27 / 156
3-炎の精霊
27.少女、助ける。
しおりを挟む
「オズワルド!? ――っ!」
そう遠くない場所からの声に反応するも、うっかり熱気を吸い込んでしまい盛大にむせる。その音で自分の位置が向こうに伝わったようだ。
「そこか。いいか、一回だけ雨を降らせる。長くは降らない、火の勢いが弱まったところを出て来い」
「ちょっと待って! ケホッ その雨、一箇所に集中できない?」
「なにっ?」
もう説明もできないほど息が苦しい。ニチカは搾り出すように叫んだ。
「そこからぁっ、四分の一左に回りこんだところぉーっ!」
「……。いくぞっ」
燃え盛る空の一部に黒い雨雲がどこからともなく集まりだす。しめった独特の匂いがふわりと鼻を掠め、バケツでもひっくり返したかのような水が降り注ぐ。ちょうど真下に居た竜の尻尾の炎が弱まった。
(今だ!)
最後の力を振り絞ってニチカは駆け出した。雨に打たれながら謎の矢めがけて飛びつくように尻尾を掴まえる。
(もうちょっとだから、我慢して!)
祈りながら矢に手をかける。振り落とされそうになるのを何とか耐えながら、握った手に力を込めた。ズシャッと言う手ごたえと共に竜が咆哮する。
「ギャアアアア!!」
ついに抜けた矢と共に吹き飛ばされる。湿った草の上に投げ出された少女の元に男が駆け寄ってきた。
「ニチカ!」
「竜は!?」
グググと身体を起こした少女はいまだくすぶる炎の中を振り返った。燃え盛る竜はしばらく痛みに悶えていたが、やがてズズンッと重たい音をたてて地に沈んだ。
「死っ……!?」
「精霊がそう簡単に死ぬかっ、それよりあっちだ」
操っていた精霊が気を失ったからなのか辺りの火が少しずつ収まっていく。二人は倒れたままの由良姫へと駆け寄った。
「しっかりしてください! 目をあけてっ」
「ひどいな……」
ぐったりする彼女を支えていたニチカは、とつぜん響いた重苦しい声に跳び上がった。
「桜花の由良ではないか。いったい誰がそのようなことを?」
驚いて振り返ると、メラメラと燃える竜が横たわったままじっとこちらを見ていた。その悪びれもしない様子にカッと頭に血が昇る。
「誰がじゃないでしょ!」
「む?」
「あなたがやったんじゃないっ!」
そう叫んでも竜はきょとんとしていた。いや、竜の表情は読み取りづらいので雰囲気からなのだが。本気でわけが分からないと言った風に彼はこう返してきた。
「我が、なんだと?」
「さっきまで散々暴れて、私たちを焼き殺そうと……覚えてないの?」
問いには答えず、炎の竜はじっと由良姫を見つめた。ややあってショックを受けたような声で申し出る。
「確かにそれは我の炎による物のようだ。少し離れてくれるか」
「わわっ」
オズワルドに引っ張られ少し退がる。襟はやめてほしい、猫じゃないんだから。
コォォォと、微かに吸引するような音が響き、竜がその場で口をパカッと開け何かを吸い込み始めた。途端に由良姫の身体から赤いモヤのようなものが飛び出し竜へと飛んで行く。ごくんっ、とそれを飲み込んだ精霊は低く穏やかな声で説明した。
「ひとまず熱と火傷を吸い取った。痛みはだいぶ軽くなったはずだ」
「由良さまっ」
駆け寄ると、確かに先ほどまで苦痛で歪んでいた表情がだいぶ和らいでいた。ゆるやかな呼吸をしながら深く眠っているようだ。
「あ、ありがとう? じゃなくて、えーと、どうして……」
治療するくらいならなぜ攻撃してきたのか。そんな少女の疑問が伝わったのか、竜はふーっとため息をついてから話し出した。
「信じてもらえぬとは思うが、お主らを襲った覚えがまるでない」
「ええっ」
「寝ていたはずなのに、気づけば今の状況というわけだ。我は何をした? 教えてくれぬか」
にわかには信じられなかったが、落ち着いて語る炎の精霊の目は静かなもので、さきほどの猛り狂うような激しさはどこにも無かった。
それからニチカはとりあえず今あったことを話したのだが、それでも警戒を解かずに距離を置いていた。疑わし気なジト目で確認するように何度も尋ねる。
「ほんとにホント? いきなりバクッとかない?」
「しないしない」
そんなやりとりの横で、折れた矢を調べていたオズワルドが冷静にこう告げた。
