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第四章 王宮の主たち
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ベッドの手前に小さな応接セットがあり、そこにある椅子の一つに、男性が一人座っていた。
「お初にお目にかかります。エルファリア・ウイシュタリア・エレ・ディエラでございます。お呼びだてして申し訳なく思っております、黒の神官様」
過分な言い様にソランは驚き、また黒の神官と呼ばれたことで警戒もする。それでも片膝をつき、臣下の礼で挨拶する。
「どうか、私の前では膝をおつきにならないでください。私は罪人です」
不穏な物言いに困惑する。ソランはそのままの姿勢でエルファリア殿下を見返した。すると彼は膝掛けを剥ぎ、椅子の腕掛けに手を添え、立ち上がろうとした。よろめく。ソランは急ぎ駆け寄った。
触れた腕は、男性の物とは思えぬほど細かった。また、肌も病的に白い。弱々しい感覚に、ソランは祖母を思い出して不安になった。
「どうぞ安静になさってください」
「いいえ、あなたが跪き、私が座ったまま挨拶するなど、やはり許されることではありませんでした」
「わかりました、もういたしませんから、どうかお戻りください」
「本当に申し訳ございませんでした。どうぞそこの椅子におかけください」
楽に整えてさしあげようとしたソランの手を断り、彼は自分で腰掛けなおした。それを見届け、ソランも椅子に腰を下ろす。とても座り心地がよかった。
彼もまた、両陛下がそうであったように、しばらくソランをじっと見ていた。
「長い話になりますが、聞いていただきたいことがあるのです」
「はい」
彼はそう言いながらも、言葉を探し、しばし言いあぐねた。
「……私は、いえ、我らは、神代の時代、アティスを殺しました」
何の表情も浮かべず、口だけを動かすようにして、信じがたい告白をする。
「私は不死人です」
ソランは驚きすぎて無表情になった。動揺を悟られないようにしたそれから、エルファリア殿下は目をそらし俯いた。
「私はその時も、今と同じく彼の兄でした。ただし母は違いました。私は彼より数ヶ月早く生まれ、そして母の身分も高かった。何事もなければ、私が王位に就くのがあたりまえでした。ですが、私は体が弱かったのです。当時、この大陸は小部族国家が乱立して、血で血を洗う様相でした。その中で生き残るには、強い王が必要でした。彼は申し分のない力量を持っていました」
彼はかすかに肩で息をした。よく見れば、体を支えるために両腕を下に突っ張っている。それでも話が終わるまでは、ソランから話しかけられる雰囲気ではなかった。
「王妃であった母は、どうしても私を王位に就けたかった。だから、戦にまぎれて矢を射かけて殺したのです」
ソランは思わず己の心臓の位置を右手で押さえた。なぜかその痛みを知っている気がした。血の気が引く。
「私は、その企みを知っていたにもかかわらず、見て見ぬふりをしました。彼が出立の挨拶にこっそりと訪れ、次代の私の治世のために尽くすと誓ってくれた時も、黙っていました。……私は彼が憎かった。己の利益を顧みず、見返りを求めずに人に与えられる強さが眩しくて、眩しくて、私も丈夫であったなら、同じことをできるものをと」
彼は顔を上げた。苦笑に似た表情が浮かんでいた。
「失って、知りました。同じことなど、できるわけがないと。……彼は誓願を立て、神の加護を得ていました。だから、母が得た呪いの矢に射抜かれた時も、彼はすぐには死ねなかった。その代わり、死の苦しみを抱いたまま軍を率い、敵を退け、国を守った。その後、命を手放したのです」
心臓が、痛い。息が、できない。
ソランは知らないうちに泣いていた。感情が揺れてどうしようもなかった。
「この国の礎は、彼が築いたのです。この国は彼のものとなるはずだった。それが正しかったのです。それを、我らが歪めた」
エルファリア殿下はソランの涙を拭おうと手を伸ばしかけ、途中で躊躇い、指を握りこんで手を引いた。
「私は今生において、幸いにも彼と母を同じくして生まれることができました。ただ、前世と同じく兄として生まれてきてしまった。ですから、自ら毒を飲んだのです。決してアティスを王としたい者たちの画策ではありません。聡いあれはそう疑って気に病んでいますが、本当のことを話しても、さらに思いつめるだけでしょう。それに」
彼は苦しげに目をつぶった。
「あの子に己のしたことを話したくもありません。彼にとっては、前世と現世はまったく別のものなのですから。別の人間として生きているのですから。……それでも、そうとわかっていても、我らは何度でもあの子に枷をはめずにはいられません。あの剣を持たせ、王位に就かせる。……この呪いが解けるまで」
