128 / 272
第九章 束の間の休息(海賊の末裔の地キエラにおいて)
2-3
しおりを挟む
塔を出て、寝泊りしている四階建ての本館を見てまわる。こちらに来ると、時々人に行き合った。彼らは通路の脇に退いて頭を下げたが、その前に、ソランはなるべく目を合わせ、微笑みかけた。領地でそうであるように、早く、誰とでも気軽に声を掛け合えるようになれたらいいと思ったのだ。
本館は左右に階段があり、一階と地階が家事関係、二、三階が政務、四階が領主のための部屋だった。執務室に顔を出してみたが、残念ながら殿下はいなかった。
外に出て、左手にある鍛冶工房を邪魔しない程度に覗き、その隣の武器庫を一通り見てまわって、続いて細長い兵舎へ行った。
連れてきた三百人はここで寝泊りしている。キエラ全体では二千人の騎士を抱えているが、ここにいるのは二百人程度。それ以外は領地内の各地に派遣し、町長や村長の相談役、または監視役として保安任務を受け持っている。
また、彼らは領民に歩兵としての教育を施すのも仕事だ。王都の精鋭ほどではないが、いざまさかの時には、数万の動員をできるようにしてあるという。さすが大領であった。ソランのところとは規模が違う。
そういったことを可能にしているのが、真珠の養殖であり、商船の中継地としての地の利だ。
王国内には各地を縦横無尽に繋ぐ街道が整備されているが、それとは別に、川を利用した運搬方法も発達している。
川から海へと出た方が早いこともある。海に出た船は、海岸沿いに大陸の周りを行き来する。ここはその主要な寄港地の一つなのだ。
沖には良い漁場もあり、陸地の平野部は肥沃。キエラに来る道中、こうも恵まれた地もあるのかと、ソランは目を瞠らずにはいられなかった。
土地の持つ力が大きく違う。やはり、まともな方法では、ジェナシス領を富ませるのは無理なのだと思わざるを得なかった。あの地から上がる収益は、食べていくのにもやっとなのだ。
それ以外のもの、例えば希少で価値のあるもの、どんな大金を積んでも欲しくなるもので商売をするしかない。今は、それを特殊な傭兵稼業で賄っている。
王国中に散らばったジェナシスの民は、王権を支える柱の一つとなってしまっている。これから国内は混迷を深めていくだろう。どうしても彼らの力が要る。欠くことはできない。
けれど、いつか平和な時代が来た時に、彼らが平穏に暮らしていける道筋を、ソランはつけておきたかった。そのために、殿下がこの地をどのように治めているのか、ぜひ勉強したいと思っていた。
大きな広場を挟んで兵舎の反対側には、厩舎があった。少し空けて穀物倉庫がいくつも立ち並び、本館近くに従業員の住まいがある。家族も住むそこの玄関先には、小さな子供たちが集って遊んでいた。
城は高い城壁に囲まれており、門は深い堀を跳ね橋で渡してある。昔は海賊や他領に攻め込まれた時には、城のすぐ西の港町から町民が逃げ込んできたのだという。広場だけでソランの領主館がいくつも入ってしまうほどの広さだった。
その真ん中に、屋根がさしかけられた場所があった。
「あそこが井戸ですね?」
「はい。あそこから水が出たから、ここに城が建てられたそうです。この城で一番の難工事だったと言い伝えられております」
城の条件として、水の確保がある。水がなければ、籠城ができないからだ。
井戸は、岩盤を細長い長方形に刳り貫き、四つの滑車が付いていた。厩舎に近い滑車の脇には、馬に水を飲ませるための桶も置いてあり、反対側の端は、洗濯のための小さな小屋が建てられていた。そのどれにも排水口が設けられており、溝を通って外部に流れるようになっている。
ソランは井戸を覗き込んだ。なるほど、よほど深いのだろう、真っ暗で底が見えない。管理用の足場として、金具が壁面に打ち付けてあった。
ソランはどうしても降りてみたくなって、その欲求と戦うために、井戸の端に取りついたまま、じっとその金具を眺めた。
第一にこの格好では無理であるし、第二に命綱も必要だろう。第三には、たぶん灯りもいると思われる。そして第四として、殿下の婚約者としてあまりに不審な行動すぎる。どこのうら若き乙女が、井戸に潜り込みたいなどと言うだろう。どう考えても物笑いの種にしかならないのは、当のソランでさえわかった。
でも、不思議と殿下は駄目とは言わないだろうという確信もあった。ろくなことをしないと言いつつ、面白がって自分も一緒に行くと言いだす気がする。
そこまで考えて、そんな危ないことはさせられないと諦めがついた。
井戸端を離れて顔を上げると、穀物倉庫から出てくる殿下を見つけた。あちらも気付いたらしく、足早にやってくる。ソランはひっきりなしに行き交う人々を意識して、優雅に殿下に頭を下げてみせた。
殿下はまずソランを抱き寄せ、額に口付けを落とした。それから腰に当てた手は離さずに体だけ数歩下がり、嬉しげにソランの様子を観察する。
「着けたのか。よく似合っている」
「こんなに綺麗なものをありがとうございます」
首飾りにそっと触れて礼を言った。
「気に入ったか?」
「はい。もったいないくらいです」
「もったいないものか。おまえの美しさには、真珠もかすむ」
歯の浮きそうな褒め言葉を貰う。ソランはまたからかわれているのかと、殿下の表情にその片鱗を探したが、どうしたことか見つからなかった。それどころか優しく笑んで、今度は頬に口付けてくる。
態度のすべてが愛しいと語っている。触れ合った場所から、まなざしから、想いが流れ込んでくるようだった。ソランは頬を染めて殿下を見つめた。
それはまるで物語の中の美しい一場面だった。近しい人々は微笑んで見守るか、あるいは、やっていられないと目をそらすかだったが、それ以外の者たちは、領主と婚約者の姿に目を奪われた。伝説の海賊と姫君に匹敵する麗しさだった。
急に殿下が屈み、ソランを縦抱きにして持ち上げる。ソランは驚いて彼の肩に手をついた。殿下はそのままぐるりとまわり、集まった人々に嬉々とした声を張り上げた。
「皆に紹介しよう。彼女はソラン・ファレノ・エレ・ジェナシス。我が妃となる女性だ!」
どよめきと拍手が湧き起こる。それにソランは真っ赤になりつつも、笑顔で手を振ってみせた。さらに拍手が大きくなり、口笛まで吹き鳴らされる。
ソランは下を向いて、殿下の肩を叩いた。
「下ろしてください!」
ソランのうろたえぶりに、声をあげて笑う。下ろしてくれる気配はない。そのまま本館へ向かって歩きはじめた。
人々の笑い声と囃す声と拍手と口笛と。様々なものに見送られる。
「殿下! お願いです!」
「暴れるな。落とすぞ」
「本望です!」
「これが駄目なら、横抱きにしていく」
どこまでも本気な目に、ソランは一瞬黙った。それでも必死に言い返す。
「横暴です!」
「そうか? それならそれは、おまえが私にそうさせているのだ」
ソランは意味がわからず、口を噤んだ。
「いつだったか、言っていただろう。おまえが一生私に仕えるのは、私がさせているのだと。同じだ。おまえが私をこうするように仕向けるのだ」
「そんな屁理屈を」
「真実だから仕方なかろう。それとも、おまえは違うのか?」
――違わない。殿下が相手だから、こうなってしまうのだ。
すっかり言い負かされて、助けを求めてまわりを見まわす。けれど誰もがそっと視線をそらす。孤立無援、どうにもならなかった。
ソランは片手を殿下の肩に置いて不安定な体を支え、もう片手で目元を覆って、恥ずかしさを堪えるしかなかったのだった。
本館は左右に階段があり、一階と地階が家事関係、二、三階が政務、四階が領主のための部屋だった。執務室に顔を出してみたが、残念ながら殿下はいなかった。
外に出て、左手にある鍛冶工房を邪魔しない程度に覗き、その隣の武器庫を一通り見てまわって、続いて細長い兵舎へ行った。
連れてきた三百人はここで寝泊りしている。キエラ全体では二千人の騎士を抱えているが、ここにいるのは二百人程度。それ以外は領地内の各地に派遣し、町長や村長の相談役、または監視役として保安任務を受け持っている。
また、彼らは領民に歩兵としての教育を施すのも仕事だ。王都の精鋭ほどではないが、いざまさかの時には、数万の動員をできるようにしてあるという。さすが大領であった。ソランのところとは規模が違う。
そういったことを可能にしているのが、真珠の養殖であり、商船の中継地としての地の利だ。
王国内には各地を縦横無尽に繋ぐ街道が整備されているが、それとは別に、川を利用した運搬方法も発達している。
川から海へと出た方が早いこともある。海に出た船は、海岸沿いに大陸の周りを行き来する。ここはその主要な寄港地の一つなのだ。
沖には良い漁場もあり、陸地の平野部は肥沃。キエラに来る道中、こうも恵まれた地もあるのかと、ソランは目を瞠らずにはいられなかった。
土地の持つ力が大きく違う。やはり、まともな方法では、ジェナシス領を富ませるのは無理なのだと思わざるを得なかった。あの地から上がる収益は、食べていくのにもやっとなのだ。
それ以外のもの、例えば希少で価値のあるもの、どんな大金を積んでも欲しくなるもので商売をするしかない。今は、それを特殊な傭兵稼業で賄っている。
王国中に散らばったジェナシスの民は、王権を支える柱の一つとなってしまっている。これから国内は混迷を深めていくだろう。どうしても彼らの力が要る。欠くことはできない。
けれど、いつか平和な時代が来た時に、彼らが平穏に暮らしていける道筋を、ソランはつけておきたかった。そのために、殿下がこの地をどのように治めているのか、ぜひ勉強したいと思っていた。
大きな広場を挟んで兵舎の反対側には、厩舎があった。少し空けて穀物倉庫がいくつも立ち並び、本館近くに従業員の住まいがある。家族も住むそこの玄関先には、小さな子供たちが集って遊んでいた。
城は高い城壁に囲まれており、門は深い堀を跳ね橋で渡してある。昔は海賊や他領に攻め込まれた時には、城のすぐ西の港町から町民が逃げ込んできたのだという。広場だけでソランの領主館がいくつも入ってしまうほどの広さだった。
その真ん中に、屋根がさしかけられた場所があった。
「あそこが井戸ですね?」
「はい。あそこから水が出たから、ここに城が建てられたそうです。この城で一番の難工事だったと言い伝えられております」
城の条件として、水の確保がある。水がなければ、籠城ができないからだ。
井戸は、岩盤を細長い長方形に刳り貫き、四つの滑車が付いていた。厩舎に近い滑車の脇には、馬に水を飲ませるための桶も置いてあり、反対側の端は、洗濯のための小さな小屋が建てられていた。そのどれにも排水口が設けられており、溝を通って外部に流れるようになっている。
ソランは井戸を覗き込んだ。なるほど、よほど深いのだろう、真っ暗で底が見えない。管理用の足場として、金具が壁面に打ち付けてあった。
ソランはどうしても降りてみたくなって、その欲求と戦うために、井戸の端に取りついたまま、じっとその金具を眺めた。
第一にこの格好では無理であるし、第二に命綱も必要だろう。第三には、たぶん灯りもいると思われる。そして第四として、殿下の婚約者としてあまりに不審な行動すぎる。どこのうら若き乙女が、井戸に潜り込みたいなどと言うだろう。どう考えても物笑いの種にしかならないのは、当のソランでさえわかった。
でも、不思議と殿下は駄目とは言わないだろうという確信もあった。ろくなことをしないと言いつつ、面白がって自分も一緒に行くと言いだす気がする。
そこまで考えて、そんな危ないことはさせられないと諦めがついた。
井戸端を離れて顔を上げると、穀物倉庫から出てくる殿下を見つけた。あちらも気付いたらしく、足早にやってくる。ソランはひっきりなしに行き交う人々を意識して、優雅に殿下に頭を下げてみせた。
殿下はまずソランを抱き寄せ、額に口付けを落とした。それから腰に当てた手は離さずに体だけ数歩下がり、嬉しげにソランの様子を観察する。
「着けたのか。よく似合っている」
「こんなに綺麗なものをありがとうございます」
首飾りにそっと触れて礼を言った。
「気に入ったか?」
「はい。もったいないくらいです」
「もったいないものか。おまえの美しさには、真珠もかすむ」
歯の浮きそうな褒め言葉を貰う。ソランはまたからかわれているのかと、殿下の表情にその片鱗を探したが、どうしたことか見つからなかった。それどころか優しく笑んで、今度は頬に口付けてくる。
態度のすべてが愛しいと語っている。触れ合った場所から、まなざしから、想いが流れ込んでくるようだった。ソランは頬を染めて殿下を見つめた。
それはまるで物語の中の美しい一場面だった。近しい人々は微笑んで見守るか、あるいは、やっていられないと目をそらすかだったが、それ以外の者たちは、領主と婚約者の姿に目を奪われた。伝説の海賊と姫君に匹敵する麗しさだった。
急に殿下が屈み、ソランを縦抱きにして持ち上げる。ソランは驚いて彼の肩に手をついた。殿下はそのままぐるりとまわり、集まった人々に嬉々とした声を張り上げた。
「皆に紹介しよう。彼女はソラン・ファレノ・エレ・ジェナシス。我が妃となる女性だ!」
どよめきと拍手が湧き起こる。それにソランは真っ赤になりつつも、笑顔で手を振ってみせた。さらに拍手が大きくなり、口笛まで吹き鳴らされる。
ソランは下を向いて、殿下の肩を叩いた。
「下ろしてください!」
ソランのうろたえぶりに、声をあげて笑う。下ろしてくれる気配はない。そのまま本館へ向かって歩きはじめた。
人々の笑い声と囃す声と拍手と口笛と。様々なものに見送られる。
「殿下! お願いです!」
「暴れるな。落とすぞ」
「本望です!」
「これが駄目なら、横抱きにしていく」
どこまでも本気な目に、ソランは一瞬黙った。それでも必死に言い返す。
「横暴です!」
「そうか? それならそれは、おまえが私にそうさせているのだ」
ソランは意味がわからず、口を噤んだ。
「いつだったか、言っていただろう。おまえが一生私に仕えるのは、私がさせているのだと。同じだ。おまえが私をこうするように仕向けるのだ」
「そんな屁理屈を」
「真実だから仕方なかろう。それとも、おまえは違うのか?」
――違わない。殿下が相手だから、こうなってしまうのだ。
すっかり言い負かされて、助けを求めてまわりを見まわす。けれど誰もがそっと視線をそらす。孤立無援、どうにもならなかった。
ソランは片手を殿下の肩に置いて不安定な体を支え、もう片手で目元を覆って、恥ずかしさを堪えるしかなかったのだった。
0
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
男装の皇族姫
shishamo346
ファンタジー
辺境の食糧庫と呼ばれる領地の領主の息子として誕生したアーサーは、実の父、平民の義母、腹違いの義兄と義妹に嫌われていた。
領地では、妖精憑きを嫌う文化があるため、妖精憑きに愛されるアーサーは、領地民からも嫌われていた。
しかし、領地の借金返済のために、アーサーの母は持参金をもって嫁ぎ、アーサーを次期領主とすることを母の生家である男爵家と契約で約束させられていた。
だが、誕生したアーサーは女の子であった。帝国では、跡継ぎは男のみ。そのため、アーサーは男として育てられた。
そして、十年に一度、王都で行われる舞踏会で、アーサーの復讐劇が始まることとなる。
なろうで妖精憑きシリーズの一つとして書いていたものをこちらで投稿しました。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
転生したら貧乏男爵家でした。
花屋の息子
ファンタジー
つまらない事故で命を落とした御門要一は、異世界で貧乏貴族の子供として転生を果たした。しかし実家の領地は荒地荒野そう呼べる物。子供を御貴族様として養うなど夢のまた夢と言った貧乏振り。
そうしたある日、ついに経営危機に陥った実家を離れ、冒険者として独り立ちせざるを得なくなった男の物語。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる