89 / 156
8-淫靡テーション
89.少女、邪推する。
しおりを挟む
任務を終えて教会の前までやってきたウルフィは、ちょうど扉から出てきた師弟と鉢合わせた。ヨロヨロと出てきた二人は正面ポーチにドサリと崩れ落ち、脱力したように頭を垂れる。彼らに駆け寄ったオオカミは不思議そうに首を傾げた。
「ごしゅじーん! 言われた仕事やってきたよ! って、二人ともなんでそんな疲れてるの?」
「何なのよあの大きさ……」
「今までで一番手強かったな……」
開きっぱなしの扉から教会の中を覗いてみると、ドでかい水晶と思しきご神体が真ん中からポッキリ折れて色を失っている。どうやら破壊するのに相当手間取ったようだ。
「僕の方もちゃーんとやってきたよ」
そういってウルフィが見せてくれたのは、お香のようなものが入った袋だった。ニチカが鼻を近づけるとスーッと爽やかな香りがする。どこかで嗅いだ覚えがあるような気がするが……?
「これ何――あ、待って、当ててみる。もしかして桜花国で使った爆弾じゃない?」
少女の推察にオズワルドは少しだけ驚いたような顔をした。袋を受け取りながら珍しく褒めてくれる。
「よく分かったな。あの『萎え爆弾』の中身だけなんだが、焚くことで広範囲に薄く効果を出せるんだ。これで魔水晶の影響も抜けただろうし、この街も普通に戻るだろう」
良かったとニチカは胸をなで下ろす。そろそろ子供たちも起きてきたようで、街は賑わい始めていた。
「あーっ、お客さま居たのです!!」
突然、舌っ足らずな声が朝の通りに響き、そちらに振り返る。宿屋の小さな支配人が転びそうな勢いで駆けて来るところだった。その後ろから苦笑を浮かべる両親がついてくる。幼女はウルフィに抱き着きながら大真面目な顔をして言った。
「朝ごはんが冷めてしまうのです! それは、けやき亭の『ぽいしー』に反するのです!」
「あなた達、昨夜からうちに泊まって下さってる旅人さんでしょう?」
追いついた母親がすまなそうに問いかける。長い栗色の髪をヘアバンドで抑えた綺麗な人だ。
「悪かったなァ、ここ数日は臨時休業にしてたんだが、こいつが勝手に開けちまってたみたいで」
続けて縮れた黒髪の旦那が、娘の頭に手をやりわしゃわしゃと乱す。あからさまな子ども扱いをされ、小さな支配人は憤慨したように両手をあげた。
「あたしにだって出来るのです! 他の子たちが店番をしてるのにうちだけ開けないわけにもいかないのです!」
「それにしたって、お前はまだ五つじゃないか……」
「ごめんなさいね、宿代は返金させて貰いますから」
申しわけなさそうに言う奥さんに対して、ニチカは慌てて手を振った。
「いえ、いいんです。しっかり休ませて頂きましたし、可愛い支配人さんにおもてなししてもらいましたから」
その言葉に支配人は満面の笑みを浮かべて得意げな様子だった。
「朝ごはん、用意してありますのでどうぞ」
奥さんに導かれ宿へと歩き出したのだが、後ろで娘に話しかける父親の言葉にニチカはひくりと顔が引きつるのを感じた。
「なぁお前、もし……もしだぞ、家族が増えるとしたら弟と妹どっちがいい?」
***
「なんだかなぁ」
ユナスの街から旅立った途端、ニチカはため息をついていた。少し前を歩いていた師匠が不思議そうに振り返る。何がだ?との無言の問いかけに少女は低く答えた。
「あんなに爽やかに見える夫婦でも、やることやってるんだなって思ったらちょっと……」
一瞬きょとんとしたオズワルドは、声を立てて笑いだした。足元に居たウルフィがびっくりしたような顔でそれを見上げる。
「わ、めずらしい。ご主人が笑ってる」
「そりゃお前、子供が居る時点で……だろ」
「いや、そうなんだけど、何か生々しいというか」
ニチカは子供ゆえの潔癖さと言うのだろうか。あんな騒動があった後ではカップルを見るたびに邪推してしまうのだった。
「そ、それと、できれば昨日の事は早めに忘れて欲しいなー、と」