先ほど陛下はなんと言っていたか。どの剣の主も短命だったと言ってはいなかったか。生き急ぎ、死に急いだと。
「何度も繰り返して、何度も追い詰め、殺したのですか」
ソランは怒りに震えた。
「殺した。そう言われればそうです。そのようなつもりはなかったのですが。我らはただ、途中で潰えてしまったあの子の望みを叶えたいだけなのです」
「あの方は王位など望んでおられない。ただ、この地を守りたいと思っておられるだけです」
「思いだけではなにも成就しません。願いを叶えたいのなら、それだけの力が必要です。そして、あの子の願いには強大な力が要る」
それはわかる。ソランでさえアティス殿下を守る力を欲した。それでも、
「それはあの方の望みではありません」
ソランはエルファリア殿下と睨みあった。不敬だとは思わなかった。
「だとしたら、あの子の本当の望みはなんだというのです」
力で支配すれば、いつか跳ね返り、己を切り裂く。道行きに邪魔だからとたわめた枝が、己が顔を打つように。それは平和とは違うものなのではないか。崖を砕くほどの力を手にしながら、それを使おうとしないのは、そういうことなのではないか。
「本当にわからないのですか」
ソランは聞き返した。
エルファリア殿下は息を呑み、黙りこんだ。やがて、搾り出すように言った。
「ですが、それは夢物語です。決して叶う筈などない」
ああ。そう呻いて顔を両手で覆う。
「やはりあなたは恐ろしい方だ」
ソランには、恐ろしいと言われる理由がわからなかった。
「なんと惨いことを仰るのか……」
彼はそのまま身動きもままならない様子で嘆いた。
「……でしたら、もう我らにできるのは、祈ることだけです」
エルファリア殿下は椅子から崩れるように滑りおりて、両膝と左拳を下につき、右手を胸に当て、最上級の礼をとった。
「女神マイラの加護厚き、黒の神官様にお願い申し上げます。どうか、我らが王を導き、守りたまえ」
このとき不思議と、第一王子を跪かせていることは気にならなかった。ソランは人の世の地位とは別のもの、まさに神官として答えた。
「アティス殿下は、己の道は己で見出されるでしょう。私が為すべきことは、最早我が魂に誓いました」
ソランは腰を上げ、彼の前に膝をついた。その手を取り、体を起こすように求める。
「殿下にも為すべきことがあるはずです。どうかご自愛いただき、長くアティス殿下のお力となられるようお願いいたします」
エルファリア殿下は目を見開いた。瞳が揺れていた。確かめるようにソランの瞳を覗く。そして、
「確かに承りました」
最後に泣きそうな微笑を浮かべ、深く頷いたのだった。
「お初にお目にかかります。エルファリア・ウイシュタリア・エレ・ディエラでございます。お呼びだてして申し訳なく思っております、黒の神官様」
過分な言い様にソランは驚き、また黒の神官と呼ばれたことで警戒もする。それでも片膝をつき、臣下の礼で挨拶する。
「どうか、私の前では膝をおつきにならないでください。私は罪人です」
不穏な物言いに困惑する。ソランはそのままの姿勢でエルファリア殿下を見返した。すると彼は膝掛けを剥ぎ、椅子の腕掛けに手を添え、立ち上がろうとした。よろめく。ソランは急ぎ駆け寄った。
触れた腕は、男性の物とは思えぬほど細かった。また、肌も病的に白い。弱々しい感覚に、ソランは祖母を思い出して不安になった。
「どうぞ安静になさってください」
「いいえ、あなたが跪き、私が座ったまま挨拶するなど、やはり許されることではありませんでした」
「わかりました、もういたしませんから、どうかお戻りください」
「本当に申し訳ございませんでした。どうぞそこの椅子におかけください」
楽に整えてさしあげようとしたソランの手を断り、彼は自分で腰掛けなおした。それを見届け、ソランも椅子に腰を下ろす。とても座り心地がよかった。
彼もまた、両陛下がそうであったように、しばらくソランをじっと見ていた。
「長い話になりますが、聞いていただきたいことがあるのです」
「はい」
彼はそう言いながらも、言葉を探し、しばし言いあぐねた。
「……私は、いえ、我らは、神代の時代、アティスを殺しました」
何の表情も浮かべず、口だけを動かすようにして、信じがたい告白をする。
「私は不死人です」
ソランは驚きすぎて無表情になった。動揺を悟られないようにしたそれから、エルファリア殿下は目をそらし俯いた。
「私はその時も、今と同じく彼の兄でした。ただし母は違いました。私は彼より数ヶ月早く生まれ、そして母の身分も高かった。何事もなければ、私が王位に就くのがあたりまえでした。ですが、私は体が弱かったのです。当時、この大陸は小部族国家が乱立して、血で血を洗う様相でした。その中で生き残るには、強い王が必要でした。彼は申し分のない力量を持っていました」
