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七章 決戦
38話 死戦を越えた先に7
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ルーシー妹の首にグランを突き付けた俺は質問をした。
「お前は兄貴が好きか?」
突拍子のない質問に、彼女はとぼけ顔をしたがすぐに自嘲気味に笑った。
「好きだよ。大好き。愛してたもん」
「そっか。生まれ変わっても兄妹がいいか?」
「うーん。どうせなら血のつながりがない方がいいかな。そしたら結婚もできるしね」
「本当に好きなんだな」
「うん。物心ついたその時から私はお兄ちゃんを慕ってたからね。私がどうなろうともお兄ちゃんだけは守ろうって思ってた。でも、守れなかった…」
彼女は大粒の涙を流しながら「ごめんね」と言いながら嗚咽を漏らした。
「こんなこと言える立場じゃないけど…せめてお兄ちゃんの近くで殺して欲しい」
「ふっ…安心しろ。俺はだれも殺しはしない」
「…え?」
彼女が訳がわからないという顔をしたが、俺はお構いなしに彼女の首を胴体から切り離した。
痛みも感じないほどの一瞬で。
「安心しろ。すぐに終わらせるから」
そう呟いた俺はルーシーが使っていた階段を駆け上がりまた巨大な空間にたどり着いた。
そこには、残りの至高邪神のうち2人が門らしき前で佇んでいた。
一人は筋肉ムキムキのドワーフのような容姿でもう一人は眼鏡をかけてエルフのような容姿をしていた。
「お前らで最後か」
「まさかここまで来るとはな。だが、我々がここで終わらせる」
「残念だったな亜神。俺たちは今までのやつより強いぞ」
ドワーフがそう言うとものすごい速さで迫ってきた。そして俺の目前まで来ると持っていた大斧を振り上げ力いっぱいに振り下ろした。
それを俺はただただ見るだけにしておいた。
キーーン!
金属と金属がぶつかり合ったような音はドワーフの大斧と俺の頭から響いた。
「は?」
「そんなもんか。これならあの龍人の方が強かったぜ」
俺はそう言うとドワーフの大斧をつかんで粉々に砕いた。
「ば、馬鹿な!これはあのお方から授かった斧だぞ!お前のような小童に砕かれるはずが!」
「現に今、目の前で粉々になっているが?」
「クッ…この餓鬼があ!」
「ドワーフ、飛べ!」
ドワーフが俺に殴りかかろうとした瞬間エルフの声が届きドワーフはその場で3メートルを優に越す大ジャンプをした。
「来い!」
エルフ何そう叫びいつのまにか手に握っていた弓を引くとそこに矢が補填されていた。
そして、その周りには魔法陣が浮かんでおりそこから無数の矢が覗いていた。
「穿て!」
エルフがそう叫びながら矢を放った。それとほぼ同時に魔法陣からも矢が放たれた。
それを俺は、また見るだけにした。
放たれた矢は俺に当たった瞬間に弾け飛びこの肉体に傷を与えることはなかった。
「むっ。お前は生物か?この矢はどんなものをも貫くんだぞ」
「全部お前がみている通りだよ。一つ訂正するなら、俺はちゃんと『人』だ」
俺は足元に転がっている矢を一つ手に拾いダーツのように持った。
「ふっ。急にどうした?死ぬのが怖くて頭がおかしくなったのか?」
「相手との力量も測れないカスが何言ってんだ?」
「……なに?」
「まぁみてろって。直ぐに脳天に穴が開くから」
「はははっ!なにを言い出すかと思えば…本当に頭がおかしくなっているようだな。その矢がこの私のところまで届くとでも?」
そう思うだろうな。長さは1メートルを超える矢。それをダーツのように投げれば飛距離もクソもないだろう。
だが、さっきの戦いで制御をはずしたせいでうまく手加減が出来ないんだ。
俺が普通に投げると、矢は音速を超えてエルフの脳天を貫通した。
「…え?」
エルフは反応が遅れてそのまま仰向けに倒れてしまった。
どうやら即死耐性がない珍しい神みたいだ。その分武器やら身体能力に上乗せされてるとは思うが…まぁ死んだあいつにはもう関係ないか。
「ぬおおーー!死に晒せ!」
死角から襲ってきたドワーフの攻撃を特に何かをすることなく体で受け止めた。
すると、俺に当たった途端にドワーフは来た方向に吹っ飛んだ。
「な、なんなんだ…お前」
「さっきも言ったろ?ただの『人』だ」
俺はそう言ってドワーフの首を跳ねた。
「お前らも待ってろ。すぐに戻る」
俺はそう呟いて。こいつらが最初にいた場所の後ろにある巨大な扉を押した。