「何者かに操られたな、炎の精霊。コイツにはマナの流れを撹乱する術が組み込まれているようだ」
「なんだと!」
「えっと、どういうこと?」
説明を求める弟子に対して、師匠はかわいそうな物でも見るかのような目を向けてきた。それはもう、ひどい憐れみの視線で。
「察しの悪いやつだな、俺の弟子ならもっと考えた上で発言したらどうなんだ」
「なっ、なによぉ、あなたがちっとも魔女らしいこと教えてくれないからでしょ!」
しどろもどろになりながら反撃する。すると師匠は懐からガラス玉を取り出した。中で青い煙が渦巻いているそれは微かな明暗を繰り返していた。
「たとえば、これはさっき雨を降らせる時に使った魔女道具だ。割ると中から煙が立ちのぼり、上空にいる水のマナに集まるよう命令を出す」
「へぇ、だからこんなに晴れてるのに急に雨雲が出来たんだ。魔法使いみたい」
感心して言ったのに、オズワルドはとたんに機嫌が悪くなってしまった。
「だアホ。俺は魔女だって言ってんだろ。魔導師は直接マナに命令を出す能力を持ったヤツらのこと」
「んん? でもやってることは同じなんだよね?」
ニチカなりにまとめて首をひねる。
「この世界では『マナ』っていうのに号令をかけて魔法を使う。違うのは魔法使いはそれを直接やっていて、魔女は道具にその機能を持たせている。合ってる?」
なぜか渋い顔をしていた師匠だったが否定はしなかった。ガラス玉をしまい、代わりに未だ不吉な紫のオーラを出し続けている矢を胸の前に掲げる。
「……話を戻すぞ。本来はマナに決まった命令を出す魔女道具だが、精霊親分に刺さってたこっちはその命令自体が支離滅裂だった。本来ならただのゴミ道具だ」
「それって何か問題あるの?」
命令文がぐちゃぐちゃなら、そもそも機能しなさそうな物だが。そう考えて出した発言に返ってきたのは強烈なデコピンだった。
「あたっ」
「落第。いいか? こちらにおわす精霊サマってのはマナの元締め、ドでかいマナの塊みたいなもんなんだよ。そこに滅茶苦茶な命令文をブッ込んでみろ」
「あっ!」
黙って話を聞いていた炎竜はフーッとため息をつき、ゆらりと尻尾を動かした。
「我はその命令文に耐えきれず暴走していたのか」
「そういうことだ」
ここでギラリと目を光らせたオズワルドは喜々として矢をいじくり出した。悪い方面での好奇心が顔を覗かせる。
「しかし、実態のないはずの精霊に刺せる矢ってのはどうなってんだ。この技術を応用すりゃ国を落とせるようなシロモノが――」
「……没収」
「あっ、あーっ!!?」
パッと矢を取り上げたニチカは、地面に落としてグシャッと踏みつける。すぐに禍々しい紫のオーラが消え去り単なるゴミとなってしまった。
「てめェ! 何しやがるっ」
「そんな危険技術広めてどうするのよっ、案外これ作ったのもあなたなんじゃない?」
激昂したオズワルドが噛みつくように食って掛かって来るが負けていられない。睨むニチカの鼻先に指を突き付けながら彼は厭味ったらしく口を開いた。
「あぁーあ、お前今すさまじくもったいないことしたぞ。なんて弟子だ」
「いい加減ひとの恨みを買うような発明はやめなさいっての、いつかしっぺ返しくらうわよっ」
「ハッ、今さらだな! 綺麗事だけで食ってけるかよ、三文ヒロイン」
「なによっ、かませ犬っ」
ガルルルといがみ合いを続ける二人だったが、足元のうめき声にハッと我に返った。しゃがんだ少女が心配そうに呼びかける。
「由良さま! 気分はどうですか?」
そう遠くない場所からの声に反応するも、うっかり熱気を吸い込んでしまい盛大にむせる。その音で自分の位置が向こうに伝わったようだ。
「そこか。いいか、一回だけ雨を降らせる。長くは降らない、火の勢いが弱まったところを出て来い」
「ちょっと待って! ケホッ その雨、一箇所に集中できない?」
「なにっ?」
もう説明もできないほど息が苦しい。ニチカは搾り出すように叫んだ。
「そこからぁっ、四分の一左に回りこんだところぉーっ!」
「……。いくぞっ」
燃え盛る空の一部に黒い雨雲がどこからともなく集まりだす。しめった独特の匂いがふわりと鼻を掠め、バケツでもひっくり返したかのような水が降り注ぐ。ちょうど真下に居た竜の尻尾の炎が弱まった。
(今だ!)
最後の力を振り絞ってニチカは駆け出した。雨に打たれながら謎の矢めがけて飛びつくように尻尾を掴まえる。
(もうちょっとだから、我慢して!)
祈りながら矢に手をかける。振り落とされそうになるのを何とか耐えながら、握った手に力を込めた。ズシャッと言う手ごたえと共に竜が咆哮する。
「ギャアアアア!!」
ついに抜けた矢と共に吹き飛ばされる。湿った草の上に投げ出された少女の元に男が駆け寄ってきた。
「ニチカ!」
「竜は!?」
グググと身体を起こした少女はいまだくすぶる炎の中を振り返った。燃え盛る竜はしばらく痛みに悶えていたが、やがてズズンッと重たい音をたてて地に沈んだ。
「死っ……!?」
「精霊がそう簡単に死ぬかっ、それよりあっちだ」
操っていた精霊が気を失ったからなのか辺りの火が少しずつ収まっていく。二人は倒れたままの由良姫へと駆け寄った。
「しっかりしてください! 目をあけてっ」
「ひどいな……」
ぐったりする彼女を支えていたニチカは、とつぜん響いた重苦しい声に跳び上がった。
「桜花の由良ではないか。いったい誰がそのようなことを?」
驚いて振り返ると、メラメラと燃える竜が横たわったままじっとこちらを見ていた。その悪びれもしない様子にカッと頭に血が昇る。
「誰がじゃないでしょ!」
「む?」
「あなたがやったんじゃないっ!」
そう叫んでも竜はきょとんとしていた。いや、竜の表情は読み取りづらいので雰囲気からなのだが。本気でわけが分からないと言った風に彼はこう返してきた。
「我が、なんだと?」
「さっきまで散々暴れて、私たちを焼き殺そうと……覚えてないの?」
問いには答えず、炎の竜はじっと由良姫を見つめた。ややあってショックを受けたような声で申し出る。
「確かにそれは我の炎による物のようだ。少し離れてくれるか」
「わわっ」
オズワルドに引っ張られ少し退がる。襟はやめてほしい、猫じゃないんだから。
コォォォと、微かに吸引するような音が響き、竜がその場で口をパカッと開け何かを吸い込み始めた。途端に由良姫の身体から赤いモヤのようなものが飛び出し竜へと飛んで行く。ごくんっ、とそれを飲み込んだ精霊は低く穏やかな声で説明した。
「ひとまず熱と火傷を吸い取った。痛みはだいぶ軽くなったはずだ」
「由良さまっ」
駆け寄ると、確かに先ほどまで苦痛で歪んでいた表情がだいぶ和らいでいた。ゆるやかな呼吸をしながら深く眠っているようだ。
「あ、ありがとう? じゃなくて、えーと、どうして……」
治療するくらいならなぜ攻撃してきたのか。そんな少女の疑問が伝わったのか、竜はふーっとため息をついてから話し出した。
「信じてもらえぬとは思うが、お主らを襲った覚えがまるでない」
「ええっ」
「寝ていたはずなのに、気づけば今の状況というわけだ。我は何をした? 教えてくれぬか」
にわかには信じられなかったが、落ち着いて語る炎の精霊の目は静かなもので、さきほどの猛り狂うような激しさはどこにも無かった。
それからニチカはとりあえず今あったことを話したのだが、それでも警戒を解かずに距離を置いていた。疑わし気なジト目で確認するように何度も尋ねる。
「ほんとにホント? いきなりバクッとかない?」
「しないしない」
そんなやりとりの横で、折れた矢を調べていたオズワルドが冷静にこう告げた。
「何者かに操られたな、炎の精霊。コイツにはマナの流れを撹乱する術が組み込まれているようだ」
「なんだと!」
「えっと、どういうこと?」
