リンの異世界満喫ライフ

水月

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208:問題発生?

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結果として、高位魔法も杖を使って問題なく発動出来た私ってば凄いのでは?

魔力の使い方をカノープスさんに修正して貰った後はどれぐらいの魔力を込めれば良いのかを頭で何となくわかるようになった。カノープスさんが言うにはその魔力に対しての感覚が優れていることが簡単に魔法を使いこなせる事の一番大事な条件なのだとか。

基本的に宮廷魔導師はカノープスさんが鍛えただけあって皆問題なく出来るらしい。まぁそりゃそうだよね。それが出来ないなら宮廷魔導師で居続ける事なんて出来ないよね。

「杖を使う事の一番のメリットが何かリンはわかるか?」
「メリットですか?魔法をコントロールしやすくなるとかですかね」
「それも正しいけど、一番は一度に使用する魔力量を抑える事が出来る事だ。魔力量を抑える事に長けていればそれだけ多くの魔法を使う事が可能になる。つまり、スタンピードが起きた際により多くの魔獣を倒す事が出来る訳だ」
「.....確かにそうですね」

スタンピードが起きた時、魔獣は容赦なく街や村を襲いながらもその動きを止める事はない。実際に私も経験したから良くわかる。あれは止められる人達が居なければ人々は全滅するのを見ているしか出来ないだろう。

まぁその為の冒険者や騎士団、魔法使いの人達なんだけど。

「その点で言えばリンは中々に才能がある。宮廷魔導師団に迎えたいぐらいにはな」
「.....それは遠慮しておきます....」

国に使えたら今までみたいに自由に生きる事が難しくなりそうだし、それでなくとも騎士団の人達とか見てると前世のブラック企業みたいな感じがしてならない。上司の命令にはどれだけ理不尽な事でも絶体!とかさ。異世界に来てまでそんな生活はしたくない。

「カノープス!」

そんな私の考えが表情にも出てたのかカノープスさんが苦笑を浮かべていると屋敷のあるほうから師匠が歩いてきた。

「魔導師団の副長からお前宛に緊急連絡が入ったぞ!」
「え~?何でシリウスの方に?直接俺に寄越せば良いのに」
「.....お前だと直ぐに確認しない可能性があるから俺の方に連絡が来たんだろうな。良くわかってるじゃないか、お前の性格」
「......」

何も反論出来ないのか仕方無しにカノープスさんは師匠から手渡された手紙に目を通すと、盛大な溜め息をついた。

「.....その聖女と高位貴族子息大丈夫なのか?」

何が、とは言わない。呆れた口調で言う師匠に何が言いたいのか聞かなくてもわかるから。

「......もう本当に宮廷魔導師辞めようかな....?俺の行き先を調べてエルフの国に行ったとわかった途端自分も追いかけて行こうとして国境付近で追い返された.....とか。アミュレット渡した筈の高位貴族子息どうした!?外すなよ!」

うん、聖女関係だよね~……グレイス王国も次から次へと大変だなぁ。

私は完全に無視するけど!スッゴク面倒臭い気しかしないから絶体に関わってたまるか。


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