顔を赤くしながらぼそぼそと言う弟子に、オズワルドは悶絶するまで言葉攻めしてやろうかと考えた。が、口を開きかけたところで気が変わる。本気でわからない、というような顔をしてとぼけて見せた。
「……何の話だ?」
「へっ?」
「熱がひどくて、お前を抱えて二階に上がった辺りから記憶がないんだが、何かあったのか?」
「……」
これだ。これが見たかったのだ。少女は目まぐるしく顔色を……それはもう器用に赤くしたり青くしたりしてみせた。仕舞いには頭を抱えて振りたくったり、頭髪を掻き毟って叫びをこらえる様子など、実に見物だった。
「ど、どうしたのニチカ?」
あまりの奇行にウルフィが恐る恐る尋ねる。すると、真っ赤な顔で涙を浮かべながら半笑いという、壮絶な顔でニチカが振り返った。
「なんっっっでもないの!! ホントなんでもないから!!」
オズワルドは内心爆笑しつつポーカーフェイスを崩さない。あの時は自分もどうかしてたし、忘れたふりをした方がお互いの為だろう。
「ああああああもうっ!! ここにも精霊は居なかったわね!! 土と水の精霊様はどこにいるのかなってもんよチクショー!」
話題を変えるためかニチカは叫ぶように言う。多少キャラが変わっているのは気のせいか。
「魔水晶を撃破できたし、上出来だろう。こいつも手に入れられたしな」
オズワルドはそう言ってディザイアを取り出す。残念なことに、正気に戻った街の人たちからはこれの情報を大して得られなかった。今夜腰を落ち着けられる場所を見つけたら分解して調べてみよう。
道は少しずつ森に近づき、右手の茂みに沿って歩くようなルートに入った。このまま道なりにいけばユナスと同程度の街があったはずだ。ウルフィが辺りの様子に鼻を鳴らしながら嬉しそうに聞いてくる。
「この森、なーんとなく懐かしい気がするなぁ。お家がある森に雰囲気が似てない? ご主人」
尋ねられ、オズワルドはちらりと視線を向けるがどこにでもありそうな森だ。緑の紗の隙間から木漏れ日が落ち、ゆるやかに吹く風に合わせて微妙に揺れ動いている。
「さぁ? 忘れたな」
その時、彼は手にしていた銃の側面に何かの魔法陣が掘られていることに気づいた。安定の六芒星とは反する逆五芒星だ。思わず立ち止まりそこに込められた意味を読もうとした――その時だった
「!?」
ふいに脇の茂みから白い何かが飛び出してくる。とっさに身を引いたから良かったものの、腕を喰いちぎられる寸前だった。ザッと前に立ちはだかる獣に顔をしかめる。実に見事な被毛の白いオオカミだった。かすめた時にひっかけたのか、ディザイアが牙に引っかかっている。少し先を行っていたニチカが慌てたように引き返してきた。
「大丈夫!?」
「平気だ、それより取り返すぞ」
慌てて杖を構えた少女だったが、様子がおかしいことに気づく。緑の目をまん丸に開いたそのオオカミが、くわえていた銃をぽとりと落としたのだ。その視線を辿るとウルフィがまったく同じような顔をしていた。白いオオカミの口から流暢な言葉が流れ出す。
「そんな、まさか……ロロトか!?」
「フルル?」
フルルと呼ばれた白オオカミは、ハッとしたかのように落ちていたディザイアをくわえなおした。そのまま見事な軌道を描き森の中へと逃げ去ってしまう。
「あっ! 待って、それ返してーっ!!」
ニチカは慌てて後を追おうとするがさすがに追いつけない。オズワルドが拘束しろと指示を出そうとしたその時、耐えかねたウルフィが行く手をふさいだ。
「待ってーっ!! 彼女を攻撃しちゃダメなんだーっ!!」
「ごしゅじーん! 言われた仕事やってきたよ! って、二人ともなんでそんな疲れてるの?」
「何なのよあの大きさ……」
「今までで一番手強かったな……」
開きっぱなしの扉から教会の中を覗いてみると、ドでかい水晶と思しきご神体が真ん中からポッキリ折れて色を失っている。どうやら破壊するのに相当手間取ったようだ。
「僕の方もちゃーんとやってきたよ」
そういってウルフィが見せてくれたのは、お香のようなものが入った袋だった。ニチカが鼻を近づけるとスーッと爽やかな香りがする。どこかで嗅いだ覚えがあるような気がするが……?
