気が付いたら肌の色の違う5人の子供達の母になっていました

英会話教室に５０万払った話 ②

　私が暮らしていた温泉街は、最寄りの駅から５キロ程離れていました。
　そしてその駅から仙台駅までは電車で４５分くらいだったと思います。

　都会の方から見れば、仙台なんて東北の片田舎かもしれないですが、岩手県出身の私には、仙台は大都会でした。
　その大都会へ出向く時は、いつも、そっちのセンスは全くないのにもかかわらず、目いっぱいおしゃれをして参上していました。

　間違った方向に頑張った外泊着に身を包み、やり方もわからないままにしたメイクで極太昆布になった眉毛をひっさげた私は、ホクホクと英会話教室を探しに仙台の町を練り歩きました。
　
　当時は携帯電話はまだ普及していなかったので、電話帳で調べた住所辺りを狙って歩き、一番町と呼ばれる場所で英会話学校のサインを見つけました。

　今は歳も取って図々しくなり、人様と話すのに緊張するということがなくなったのですが、当時の私はかなりの緊張しいでした。
　なめられてはイカン、と精一杯おすまししながら、ビルの三階にあった英会話学校へと訪れるべく、エレベーターに乗り込みました。