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第七章 不死人(ふしびと)
閑話 記憶の欠片1
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あれは春だっただろうか。それとも初夏だっただろうか。もしかしたら秋だったのかもしれない。
ディーは思い出した光景をもっとよく思い出そうと、私室の天井を見るともなしに見上げた。
光の眩しい季節だった。草いきれがすごかった。だが、暑くてたまらないというほどではなかった。
その時ディーは、人殺しに飽き飽きして、抜けると言ったら制裁を加えようとした盗賊仲間を返り討ちにし、山を下りてきたところだった。
途中で会った商隊を襲い、逃げた者は追わなかったが、歯向かった者は全員殺した。別に殺しを楽しみたかったわけではない。そんなものにはうんざりだった。ただ、血に汚れていない新しい服と、当面の軍資金が欲しかっただけだ。
生まれてしばらくは両親に可愛がられたが、口が利けるようになると気味悪がられ、どこかの神殿にお参りに来たついでに、街で捨てられた。
繰り返す生の中で、そんなのは当たり前だった。何度もそんな目にあってきた。その時が近づくと、だいたい分かる。妙に優しくなったり、感傷的になったり。そうでなければ、無関心の度合いが酷くなった。
そうして生き延びられずに命を落としたことも何度もあった。山に捨てられれば獣に食われた。冬に捨てられれば凍死した。それでも、可愛がってくれていた人たちが彼を恐れ、忌み嫌う目を見るくらいなら、その方がましだった。そう思って自ら家を出たこともあった。
今回はまだましだった。神殿領では子供に慈悲が与えられることが多い。神殿もだが、街でも、参拝客も功徳を施そうとする。そうしてディーは生き延びた。
ある程度大きくなってしまえば、大人の中にまぎれてしまうことは難しくなかった。
今生は幸いなことに、今までになく強靭な体に生まれついていた。暴力を振るえば、必要な物は簡単に手に入った。殺すことに躊躇いはなかった。どうせ、こいつらもいつか生まれ変わってくる。死ぬことにもそれほどこだわりはなかった。死は生の始まりでしかない。
世界も彼も移ろう物でしかなかった。季節が移るように彼も移る。彷徨う風のように、繰り返し打ち寄せる波のように、芽吹いては葉を落とす草花のように、体に宿り、その体もすぐに土に返り、生まれては死ぬ。
どうしようもなく飽いていた。けれど、抜け出すことはできなかった。死んでも死んでも、己を殺してもすぐに新しい生が始まる。
一時でも刺激が欲しくて、ありとあらゆる命を殺して殺して殺しまくったこともある。女や男に溺れたこともあった。そういったことに興味のなくなった今でも体は反応する。束の間の快楽だ。だが、心は反応しなくなっていた。
そこは知らない土地だった。盗賊をしていた近隣では、あまりに顔が知れすぎてしまっていたから、煩わしいことを避けるために、来たことのない場所へやってきた。
水辺にある木陰で休もうと近づくと、そこには先客がいた。知っていたら避けたが、気付かなかった。おかげでうっかり踏むところだった。
ぼうぼうと茂った草の中、少年が仰向けに寝転んでいた。目を閉じている。仕立ての良い服はまだきれいだった。腰には不似合いな大きな剣を佩いていた。どうやら物取りに襲われて放置された、腐乱寸前の死体ではなさそうだった。
少年がぱちりと目を開けた。しげしげとディーを見ているが、起き上がるつもりはないらしかった。静かな若葉色の瞳に魅入られる。
「こんにちは」
やがてその子は挨拶を口にした。ディーも鸚鵡返しに言った。
「こんにちは」
その子は微かに笑うと、再び目を閉じてしまった。ディーは近くの川に下り、馬に水を飲ませ、自身も顔を洗った。水は皮袋の中の物を飲んだ。湧き水を汲んだものだ。こちらの方が安全だった。
馬に草を食ませ、その間に木陰で休もうと戻ってきても、その子はまだ寝ていた。体の上にも髪の間にも虫が這っていた。ズボンの上には鳥の糞が落ちていた。
ふと興味がわき、尋ねてみた。
「腹が減って動けないのか」
その子は目を開け、ディーを見た。
「いいえ、大丈夫」
きれいな言葉遣いだった。子供のうちからこんな服を着せられ、剣を佩かされるのだ。領主の息子かなんかだろう。それにしては従者の一人も、馬の一頭も近くにいない。
「追われているのか」
「いいえ」
「では、捨てられたのか」
「いいえ」
ディーは少し失望した。捨てられたのではないのか。そう感じている自分に気付いて苛つき、舌打ちをした。
すると少年はごろりと寝返りを打ち、うつ伏せになって頭だけ上げ、しっかりとディーの方へと顔を向けた。
「お気遣いありがとうございます」
やわらかそうな木肌色の髪は草屑だらけだった。それでもかまう様子はない。
「何をしているんだ」
「一つになりたくて」
そう言って頬を地面に付ける。
そのままじっとしているから、わけのわからないことを言ってはぐらかされたのかと、苦々しく思っていたら、
「おじさんは笑わないんだね」
少し顔を上げて、その子は言った。
「笑う? 怒る、だろう?」
「え? 怒ったの?」
びっくりしたように目を見開いた。
「いや、まだ怒ってないが」
「よかった。でも、そうだね、怒る人も多いよ」
少年は不貞腐れた顔をした。
「くだらない、わけのわからないことを言うなって。絶対くだらなくなんかないのに」
ごろん、と体を転がし、始めと同じく仰向けとなる。両手を空に伸ばす。
「ほら見て。空の底に降りて行けそうだよ」
少年の声が心を撫で上げ、ディーは無意識に上を向いた。枝の向こうは雲一つない晴れ空だった。澄んだ深い青が頭上を覆っている。
少年は手を下ろし、木漏れ日の下に差し入れた。
「葉っぱが日に透けてきれいだと思わない? 風に木も光も影も踊ってる」
指し示されるままに視線を移す。動いて別の場所に行ったわけではないのに、なぜか、見たこともない美しい世界が広がっていた。
「水の音も風の音も鳥の声も虫の声も小父さんの息遣いも」
自分が何の隔たりもなく世界の中に組み込まれていることに、心臓がぎゅっと縮んだ。痛みに顔を顰めた。
「近いのに遠くて、淋しくなる。僕の心臓の音も、混じってしまえればいいのに」
少年は黙り込んだ。ディーにはかけるべき言葉が見つからなかった。ただ、少年を目を凝らして見守った。
やがて、不自然に鼻をすすり上げているのに気づいた。
「なぜ泣く」
「淋しいから」
「混じってしまえなくてか」
「わからない。探しているものが見つからない気がして」
ディーにも淋しいという気持ちが降りてきて取り付いていた。この子の言うことがわかる気がした。
「俺でよければ、いてやろうか」
言ってから後悔した。何を馬鹿なことを言っているのか。俺などいらないだろうに。
なのに。
「本当?」
その子は体を起こした。
「本当にいてくれる?」
「……おまえの親が良いと言えばだが」
「言わせるよ。僕、ちょうど迷子だし。城に連れて帰ってくれればいい」
城とは。とんでもないお坊ちゃんだったようだ。
「ねえ、冗談だったの?」
「いいや。本気さ」
少年は満面の笑みで笑った。ディーも笑った。それは、数百年ぶりの心からの笑顔だった。
ディーは思い出した光景をもっとよく思い出そうと、私室の天井を見るともなしに見上げた。
光の眩しい季節だった。草いきれがすごかった。だが、暑くてたまらないというほどではなかった。
その時ディーは、人殺しに飽き飽きして、抜けると言ったら制裁を加えようとした盗賊仲間を返り討ちにし、山を下りてきたところだった。
途中で会った商隊を襲い、逃げた者は追わなかったが、歯向かった者は全員殺した。別に殺しを楽しみたかったわけではない。そんなものにはうんざりだった。ただ、血に汚れていない新しい服と、当面の軍資金が欲しかっただけだ。
生まれてしばらくは両親に可愛がられたが、口が利けるようになると気味悪がられ、どこかの神殿にお参りに来たついでに、街で捨てられた。
繰り返す生の中で、そんなのは当たり前だった。何度もそんな目にあってきた。その時が近づくと、だいたい分かる。妙に優しくなったり、感傷的になったり。そうでなければ、無関心の度合いが酷くなった。
そうして生き延びられずに命を落としたことも何度もあった。山に捨てられれば獣に食われた。冬に捨てられれば凍死した。それでも、可愛がってくれていた人たちが彼を恐れ、忌み嫌う目を見るくらいなら、その方がましだった。そう思って自ら家を出たこともあった。
今回はまだましだった。神殿領では子供に慈悲が与えられることが多い。神殿もだが、街でも、参拝客も功徳を施そうとする。そうしてディーは生き延びた。
ある程度大きくなってしまえば、大人の中にまぎれてしまうことは難しくなかった。
今生は幸いなことに、今までになく強靭な体に生まれついていた。暴力を振るえば、必要な物は簡単に手に入った。殺すことに躊躇いはなかった。どうせ、こいつらもいつか生まれ変わってくる。死ぬことにもそれほどこだわりはなかった。死は生の始まりでしかない。
世界も彼も移ろう物でしかなかった。季節が移るように彼も移る。彷徨う風のように、繰り返し打ち寄せる波のように、芽吹いては葉を落とす草花のように、体に宿り、その体もすぐに土に返り、生まれては死ぬ。
どうしようもなく飽いていた。けれど、抜け出すことはできなかった。死んでも死んでも、己を殺してもすぐに新しい生が始まる。