「これ何――あ、待って、当ててみる。もしかして桜花国で使った爆弾じゃない?」
少女の推察にオズワルドは少しだけ驚いたような顔をした。袋を受け取りながら珍しく褒めてくれる。
「よく分かったな。あの『萎え爆弾』の中身だけなんだが、焚くことで広範囲に薄く効果を出せるんだ。これで魔水晶の影響も抜けただろうし、この街も普通に戻るだろう」
良かったとニチカは胸をなで下ろす。そろそろ子供たちも起きてきたようで、街は賑わい始めていた。
「あーっ、お客さま居たのです!!」
突然、舌っ足らずな声が朝の通りに響き、そちらに振り返る。宿屋の小さな支配人が転びそうな勢いで駆けて来るところだった。その後ろから苦笑を浮かべる両親がついてくる。幼女はウルフィに抱き着きながら大真面目な顔をして言った。
「朝ごはんが冷めてしまうのです! それは、けやき亭の『ぽいしー』に反するのです!」
「あなた達、昨夜からうちに泊まって下さってる旅人さんでしょう?」
追いついた母親がすまなそうに問いかける。長い栗色の髪をヘアバンドで抑えた綺麗な人だ。
「悪かったなァ、ここ数日は臨時休業にしてたんだが、こいつが勝手に開けちまってたみたいで」
続けて縮れた黒髪の旦那が、娘の頭に手をやりわしゃわしゃと乱す。あからさまな子ども扱いをされ、小さな支配人は憤慨したように両手をあげた。
「あたしにだって出来るのです! 他の子たちが店番をしてるのにうちだけ開けないわけにもいかないのです!」
「それにしたって、お前はまだ五つじゃないか……」
「ごめんなさいね、宿代は返金させて貰いますから」
申しわけなさそうに言う奥さんに対して、ニチカは慌てて手を振った。
「いえ、いいんです。しっかり休ませて頂きましたし、可愛い支配人さんにおもてなししてもらいましたから」
その言葉に支配人は満面の笑みを浮かべて得意げな様子だった。
「朝ごはん、用意してありますのでどうぞ」
奥さんに導かれ宿へと歩き出したのだが、後ろで娘に話しかける父親の言葉にニチカはひくりと顔が引きつるのを感じた。
「なぁお前、もし……もしだぞ、家族が増えるとしたら弟と妹どっちがいい?」
***
「なんだかなぁ」
ユナスの街から旅立った途端、ニチカはため息をついていた。少し前を歩いていた師匠が不思議そうに振り返る。何がだ?との無言の問いかけに少女は低く答えた。
「あんなに爽やかに見える夫婦でも、やることやってるんだなって思ったらちょっと……」
一瞬きょとんとしたオズワルドは、声を立てて笑いだした。足元に居たウルフィがびっくりしたような顔でそれを見上げる。
「わ、めずらしい。ご主人が笑ってる」
「そりゃお前、子供が居る時点で……だろ」
「いや、そうなんだけど、何か生々しいというか」
ニチカは子供ゆえの潔癖さと言うのだろうか。あんな騒動があった後ではカップルを見るたびに邪推してしまうのだった。
「そ、それと、できれば昨日の事は早めに忘れて欲しいなー、と」
顔を赤くしながらぼそぼそと言う弟子に、オズワルドは悶絶するまで言葉攻めしてやろうかと考えた。が、口を開きかけたところで気が変わる。本気でわからない、というような顔をしてとぼけて見せた。
「……何の話だ?」
「へっ?」
「熱がひどくて、お前を抱えて二階に上がった辺りから記憶がないんだが、何かあったのか?」
「……」
