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第一章

14:リコリス公爵家・1

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あれから一週間後、僕は馬車に乗って公爵家の前に来ています。
本来まだ5歳の僕がひとりでお茶会に参加する事はないのでお母様達が一緒に来るのが普通なんだけど、今回招待状を貰ったのが僕ひとりだったのでお母様の侍女のマーサが付き添いで一緒に来てくれる事になった。勿論、リコリス公爵家には連絡済み。

.....でも普通に考えて5歳児ひとりでお茶会に来いなんて言わないよね? そこが公爵家ならではの高位貴族の普通なのかなぁ?

お母様から公爵家宛のお土産も王都では大人気の洋菓子を取り扱ってるお店の物を持たされてマーサが手にしている。屋敷の中に入った時に執事の人に渡したよ!案内されてサロンに向かえば、そこにはオーレア様とトラウビー様が座って僕を待っていた。

「ルテウス、来たか」
「ようこそ我が家へ、ルテウス様」

僕の姿を見てニッコリと笑顔で声を掛けてきた。

「今日はご招待いただきまして、ありがとうございます」

お母様に教えて貰った通りに挨拶をして礼をする。仲の良い友人同士でも礼儀として必要なのよ?とお母様が教えてくれたんだ。

「ふふふ。此方こそ招待を受けてくれてありがとう。もう一度ゆっくりルテウス様とお話したいとトラウビーと話してたのよね」
「ああ。あのお茶会でマトモな奴はお前だけだったからなぁ....」
「さ、取り敢えずお座りになって」

確かに.....。皆して第二王子殿下の周りを囲ってたもんね。あれはある意味凄かったと思う。僕がソファへと座ると公爵家の侍女がすかさずお茶を僕の前へと置いてくれる。

「仕方ありませんわ。あのお茶会は水面下で第二王子殿下の婚約者候補や側近候補を選ぶものだったんですもの」
「あ~……だから王子に年齢の近い子ばかり集められてたのか.....お前、よく知ってたな?」
「お母様がコッソリ教えてくれたのよ。絶対に婚約者候補にはならないようにって」

オーレア様がため息をついた。

「あの、公爵家なら第二王子殿下の婚約者候補のひっとうになってもおかしくないのでは?」

僕はふと疑問に思い出しながらオーレア様に尋ねて見た。普通なら一番貴族位が高い家の令嬢が王族ねお嫁さん候補になるんじゃないのかな?

「そうね....でもリコリス公爵家は基本的に政略結婚は推奨していないの.....建前は」
「そうそう」
「....建前は....?」

オーレア様が困った表情を浮かべながら話してくれる。

「社交界では今でも有名なんだけど、先先代の国王陛下....当時の王太子様の婚約者にリコリス公爵家から選ばれたのだけど、学園の卒業パーティーで婚約破棄されたそうなの。しかも王太子様の有責でね....当時学園時代に見初めた男爵令嬢との真実の愛だとか言ったそうよ.....結局その男爵令嬢とも別れて侯爵家のご令嬢と結婚されたそうだけど。それからは王家から縁談の打診があっても一切お断りをしてるそうよ?」
「そ....そうなんですね....」

うん.....どこの乙女ゲームだろう....??というか現実にそんな王太子様が居たんだ....この国に。

その事実が僕には衝撃的だった。





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