一時でも刺激が欲しくて、ありとあらゆる命を殺して殺して殺しまくったこともある。女や男に溺れたこともあった。そういったことに興味のなくなった今でも体は反応する。束の間の快楽だ。だが、心は反応しなくなっていた。
そこは知らない土地だった。盗賊をしていた近隣では、あまりに顔が知れすぎてしまっていたから、煩わしいことを避けるために、来たことのない場所へやってきた。
水辺にある木陰で休もうと近づくと、そこには先客がいた。知っていたら避けたが、気付かなかった。おかげでうっかり踏むところだった。
ぼうぼうと茂った草の中、少年が仰向けに寝転んでいた。目を閉じている。仕立ての良い服はまだきれいだった。腰には不似合いな大きな剣を佩いていた。どうやら物取りに襲われて放置された、腐乱寸前の死体ではなさそうだった。
少年がぱちりと目を開けた。しげしげとディーを見ているが、起き上がるつもりはないらしかった。静かな若葉色の瞳に魅入られる。
「こんにちは」
やがてその子は挨拶を口にした。ディーも鸚鵡返しに言った。
「こんにちは」
その子は微かに笑うと、再び目を閉じてしまった。ディーは近くの川に下り、馬に水を飲ませ、自身も顔を洗った。水は皮袋の中の物を飲んだ。湧き水を汲んだものだ。こちらの方が安全だった。
馬に草を食ませ、その間に木陰で休もうと戻ってきても、その子はまだ寝ていた。体の上にも髪の間にも虫が這っていた。ズボンの上には鳥の糞が落ちていた。
ふと興味がわき、尋ねてみた。
「腹が減って動けないのか」
その子は目を開け、ディーを見た。
「いいえ、大丈夫」
きれいな言葉遣いだった。子供のうちからこんな服を着せられ、剣を佩かされるのだ。領主の息子かなんかだろう。それにしては従者の一人も、馬の一頭も近くにいない。
「追われているのか」
「いいえ」
「では、捨てられたのか」
「いいえ」
ディーは少し失望した。捨てられたのではないのか。そう感じている自分に気付いて苛つき、舌打ちをした。
すると少年はごろりと寝返りを打ち、うつ伏せになって頭だけ上げ、しっかりとディーの方へと顔を向けた。
「お気遣いありがとうございます」
やわらかそうな木肌色の髪は草屑だらけだった。それでもかまう様子はない。
「何をしているんだ」
「一つになりたくて」
そう言って頬を地面に付ける。
そのままじっとしているから、わけのわからないことを言ってはぐらかされたのかと、苦々しく思っていたら、
「おじさんは笑わないんだね」
少し顔を上げて、その子は言った。
「笑う? 怒る、だろう?」
「え? 怒ったの?」
びっくりしたように目を見開いた。
「いや、まだ怒ってないが」
「よかった。でも、そうだね、怒る人も多いよ」
少年は不貞腐れた顔をした。
「くだらない、わけのわからないことを言うなって。絶対くだらなくなんかないのに」
ごろん、と体を転がし、始めと同じく仰向けとなる。両手を空に伸ばす。
「ほら見て。空の底に降りて行けそうだよ」
少年の声が心を撫で上げ、ディーは無意識に上を向いた。枝の向こうは雲一つない晴れ空だった。澄んだ深い青が頭上を覆っている。
少年は手を下ろし、木漏れ日の下に差し入れた。
「葉っぱが日に透けてきれいだと思わない? 風に木も光も影も踊ってる」
指し示されるままに視線を移す。動いて別の場所に行ったわけではないのに、なぜか、見たこともない美しい世界が広がっていた。
「水の音も風の音も鳥の声も虫の声も小父さんの息遣いも」
自分が何の隔たりもなく世界の中に組み込まれていることに、心臓がぎゅっと縮んだ。痛みに顔を顰めた。
「近いのに遠くて、淋しくなる。僕の心臓の音も、混じってしまえればいいのに」
少年は黙り込んだ。ディーにはかけるべき言葉が見つからなかった。ただ、少年を目を凝らして見守った。
やがて、不自然に鼻をすすり上げているのに気づいた。
「なぜ泣く」
「淋しいから」
「混じってしまえなくてか」
「わからない。探しているものが見つからない気がして」
ディーにも淋しいという気持ちが降りてきて取り付いていた。この子の言うことがわかる気がした。
「俺でよければ、いてやろうか」
言ってから後悔した。何を馬鹿なことを言っているのか。俺などいらないだろうに。
なのに。
「本当?」
その子は体を起こした。
「本当にいてくれる?」
「……おまえの親が良いと言えばだが」
「言わせるよ。僕、ちょうど迷子だし。城に連れて帰ってくれればいい」
城とは。とんでもないお坊ちゃんだったようだ。
「ねえ、冗談だったの?」
「いいや。本気さ」
少年は満面の笑みで笑った。ディーも笑った。それは、数百年ぶりの心からの笑顔だった。
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