これだ。これが見たかったのだ。少女は目まぐるしく顔色を……それはもう器用に赤くしたり青くしたりしてみせた。仕舞いには頭を抱えて振りたくったり、頭髪を掻き毟って叫びをこらえる様子など、実に見物だった。
「ど、どうしたのニチカ?」
あまりの奇行にウルフィが恐る恐る尋ねる。すると、真っ赤な顔で涙を浮かべながら半笑いという、壮絶な顔でニチカが振り返った。
「なんっっっでもないの!! ホントなんでもないから!!」
オズワルドは内心爆笑しつつポーカーフェイスを崩さない。あの時は自分もどうかしてたし、忘れたふりをした方がお互いの為だろう。
「ああああああもうっ!! ここにも精霊は居なかったわね!! 土と水の精霊様はどこにいるのかなってもんよチクショー!」
話題を変えるためかニチカは叫ぶように言う。多少キャラが変わっているのは気のせいか。
「魔水晶を撃破できたし、上出来だろう。こいつも手に入れられたしな」
オズワルドはそう言ってディザイアを取り出す。残念なことに、正気に戻った街の人たちからはこれの情報を大して得られなかった。今夜腰を落ち着けられる場所を見つけたら分解して調べてみよう。
道は少しずつ森に近づき、右手の茂みに沿って歩くようなルートに入った。このまま道なりにいけばユナスと同程度の街があったはずだ。ウルフィが辺りの様子に鼻を鳴らしながら嬉しそうに聞いてくる。
「この森、なーんとなく懐かしい気がするなぁ。お家がある森に雰囲気が似てない? ご主人」
尋ねられ、オズワルドはちらりと視線を向けるがどこにでもありそうな森だ。緑の紗の隙間から木漏れ日が落ち、ゆるやかに吹く風に合わせて微妙に揺れ動いている。
「さぁ? 忘れたな」
その時、彼は手にしていた銃の側面に何かの魔法陣が掘られていることに気づいた。安定の六芒星とは反する逆五芒星だ。思わず立ち止まりそこに込められた意味を読もうとした――その時だった
「!?」
ふいに脇の茂みから白い何かが飛び出してくる。とっさに身を引いたから良かったものの、腕を喰いちぎられる寸前だった。ザッと前に立ちはだかる獣に顔をしかめる。実に見事な被毛の白いオオカミだった。かすめた時にひっかけたのか、ディザイアが牙に引っかかっている。少し先を行っていたニチカが慌てたように引き返してきた。
「大丈夫!?」
「平気だ、それより取り返すぞ」
慌てて杖を構えた少女だったが、様子がおかしいことに気づく。緑の目をまん丸に開いたそのオオカミが、くわえていた銃をぽとりと落としたのだ。その視線を辿るとウルフィがまったく同じような顔をしていた。白いオオカミの口から流暢な言葉が流れ出す。
「そんな、まさか……ロロトか!?」
「フルル?」
フルルと呼ばれた白オオカミは、ハッとしたかのように落ちていたディザイアをくわえなおした。そのまま見事な軌道を描き森の中へと逃げ去ってしまう。
「あっ! 待って、それ返してーっ!!」
ニチカは慌てて後を追おうとするがさすがに追いつけない。オズワルドが拘束しろと指示を出そうとしたその時、耐えかねたウルフィが行く手をふさいだ。
「待ってーっ!! 彼女を攻撃しちゃダメなんだーっ!!」
0
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり(苦手な方はご注意下さい)。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる