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150:バレッタの街・1
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要塞都市ミルトンを発って2週間、ようやくエルフの国の手前にある国境の街に辿り着いた。そのままエルフの国に向かうのかな?と思っていたら、この街で森で狩った魔獣をギルドに売却してしまおうとの事だった。後は物資の補給。私も師匠も無限収納があるのでここまでの旅ではそこまで食糧なんかも減ってはいないけど何があるかわからないからいつも準備は遣り過ぎなぐらいで丁度良いんだって。
....まぁ確かに買い過ぎても腐る事がないんだから別に困らないしね
「師匠、この街は何て言う街なんですか?国境沿いにあるって事は辺境伯の領地なんですよね?」
「そうだ。ここは南の辺境伯の領地になるな」
「南の辺境伯」
「この国には東西南北全てが他国と向かい合っているのはわかるよな?そして各々に辺境伯家があるんだ。まぁその内のひとつがヘンリー.....レグルス辺境伯家だな」
「へぇ~」
まさかの四家もあったんだ辺境伯家。
実は地理的な事や王公貴族達の事はまだまだ不勉強で詳しくないんだよね....しかも外国みたいに街の名前ですら長い名前だから覚えにくいのが困るよね....
「あ、でも街に入る時に身分証確認されますよね?私達がこの街に来た事がバレるんじゃないですか?」
「バレても向こう側に伝わる頃には俺達はこの街に居ないだろう?」
「....確かにそうですね」
うん。確実にもうこの街を出発してエルフの国に行ってる頃かな。
「よし、じゃあ行くか」
「はい」
私達は街に入る為に入場門の前に並んでいる人達の列へと並ぶ。商人や貴族達は別の入口から街へと入れる為に、この列に並んでいるのは主に一般市民や冒険者達だった。
列は特に問題もなくスムーズに進み1時間程で中に入る事が出来た。門の兵の人に身分証代わりのギルドカードを見せても特に反応がなかったので、どうやらこの街には私達の情報は一切来ていないと思っても良いようだ。
街に入れば辺境の街にしてはかなり人通りも多く王都程ではないがかなり栄えているように見える。街自体がそこまで大きくないのが勿体無いと思うぐらいだ。
「隣国との境界線にあたる街だから商人が多いんだ。商人が多いって事はそれだけ品物が行き来してるって事だな」
そうか、だから人がそれなりに多いのかぁ。
門から少し歩き街の丁度中心ぐらいの位置に冒険者ギルドがあった。ミルトンの街の冒険者ギルドよりは少しだけ建物も小さい。
中に入ればお昼過ぎと言う時間帯にもよるけど、ギルド内に居る冒険者は殆ど居なくてギルドの職員さんの数の方が多いぐらいに見えた。その中の買取りカウンターの方へ、師匠は迷わず歩いていくので私も慌てて後を追う。
「すまないが魔獣の買取りをお願いしたいんだが」
師匠がそう伝えれば買取りカウンターの奥に居た男性が顔を上げ近づいてくる。
「この場に出せるぐらいか?」
「いや、出来れば解体場所でお願いしたい」
「わかった。じゃあこっちに来てくれ」
男性はカウンター横の扉を開けて私達を促し、解体場所へと一緒に向かった。
....まぁ確かに買い過ぎても腐る事がないんだから別に困らないしね
「師匠、この街は何て言う街なんですか?国境沿いにあるって事は辺境伯の領地なんですよね?」
「そうだ。ここは南の辺境伯の領地になるな」
「南の辺境伯」
「この国には東西南北全てが他国と向かい合っているのはわかるよな?そして各々に辺境伯家があるんだ。まぁその内のひとつがヘンリー.....レグルス辺境伯家だな」
「へぇ~」
まさかの四家もあったんだ辺境伯家。
実は地理的な事や王公貴族達の事はまだまだ不勉強で詳しくないんだよね....しかも外国みたいに街の名前ですら長い名前だから覚えにくいのが困るよね....
「あ、でも街に入る時に身分証確認されますよね?私達がこの街に来た事がバレるんじゃないですか?」
「バレても向こう側に伝わる頃には俺達はこの街に居ないだろう?」
「....確かにそうですね」
うん。確実にもうこの街を出発してエルフの国に行ってる頃かな。
「よし、じゃあ行くか」
「はい」
私達は街に入る為に入場門の前に並んでいる人達の列へと並ぶ。商人や貴族達は別の入口から街へと入れる為に、この列に並んでいるのは主に一般市民や冒険者達だった。
列は特に問題もなくスムーズに進み1時間程で中に入る事が出来た。門の兵の人に身分証代わりのギルドカードを見せても特に反応がなかったので、どうやらこの街には私達の情報は一切来ていないと思っても良いようだ。
街に入れば辺境の街にしてはかなり人通りも多く王都程ではないがかなり栄えているように見える。街自体がそこまで大きくないのが勿体無いと思うぐらいだ。
「隣国との境界線にあたる街だから商人が多いんだ。商人が多いって事はそれだけ品物が行き来してるって事だな」
そうか、だから人がそれなりに多いのかぁ。
門から少し歩き街の丁度中心ぐらいの位置に冒険者ギルドがあった。ミルトンの街の冒険者ギルドよりは少しだけ建物も小さい。
中に入ればお昼過ぎと言う時間帯にもよるけど、ギルド内に居る冒険者は殆ど居なくてギルドの職員さんの数の方が多いぐらいに見えた。その中の買取りカウンターの方へ、師匠は迷わず歩いていくので私も慌てて後を追う。
「すまないが魔獣の買取りをお願いしたいんだが」
師匠がそう伝えれば買取りカウンターの奥に居た男性が顔を上げ近づいてくる。
「この場に出せるぐらいか?」
「いや、出来れば解体場所でお願いしたい」
「わかった。じゃあこっちに来てくれ」
男性はカウンター横の扉を開けて私達を促し、解体場所へと一緒に向かった。
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