彼はかすかに肩で息をした。よく見れば、体を支えるために両腕を下に突っ張っている。それでも話が終わるまでは、ソランから話しかけられる雰囲気ではなかった。
「王妃であった母は、どうしても私を王位に就けたかった。だから、戦にまぎれて矢を射かけて殺したのです」
ソランは思わず己の心臓の位置を右手で押さえた。なぜかその痛みを知っている気がした。血の気が引く。
「私は、その企みを知っていたにもかかわらず、見て見ぬふりをしました。彼が出立の挨拶にこっそりと訪れ、次代の私の治世のために尽くすと誓ってくれた時も、黙っていました。……私は彼が憎かった。己の利益を顧みず、見返りを求めずに人に与えられる強さが眩しくて、眩しくて、私も丈夫であったなら、同じことをできるものをと」
彼は顔を上げた。苦笑に似た表情が浮かんでいた。
「失って、知りました。同じことなど、できるわけがないと。……彼は誓願を立て、神の加護を得ていました。だから、母が得た呪いの矢に射抜かれた時も、彼はすぐには死ねなかった。その代わり、死の苦しみを抱いたまま軍を率い、敵を退け、国を守った。その後、命を手放したのです」
心臓が、痛い。息が、できない。
ソランは知らないうちに泣いていた。感情が揺れてどうしようもなかった。
「この国の礎は、彼が築いたのです。この国は彼のものとなるはずだった。それが正しかったのです。それを、我らが歪めた」
エルファリア殿下はソランの涙を拭おうと手を伸ばしかけ、途中で躊躇い、指を握りこんで手を引いた。
「私は今生において、幸いにも彼と母を同じくして生まれることができました。ただ、前世と同じく兄として生まれてきてしまった。ですから、自ら毒を飲んだのです。決してアティスを王としたい者たちの画策ではありません。聡いあれはそう疑って気に病んでいますが、本当のことを話しても、さらに思いつめるだけでしょう。それに」
彼は苦しげに目をつぶった。
「あの子に己のしたことを話したくもありません。彼にとっては、前世と現世はまったく別のものなのですから。別の人間として生きているのですから。……それでも、そうとわかっていても、我らは何度でもあの子に枷をはめずにはいられません。あの剣を持たせ、王位に就かせる。……この呪いが解けるまで」
先ほど陛下はなんと言っていたか。どの剣の主も短命だったと言ってはいなかったか。生き急ぎ、死に急いだと。
「何度も繰り返して、何度も追い詰め、殺したのですか」
ソランは怒りに震えた。
「殺した。そう言われればそうです。そのようなつもりはなかったのですが。我らはただ、途中で潰えてしまったあの子の望みを叶えたいだけなのです」
「あの方は王位など望んでおられない。ただ、この地を守りたいと思っておられるだけです」
「思いだけではなにも成就しません。願いを叶えたいのなら、それだけの力が必要です。そして、あの子の願いには強大な力が要る」
それはわかる。ソランでさえアティス殿下を守る力を欲した。それでも、
「それはあの方の望みではありません」
ソランはエルファリア殿下と睨みあった。不敬だとは思わなかった。
「だとしたら、あの子の本当の望みはなんだというのです」
力で支配すれば、いつか跳ね返り、己を切り裂く。道行きに邪魔だからとたわめた枝が、己が顔を打つように。それは平和とは違うものなのではないか。崖を砕くほどの力を手にしながら、それを使おうとしないのは、そういうことなのではないか。
「本当にわからないのですか」
ソランは聞き返した。
エルファリア殿下は息を呑み、黙りこんだ。やがて、搾り出すように言った。
「ですが、それは夢物語です。決して叶う筈などない」
ああ。そう呻いて顔を両手で覆う。
「やはりあなたは恐ろしい方だ」
ソランには、恐ろしいと言われる理由がわからなかった。
「なんと惨いことを仰るのか……」
彼はそのまま身動きもままならない様子で嘆いた。
「……でしたら、もう我らにできるのは、祈ることだけです」
エルファリア殿下は椅子から崩れるように滑りおりて、両膝と左拳を下につき、右手を胸に当て、最上級の礼をとった。
「女神マイラの加護厚き、黒の神官様にお願い申し上げます。どうか、我らが王を導き、守りたまえ」
このとき不思議と、第一王子を跪かせていることは気にならなかった。ソランは人の世の地位とは別のもの、まさに神官として答えた。
「アティス殿下は、己の道は己で見出されるでしょう。私が為すべきことは、最早我が魂に誓いました」
ソランは腰を上げ、彼の前に膝をついた。その手を取り、体を起こすように求める。
「殿下にも為すべきことがあるはずです。どうかご自愛いただき、長くアティス殿下のお力となられるようお願いいたします」
エルファリア殿下は目を見開いた。瞳が揺れていた。確かめるようにソランの瞳を覗く。そして、
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