくだろう。
「物好きなヤツだ」
故郷が出来たのだから使い魔なんぞ辞めて帰ればいいのにと思うが、彼はガンとして受け入れなかった。
――だって僕、ご主人のこと大好きだもの!
ストレートに感情を伝えられる素直さが羨……とは言わなくもないが、いやそのセリフを自分が言ったら駄目な気がする。色んな意味で
表立っては無表情だが、内心そんな事をめまぐるしく考えていた男は五つ離れたポータルがチカチカと瞬くのに気付いた。風の里から誰かが上がって来る。
しばらくして一際眩しく光ったかと思うと、ドシャアァァと大量の書類が流れ出てきた。その上にばったりと倒れこんだのは緑の髪の青年だった。
「死ぬ……マジ死ぬ……あの女神さま上司にしたくないランキング堂々のトップ……」
ランバールは疲労困憊していた。下界と天界の使いっぱしりにされ、風だからとあちこちに走らされ――あぁもう思い出したくもない。
「おはよー、いやぁホント便利ねこのポータル」
明るい声が響き、エルミナージュからもシャルロッテが同じく書類を抱えて上がってくる。彼女は床で倒れ伏すランを見ると「あら」と呟いた。
「報告書まとめてないの? そのまま持って行ったら昨日みたいにユーナ様にオモチャにされるわよ?」
「わーかーってますって!! まだ時間ある! 机借りて整理しようと思ってるんスから!!」
ガァァと吼えたランバールは散らばっていた書類をかき集めた。また苦労して書いた調査結果を紙飛行機にされたらたまらない。
彼が這いつくばっている間、シャルロッテは脇の台座に資料を置いて自分もその横に腰掛けた。長い脚を組んで前のめりに頬杖を尽く。
「ねーオズちゃん、ホントにこれで良いの? あなたもここに住み込みで働けばいいじゃない。実力は充分にあるんだから」
わざわざあの辺鄙な森に一人で帰らなくてもと率直な意見をぶつけるが、オズワルドは視線を合わせようとしなかった。
「あの女神とは対等の立場で居たい」
「取引相手として? らしいっちゃらしいけど、でもそれだけじゃないでしょ?」
「何が」
なんとなくその本音を察したシャルロッテの横で、ランバールが紙束をトントンと打ちつけながら軽く言う。
「ま、センパイと違って俺はニチカちゃんと同僚になれたわけですしぃ? これからグッと接近する機会が増えちゃったりなんかして~」
「……」
「自分で言うのもなんだけど人の心の隙間に入り込むの得意だし、一緒にいる時間ならこっちのがたっぷりあるわけですからねぇー」
わざとらしく節をつけた挑発にも、男はむっつりと黙り込んだままだった。
それを見た半精霊はハァァと心からのため息をつく。
「センパイ、意地を張るのにも限度ってものが」
「だから何の話だ」
不機嫌を声ににじませる男に、シンと沈黙が降りる。
その気まずい空気を破ったのは明るい声を出したランバールだった。
「あはは~、またまたとぼけちゃって、なぁ?」
スッと雰囲気を変えた彼は立ち上がり、緑の双眸を細める。
「……いい加減にしろよテメェ」
止める間もなくオズワルドの胸倉を掴むと、地の底から這うような声を響かせた。
「逃げるのも大概にしろ」
普段の飄々とした彼からは想像もつかない威圧感だ。いや、本来の性質と言うべきか。彼は少しも隙を見せない表情で男を追い詰めていく。
「いいか? オレはニチカちゃんの事が好きで好きで堪らない、できる事なら今でも自分の物にしたいと思ってる。でもそれじゃ彼女は幸せにはなれない、アンタじゃなきゃダメなんだ」
許可が出るなら目の前の男を今すぐにでも殺してやりたいとその眼差しが語っていた。ギリッと奥歯を噛み締めた彼は叩きつけるように叫んだ。
「一度でも気持ちを伝えたことがあったか!? フェイクラヴァーなんてつまらない建て前に逃げるな! 種はアンタらを繋ぐきっかけにはなったかもしれないけど、このままだといつか必ずあの子は傷つく。オレにはそんな未来が見えるんだよ!」
ドッと突き飛ばすように手を離したかと思うと、吐き捨てるかのように言い捨てた。
「男を見せろよオズワルド、今のアンタすげーカッコ悪いぜ」
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