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第8章 - 裏切り
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ベルトラン、リサ、ミレイア、そして僕は、召喚士たちを絞首台から救い出した後、重い沈黙に包まれていた。輝く黄金の鎧をまとったミレイアが、その静寂を最初に破った。
「質問があるんでしょう。」
彼女は静かに言った。その声は冷静でありながら、僕が切望している問いを察知しているような響きを持っていた。
「もちろんある」
と僕は返した。すぐにでも真実を知りたい僕の気持ちが言葉に滲み出ていた。
「何が起こったのか説明してくれないか。」
彼女は短い間、僕の目を見つめ、どれだけのことを明かすかを考えているように見えた。彼女の声は安定していたけれど、どこかためらいが感じられたのだった。
「すべては、私の部屋で見つけた一通の書き置きから始まったの」
彼女は語り始めた。
「その紙には、まずいつも使っている赤い鎧を脱いで、儀式用の黄金の鎧に着替えるように指示があった。その後、敵を始末したらその死体に火をつけて正体がわからないようにして、私の赤い鎧を着せることで、あたかも私が死んで焼かれたように偽装するように書いてあった。それから宮殿を出て、指定された場所へ向かうようにと締めくくられていたの。」
彼女の声はわずかに揺れ、記憶がまだ新しく、混乱している様子だった。
「最初はそれが何を言いたいのか理解できなかったけれど、その後すぐに宮殿は混乱に陥ったの。とっさにその書き置きの内容を思い出して、急いで儀式の時にしか着ない黄金の鎧に着替えると、ちょうどその時、敵の兵士が二人、私の部屋に押し入ってきた。そうか、これがあの紙にあった『敵』なのか――そう気づいた私はその兵士たちをすぐに排除したの。」
彼女は一瞬、決断の瞬間を思い出すように目を細めた。
「手紙の指示されている内容と起こった現実が奇しくも一致した――だから、私はその内容を信じることにした。ただ、私の予備の剣、三本目の剣を残していったのは私の独断だったけれどね。なぜだか湯島、あなたがこの剣を使ってみんなを助けてくれるかもしれない、そんな考えが頭によぎったの。結果としてあなたはみんなを助けてくれた――私の判断は正しかった。」
ミレイアは続けた。
「その後宮殿を離れて、指示された場所へ向かうと、そこで待っていたのは――」
彼女の声が柔らかくなった。
「ファルコン――あなたの乗っている鉄の鳥がそこにいたの。」
僕の息が詰まった。彼の名前を聞いた瞬間、驚きで言葉を失った。
「彼は言ったの。『乗れ。召喚士たちが処刑される場所へ連れて行く。空から、お前が処刑人に一撃を加えるんだ』って。彼は自身の力でゆっくり飛ぶことはできても、あなたがいなければ早く飛ぶこともできないし、自ら攻撃をすることもできないとのことだったからね。」
僕の驚愕はより強くなったが、彼女の話を中断することはできなかった。話のすべての詳細を聞く必要があったから。
「飛んでいる間、ファルコンはアルベルトのクーデターについてすべてを説明してくれた。裏切りや陰謀。それを聞いて初めて、事の真相が見えてきたの。そして私たちは中庭の上空に着いて空から絞首台が見えるようになると、私を覆っているファルコンの透明のガラスが開いた――そして私はすぐ、自分が遂行すべき義務を果たしたのよ。」
ここで彼女の話は終わった。ただ、僕の心の奥にはもやもやとした疑問が残っていて、まだ気になっている問いがあった。
「わかった。ここに来るまでの経緯は大体理解したよ。」
僕はゆっくりと言葉を紡いだけど、その声には疑念を隠し切れずにいた。
ミレイアが死んだと敵に思い込ませたことで、アルベルト一派が油断するだろうという予測、そして実際に上空からの決定打を奴らは予測できなかったわけだから、この作戦はよく練られている。ファルコンを移動手段として利用するという策も見事と言うほかない。ただ、その計画が緻密であればあるほど、疑念が僕に対して静かに忍び寄ってくるのだった。
「でも、一つわからないことがあるんだ。そもそもその書き置きを君の部屋に置いたのは誰なんだろう?まるで未来を予測しながら全体像を俯瞰して君にアドバイスを残したように思えてしまう。こんなことが可能なのは誰なんだろうか。」
ミレイアの表情は暗くなり、眉が深く寄った。彼女が答えようとしたその瞬間、突然の轟音が空気を裂き、全員の視線が上空に向けられた。
銀色の嵐のごとく空から降りてきたのは、ファルコンだった。その鉄の鳥は中庭に雷のように降り立ち、この混乱に希望をもたらす神のように僕は感じられた。
ファルコンを再び目にして、僕の胸には安堵の波が広がった。信頼する仲間が戻ってきたのだ。しかし、言葉を発する間もなく、次の衝撃的な出来事が展開された。
中庭に響き渡る轟音。壁の陰から大量の兵士が現れ、その鎧と旗から察するに、それは帝国の兵士だった。その先頭に立つのは、僕たちが見知った人物――帝国宰相、アクセル・オクセンシェルナだった。驚いたことに、彼は僕たちの前で跪き、彼に従う兵士たちも一斉にそれに倣った。
ミレイアは即座に反応し、彼女の目は攻撃的に燃え上がった。僕が何が起こっているのか理解する前に、彼女はアクセルに向かって突進し、その刃はまっすぐ宰相に向けられた。舞踏会での不信感がまだ新しく、彼女にとって奴はルクスエリオスの政治的混乱を利用しようとする敵以外の何者でもなかった。
僕はとっさに二人の間に割って入り、手を広げて彼女を止めようとした。
「やめなさいよ、湯島!」
ミレイアの声は怒りに満ち、黄金の鎧が中庭の薄明かりを浴びて輝き、彼女は僕を睨みつけた。
「こいつは、ルクスエリオスの政変に乗じてこの国を乗っ取り、帝国に編入しようとしているのよ。わからないの?」
「待ってくれ、ミレイア、落ち着いて!」
僕は必死に説得しようとした。
「もしそうだとしたら、なぜ彼らはここに跪いているんだ?本当にこの国を乗っ取ろうとしているなら、僕たちを急襲していてもおかしくないだろう。でも彼らはそれをしてない。僕には彼らが戦うために来たようにはどうしても思えないんだ。せめて彼らの話を聞こう。」
「質問があるんでしょう。」
彼女は静かに言った。その声は冷静でありながら、僕が切望している問いを察知しているような響きを持っていた。
「もちろんある」
と僕は返した。すぐにでも真実を知りたい僕の気持ちが言葉に滲み出ていた。
「何が起こったのか説明してくれないか。」
彼女は短い間、僕の目を見つめ、どれだけのことを明かすかを考えているように見えた。彼女の声は安定していたけれど、どこかためらいが感じられたのだった。
「すべては、私の部屋で見つけた一通の書き置きから始まったの」
彼女は語り始めた。
「その紙には、まずいつも使っている赤い鎧を脱いで、儀式用の黄金の鎧に着替えるように指示があった。その後、敵を始末したらその死体に火をつけて正体がわからないようにして、私の赤い鎧を着せることで、あたかも私が死んで焼かれたように偽装するように書いてあった。それから宮殿を出て、指定された場所へ向かうようにと締めくくられていたの。」
彼女の声はわずかに揺れ、記憶がまだ新しく、混乱している様子だった。
「最初はそれが何を言いたいのか理解できなかったけれど、その後すぐに宮殿は混乱に陥ったの。とっさにその書き置きの内容を思い出して、急いで儀式の時にしか着ない黄金の鎧に着替えると、ちょうどその時、敵の兵士が二人、私の部屋に押し入ってきた。そうか、これがあの紙にあった『敵』なのか――そう気づいた私はその兵士たちをすぐに排除したの。」
彼女は一瞬、決断の瞬間を思い出すように目を細めた。
「手紙の指示されている内容と起こった現実が奇しくも一致した――だから、私はその内容を信じることにした。ただ、私の予備の剣、三本目の剣を残していったのは私の独断だったけれどね。なぜだか湯島、あなたがこの剣を使ってみんなを助けてくれるかもしれない、そんな考えが頭によぎったの。結果としてあなたはみんなを助けてくれた――私の判断は正しかった。」
ミレイアは続けた。
「その後宮殿を離れて、指示された場所へ向かうと、そこで待っていたのは――」
彼女の声が柔らかくなった。
「ファルコン――あなたの乗っている鉄の鳥がそこにいたの。」
僕の息が詰まった。彼の名前を聞いた瞬間、驚きで言葉を失った。
「彼は言ったの。『乗れ。召喚士たちが処刑される場所へ連れて行く。空から、お前が処刑人に一撃を加えるんだ』って。彼は自身の力でゆっくり飛ぶことはできても、あなたがいなければ早く飛ぶこともできないし、自ら攻撃をすることもできないとのことだったからね。」
僕の驚愕はより強くなったが、彼女の話を中断することはできなかった。話のすべての詳細を聞く必要があったから。
「飛んでいる間、ファルコンはアルベルトのクーデターについてすべてを説明してくれた。裏切りや陰謀。それを聞いて初めて、事の真相が見えてきたの。そして私たちは中庭の上空に着いて空から絞首台が見えるようになると、私を覆っているファルコンの透明のガラスが開いた――そして私はすぐ、自分が遂行すべき義務を果たしたのよ。」
ここで彼女の話は終わった。ただ、僕の心の奥にはもやもやとした疑問が残っていて、まだ気になっている問いがあった。
「わかった。ここに来るまでの経緯は大体理解したよ。」
僕はゆっくりと言葉を紡いだけど、その声には疑念を隠し切れずにいた。
ミレイアが死んだと敵に思い込ませたことで、アルベルト一派が油断するだろうという予測、そして実際に上空からの決定打を奴らは予測できなかったわけだから、この作戦はよく練られている。ファルコンを移動手段として利用するという策も見事と言うほかない。ただ、その計画が緻密であればあるほど、疑念が僕に対して静かに忍び寄ってくるのだった。
「でも、一つわからないことがあるんだ。そもそもその書き置きを君の部屋に置いたのは誰なんだろう?まるで未来を予測しながら全体像を俯瞰して君にアドバイスを残したように思えてしまう。こんなことが可能なのは誰なんだろうか。」
ミレイアの表情は暗くなり、眉が深く寄った。彼女が答えようとしたその瞬間、突然の轟音が空気を裂き、全員の視線が上空に向けられた。
銀色の嵐のごとく空から降りてきたのは、ファルコンだった。その鉄の鳥は中庭に雷のように降り立ち、この混乱に希望をもたらす神のように僕は感じられた。
ファルコンを再び目にして、僕の胸には安堵の波が広がった。信頼する仲間が戻ってきたのだ。しかし、言葉を発する間もなく、次の衝撃的な出来事が展開された。
中庭に響き渡る轟音。壁の陰から大量の兵士が現れ、その鎧と旗から察するに、それは帝国の兵士だった。その先頭に立つのは、僕たちが見知った人物――帝国宰相、アクセル・オクセンシェルナだった。驚いたことに、彼は僕たちの前で跪き、彼に従う兵士たちも一斉にそれに倣った。
ミレイアは即座に反応し、彼女の目は攻撃的に燃え上がった。僕が何が起こっているのか理解する前に、彼女はアクセルに向かって突進し、その刃はまっすぐ宰相に向けられた。舞踏会での不信感がまだ新しく、彼女にとって奴はルクスエリオスの政治的混乱を利用しようとする敵以外の何者でもなかった。
僕はとっさに二人の間に割って入り、手を広げて彼女を止めようとした。
「やめなさいよ、湯島!」
ミレイアの声は怒りに満ち、黄金の鎧が中庭の薄明かりを浴びて輝き、彼女は僕を睨みつけた。
「こいつは、ルクスエリオスの政変に乗じてこの国を乗っ取り、帝国に編入しようとしているのよ。わからないの?」
「待ってくれ、ミレイア、落ち着いて!」
僕は必死に説得しようとした。
「もしそうだとしたら、なぜ彼らはここに跪いているんだ?本当にこの国を乗っ取ろうとしているなら、僕たちを急襲していてもおかしくないだろう。でも彼らはそれをしてない。僕には彼らが戦うために来たようにはどうしても思えないんだ。せめて彼らの話を聞こう。」
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