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11:銀亭
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ギルドを出て、受付のお姉さんに教えて貰った通りに歩いていけば2階建ての白い建物があり「銀亭」と書かれた看板が掛かっていた。建物自体はそこまで大きくないけれど敷地内にはこじんまりとしているが庭もあり、清潔感がありそうな宿に見えた。
うん、ここなら良さそう.....だけど問題は部屋が空いてるかどうかよね
「すみませーん」
「はーい!少しお待ちくださーい!」
躊躇することなく宿屋に入り、入り口で声を掛ければ10代後半ぐらいの女の子が慌ててやってくる。
「お待たせしてすみません」
「いえ、あの冒険者ギルドの受付の方からお風呂のある宿って聞いて宿泊したいんですけど部屋って空いてますか?」
「はい、お風呂ありますし大丈夫ですよ!昨日までは満室だったんですけど今日ちょうどいくつかの冒険者パーティの方々が出られたんです。何泊されますか?1泊朝食付きで銅貨4枚になりますが.....」
銅貨4枚.....1泊4000円ってところか.....お風呂があって朝食が付いてるなら安い方なのかな?この世界の物価がわからなさすぎて判断のしようがないな。
まぁでも宿自体も従業員さんも良さそうだし結構当たりの宿かも?
「えっと、じゃあ取り敢えず1週間でお願いしたいんですけど延長したい場合はどうしたらいいんですか?」
「前日までに言って貰ったら大丈夫ですよ」
「わかりました」
宿帳らしきものに名前と日数を記入してお金を払うと慣れた手つきで部屋の鍵を渡された。出掛ける際には鍵を預けていくのだと言う。それによって、宿泊登録をしていない人を勝手に泊めないように気を付けているのだとか。
「この宿は元々冒険者だった父と母が冒険者を引退した後に冒険者向けに作った宿屋なんですよ。でも冒険者ってランクが下の内は危険の少ない依頼が多い分、報酬額も少ないでしょう?だから無断で宿に別の人を泊まらせたりする人が多いんですよね」
確かにそんな事されて万が一何かやらかしたら、宿の責任問題にもなるし、ならなかったとしても噂されれば屋宿屋のイメージダウンにもなるだろうな、と思う。
「ん?お父さんとお母さん?」
「ええ。私、この宿屋の娘のサラサって言います」
「あ、私はリンと言います。今日街に着いて冒険者になったばかりで......」
「まぁ!まだ小さいに偉いのね!!何か困った事が出来たら父さん達に相談してみると良いわ」
「......そうですね。その時は宜しくお願いします」
確かに冒険者どころか異世界生活自体が初めてなので相談できる相手が居るのは良いかもと考える。
「じゃあこれが部屋の鍵。そこの階段を登って2階に上がった右側の突き当たりの部屋よ。お風呂は各部屋にあって、使い方はお風呂の中に書いてあるわ。朝食は1階の食堂で10時まで。他に何かわからないことがあれば何でも聞いてね」
「ありがとうございます」
私は鍵を受け取って部屋へと向かう。冒険者の人が多く泊まる宿だからかこの時間帯、宿は静かだ。2階は見た感じ10室ぐらいだろうか。
鍵を開けて部屋の中へと入れば日本で言う所謂ビジネスホテルのシングルルームぐらいの広さに、洗面台とお風呂とトイレがあった。
うん、ここなら良さそう.....だけど問題は部屋が空いてるかどうかよね
「すみませーん」
「はーい!少しお待ちくださーい!」
躊躇することなく宿屋に入り、入り口で声を掛ければ10代後半ぐらいの女の子が慌ててやってくる。
「お待たせしてすみません」
「いえ、あの冒険者ギルドの受付の方からお風呂のある宿って聞いて宿泊したいんですけど部屋って空いてますか?」
「はい、お風呂ありますし大丈夫ですよ!昨日までは満室だったんですけど今日ちょうどいくつかの冒険者パーティの方々が出られたんです。何泊されますか?1泊朝食付きで銅貨4枚になりますが.....」
銅貨4枚.....1泊4000円ってところか.....お風呂があって朝食が付いてるなら安い方なのかな?この世界の物価がわからなさすぎて判断のしようがないな。
まぁでも宿自体も従業員さんも良さそうだし結構当たりの宿かも?
「えっと、じゃあ取り敢えず1週間でお願いしたいんですけど延長したい場合はどうしたらいいんですか?」
「前日までに言って貰ったら大丈夫ですよ」
「わかりました」
宿帳らしきものに名前と日数を記入してお金を払うと慣れた手つきで部屋の鍵を渡された。出掛ける際には鍵を預けていくのだと言う。それによって、宿泊登録をしていない人を勝手に泊めないように気を付けているのだとか。
「この宿は元々冒険者だった父と母が冒険者を引退した後に冒険者向けに作った宿屋なんですよ。でも冒険者ってランクが下の内は危険の少ない依頼が多い分、報酬額も少ないでしょう?だから無断で宿に別の人を泊まらせたりする人が多いんですよね」
確かにそんな事されて万が一何かやらかしたら、宿の責任問題にもなるし、ならなかったとしても噂されれば屋宿屋のイメージダウンにもなるだろうな、と思う。
「ん?お父さんとお母さん?」
「ええ。私、この宿屋の娘のサラサって言います」
「あ、私はリンと言います。今日街に着いて冒険者になったばかりで......」
「まぁ!まだ小さいに偉いのね!!何か困った事が出来たら父さん達に相談してみると良いわ」
「......そうですね。その時は宜しくお願いします」
確かに冒険者どころか異世界生活自体が初めてなので相談できる相手が居るのは良いかもと考える。
「じゃあこれが部屋の鍵。そこの階段を登って2階に上がった右側の突き当たりの部屋よ。お風呂は各部屋にあって、使い方はお風呂の中に書いてあるわ。朝食は1階の食堂で10時まで。他に何かわからないことがあれば何でも聞いてね」
「ありがとうございます」
私は鍵を受け取って部屋へと向かう。冒険者の人が多く泊まる宿だからかこの時間帯、宿は静かだ。2階は見た感じ10室ぐらいだろうか。
鍵を開けて部屋の中へと入れば日本で言う所謂ビジネスホテルのシングルルームぐらいの広さに、洗面台とお風呂とトイレがあった。
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