説明を求める弟子に対して、師匠はかわいそうな物でも見るかのような目を向けてきた。それはもう、ひどい憐れみの視線で。
「察しの悪いやつだな、俺の弟子ならもっと考えた上で発言したらどうなんだ」
「なっ、なによぉ、あなたがちっとも魔女らしいこと教えてくれないからでしょ!」
しどろもどろになりながら反撃する。すると師匠は懐からガラス玉を取り出した。中で青い煙が渦巻いているそれは微かな明暗を繰り返していた。
「たとえば、これはさっき雨を降らせる時に使った魔女道具だ。割ると中から煙が立ちのぼり、上空にいる水のマナに集まるよう命令を出す」
「へぇ、だからこんなに晴れてるのに急に雨雲が出来たんだ。魔法使いみたい」
感心して言ったのに、オズワルドはとたんに機嫌が悪くなってしまった。
「だアホ。俺は魔女だって言ってんだろ。魔導師は直接マナに命令を出す能力を持ったヤツらのこと」
「んん? でもやってることは同じなんだよね?」
ニチカなりにまとめて首をひねる。
「この世界では『マナ』っていうのに号令をかけて魔法を使う。違うのは魔法使いはそれを直接やっていて、魔女は道具にその機能を持たせている。合ってる?」
なぜか渋い顔をしていた師匠だったが否定はしなかった。ガラス玉をしまい、代わりに未だ不吉な紫のオーラを出し続けている矢を胸の前に掲げる。
「……話を戻すぞ。本来はマナに決まった命令を出す魔女道具だが、精霊親分に刺さってたこっちはその命令自体が支離滅裂だった。本来ならただのゴミ道具だ」
「それって何か問題あるの?」
命令文がぐちゃぐちゃなら、そもそも機能しなさそうな物だが。そう考えて出した発言に返ってきたのは強烈なデコピンだった。
「あたっ」
「落第。いいか? こちらにおわす精霊サマってのはマナの元締め、ドでかいマナの塊みたいなもんなんだよ。そこに滅茶苦茶な命令文をブッ込んでみろ」
「あっ!」
黙って話を聞いていた炎竜はフーッとため息をつき、ゆらりと尻尾を動かした。
「我はその命令文に耐えきれず暴走していたのか」
「そういうことだ」
ここでギラリと目を光らせたオズワルドは喜々として矢をいじくり出した。悪い方面での好奇心が顔を覗かせる。
「しかし、実態のないはずの精霊に刺せる矢ってのはどうなってんだ。この技術を応用すりゃ国を落とせるようなシロモノが――」
「……没収」
「あっ、あーっ!!?」
パッと矢を取り上げたニチカは、地面に落としてグシャッと踏みつける。すぐに禍々しい紫のオーラが消え去り単なるゴミとなってしまった。
「てめェ! 何しやがるっ」
「そんな危険技術広めてどうするのよっ、案外これ作ったのもあなたなんじゃない?」
激昂したオズワルドが噛みつくように食って掛かって来るが負けていられない。睨むニチカの鼻先に指を突き付けながら彼は厭味ったらしく口を開いた。
「あぁーあ、お前今すさまじくもったいないことしたぞ。なんて弟子だ」
「いい加減ひとの恨みを買うような発明はやめなさいっての、いつかしっぺ返しくらうわよっ」
「ハッ、今さらだな! 綺麗事だけで食ってけるかよ、三文ヒロイン」
「なによっ、かませ犬っ」
ガルルルといがみ合いを続ける二人だったが、足元のうめき声にハッと我に返った。しゃがんだ少女が心配そうに呼びかける。
「由良さま! 気分はどうですか?」
0
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる