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47:帰還
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翌日冒険者ギルドへ赴けば昨日お願いした通りに解体作業と買取作業が終了していて、ギルドマスターの執務室へと案内された。
「はい。これがホワイトバードの羽根3体分全部とお肉1体分、後はそれ以外の買取金とその明細書よ」
渡された明細書と金額を合わせ、間違いがない事を確認する。
「はい大丈夫です」
「そ、良かったのわ!本当に素材を売ってくれてありがとう。今日の街の肉屋は大盛況でしょうよ~久々の高級品だものね!」
そんなに大人気のお肉なのかぁ~……私もミルトンに戻ったら早速晩御飯に使おうっと!へへへ楽しみ過ぎる~
「ホワイトバードならお前達の街の方が生息地に近いんだからいつでも狩れるだろう?どうしてそんなに肉がまわらないんだ?」
あ、それ私も思ってた。ギルドマスターが私が疑問に思ってた事と同じ事をアリオスさんへと尋ねてくれた。
「確かにそうなんだけど、ホワイトバードを狩れるぐらいのランクに上がると冒険者は皆、もっと大きな街を目指して出ていっちゃうのよね~」
苦笑しながらまぁ仕方ないんだけど、と呟く。
「この街は大きな森の側にあるけど、基本的には特に大型の魔獣の問題の起こらない安定した街なのよね。勿論住んでいる住民からしたら良い事なんだけど、やっぱり冒険者にしたら少し物足りないみたいでね。まぁ私も冒険者やってたから気持ちはわかるんだけど」
つまり、刺激を求めて街を出る冒険者が多いと。来るのはたまに私みたいにホワイトバード狙いの冒険者だって事か。
それはでも仕方ないかな....私なんかはこんなのんびりした冒険者活動も嫌いじゃないから構わないけど、とくに男の冒険者達は一攫千金と、高ランクへの昇進狙いで広く活動出来る拠点へと移りたがるだろう。
「そうだな、緊急時なんかは召集出来るがそれ以外はどこに行こうが冒険者達の自由だからな。ただギルドがある限りは冒険者がこの街から全く居なくなる事はないし、高ランク冒険者が来た時に討伐依頼を出すしかないな」
「そうなのよね~……ねぇ、シリウス、リンちゃん、定期的にメントスに来てホワイトバード狩らない?」
「お前が狩れよ」
ギルドマスターの突っ込みが炸裂する。
ホワイトバードは魅力的だけど流石に定期的に来るのは勘弁して貰いたいかな......
「冗談よ冗談」
「どうだか」
ギルドマスター2人がまだまだ話してる間に無限収納にホワイトバードの羽根と肉を仕舞うと、それを見計らったようにギルドマスターが立ち上がる。
「じゃあ帰るぞリン」
「わかりました」
「また来てね、リンちゃん!シリウスもまた一緒でも構わないわよ」
ギルドマスターは完全無視で、私はペコリとお礼だけして、ドアを出ていくギルドマスターの後を付いていった。
行きと同じ様に2人で馬に跨がり街道をゆっくりと走り進んでいく。
「さっきのアリオスが言ってたようにリンがホワイトバードを定期的に狩りたいならまたメントスに来ても良いんだぞ?」
「えーっと.....取り敢えずは今回沢山手に入ったので当分はいらないかと」
「そうなのか?」
私が断ったのが意外だったのか不思議そうな声が上から聞こえてくる。
「はい。当分はまたのんびりと薬草採取がしたいです」
大型の魔獣と闘うのも嫌ではないけど、やっぱり私は薬草採取等じっくりコツコツする方が好きみたいだ。
だから当分は要塞都市ミルトンでのんびりしたいなと思う。
「そうか」
「そうです」
その日の夜はまた野営をし、流石に野営でホワイトバードの調理は出来ないので他のお肉料理で済まし、次の日、特に問題もなく私達は要塞都市ミルトンへと帰って来たのだった。
「はい。これがホワイトバードの羽根3体分全部とお肉1体分、後はそれ以外の買取金とその明細書よ」
渡された明細書と金額を合わせ、間違いがない事を確認する。
「はい大丈夫です」
「そ、良かったのわ!本当に素材を売ってくれてありがとう。今日の街の肉屋は大盛況でしょうよ~久々の高級品だものね!」
そんなに大人気のお肉なのかぁ~……私もミルトンに戻ったら早速晩御飯に使おうっと!へへへ楽しみ過ぎる~
「ホワイトバードならお前達の街の方が生息地に近いんだからいつでも狩れるだろう?どうしてそんなに肉がまわらないんだ?」
あ、それ私も思ってた。ギルドマスターが私が疑問に思ってた事と同じ事をアリオスさんへと尋ねてくれた。
「確かにそうなんだけど、ホワイトバードを狩れるぐらいのランクに上がると冒険者は皆、もっと大きな街を目指して出ていっちゃうのよね~」
苦笑しながらまぁ仕方ないんだけど、と呟く。
「この街は大きな森の側にあるけど、基本的には特に大型の魔獣の問題の起こらない安定した街なのよね。勿論住んでいる住民からしたら良い事なんだけど、やっぱり冒険者にしたら少し物足りないみたいでね。まぁ私も冒険者やってたから気持ちはわかるんだけど」
つまり、刺激を求めて街を出る冒険者が多いと。来るのはたまに私みたいにホワイトバード狙いの冒険者だって事か。
それはでも仕方ないかな....私なんかはこんなのんびりした冒険者活動も嫌いじゃないから構わないけど、とくに男の冒険者達は一攫千金と、高ランクへの昇進狙いで広く活動出来る拠点へと移りたがるだろう。
「そうだな、緊急時なんかは召集出来るがそれ以外はどこに行こうが冒険者達の自由だからな。ただギルドがある限りは冒険者がこの街から全く居なくなる事はないし、高ランク冒険者が来た時に討伐依頼を出すしかないな」
「そうなのよね~……ねぇ、シリウス、リンちゃん、定期的にメントスに来てホワイトバード狩らない?」
「お前が狩れよ」
ギルドマスターの突っ込みが炸裂する。
ホワイトバードは魅力的だけど流石に定期的に来るのは勘弁して貰いたいかな......
「冗談よ冗談」
「どうだか」
ギルドマスター2人がまだまだ話してる間に無限収納にホワイトバードの羽根と肉を仕舞うと、それを見計らったようにギルドマスターが立ち上がる。
「じゃあ帰るぞリン」
「わかりました」
「また来てね、リンちゃん!シリウスもまた一緒でも構わないわよ」
ギルドマスターは完全無視で、私はペコリとお礼だけして、ドアを出ていくギルドマスターの後を付いていった。
行きと同じ様に2人で馬に跨がり街道をゆっくりと走り進んでいく。
「さっきのアリオスが言ってたようにリンがホワイトバードを定期的に狩りたいならまたメントスに来ても良いんだぞ?」
「えーっと.....取り敢えずは今回沢山手に入ったので当分はいらないかと」
「そうなのか?」
私が断ったのが意外だったのか不思議そうな声が上から聞こえてくる。
「はい。当分はまたのんびりと薬草採取がしたいです」
大型の魔獣と闘うのも嫌ではないけど、やっぱり私は薬草採取等じっくりコツコツする方が好きみたいだ。
だから当分は要塞都市ミルトンでのんびりしたいなと思う。
「そうか」
「そうです」
その日の夜はまた野営をし、流石に野営でホワイトバードの調理は出来ないので他のお肉料理で済まし、次の日、特に問題もなく私達は要塞都市ミルトンへと帰って来たのだった。
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