ーーーーーーーー
久しぶりの更新失礼します。
結局去年のうちにリニューアル版出せませんでした。申し訳ございません。
なぜこの話を今したのかと言うと、皆さんお察しの通り忘れてました。
神界の出来事やミリーナと会うとこまではできてるんですがお見せできるほど完成度が高くなく、作り直し作り直しをしているうちに新年を開けてしまいました。
申し訳ございませんが、リニューアル版は今後出さない方針で行かせていただきます。
外伝の雫ストーリーですが、こちらも最近滞っているので近いうちに更新したいと思います。
期待をさせてそれを裏切る形になり申し訳ございません。
今後も更新頻度は遅いですが、完結まで持っていけるよう頑張るので応援の方よろしくお願いします。
「お前は兄貴が好きか?」
突拍子のない質問に、彼女はとぼけ顔をしたがすぐに自嘲気味に笑った。
「好きだよ。大好き。愛してたもん」
「そっか。生まれ変わっても兄妹がいいか?」
「うーん。どうせなら血のつながりがない方がいいかな。そしたら結婚もできるしね」
「本当に好きなんだな」
「うん。物心ついたその時から私はお兄ちゃんを慕ってたからね。私がどうなろうともお兄ちゃんだけは守ろうって思ってた。でも、守れなかった…」
彼女は大粒の涙を流しながら「ごめんね」と言いながら嗚咽を漏らした。
「こんなこと言える立場じゃないけど…せめてお兄ちゃんの近くで殺して欲しい」
「ふっ…安心しろ。俺はだれも殺しはしない」
「…え?」
彼女が訳がわからないという顔をしたが、俺はお構いなしに彼女の首を胴体から切り離した。
痛みも感じないほどの一瞬で。
「安心しろ。すぐに終わらせるから」
そう呟いた俺はルーシーが使っていた階段を駆け上がりまた巨大な空間にたどり着いた。
そこには、残りの至高邪神のうち2人が門らしき前で佇んでいた。
一人は筋肉ムキムキのドワーフのような容姿でもう一人は眼鏡をかけてエルフのような容姿をしていた。
「お前らで最後か」
「まさかここまで来るとはな。だが、我々がここで終わらせる」
「残念だったな亜神。俺たちは今までのやつより強いぞ」
ドワーフがそう言うとものすごい速さで迫ってきた。そして俺の目前まで来ると持っていた大斧を振り上げ力いっぱいに振り下ろした。
それを俺はただただ見るだけにしておいた。
キーーン!
金属と金属がぶつかり合ったような音はドワーフの大斧と俺の頭から響いた。
「は?」
「そんなもんか。これならあの龍人の方が強かったぜ」
俺はそう言うとドワーフの大斧をつかんで粉々に砕いた。
「ば、馬鹿な!これはあのお方から授かった斧だぞ!お前のような小童に砕かれるはずが!」
「現に今、目の前で粉々になっているが?」
「クッ…この餓鬼があ!」
「ドワーフ、飛べ!」
ドワーフが俺に殴りかかろうとした瞬間エルフの声が届きドワーフはその場で3メートルを優に越す大ジャンプをした。
「来い!」
エルフ何そう叫びいつのまにか手に握っていた弓を引くとそこに矢が補填されていた。
そして、その周りには魔法陣が浮かんでおりそこから無数の矢が覗いていた。
「穿て!」
エルフがそう叫びながら矢を放った。それとほぼ同時に魔法陣からも矢が放たれた。
それを俺は、また見るだけにした。
放たれた矢は俺に当たった瞬間に弾け飛びこの肉体に傷を与えることはなかった。
「むっ。お前は生物か?この矢はどんなものをも貫くんだぞ」
「全部お前がみている通りだよ。一つ訂正するなら、俺はちゃんと『人』だ」
俺は足元に転がっている矢を一つ手に拾いダーツのように持った。
「ふっ。急にどうした?死ぬのが怖くて頭がおかしくなったのか?」
「相手との力量も測れないカスが何言ってんだ?」
「……なに?」
「まぁみてろって。直ぐに脳天に穴が開くから」
「はははっ!なにを言い出すかと思えば…本当に頭がおかしくなっているようだな。その矢がこの私のところまで届くとでも?」
そう思うだろうな。長さは1メートルを超える矢。それをダーツのように投げれば飛距離もクソもないだろう。
だが、さっきの戦いで制御をはずしたせいでうまく手加減が出来ないんだ。
俺が普通に投げると、矢は音速を超えてエルフの脳天を貫通した。
「…え?」
エルフは反応が遅れてそのまま仰向けに倒れてしまった。
どうやら即死耐性がない珍しい神みたいだ。その分武器やら身体能力に上乗せされてるとは思うが…まぁ死んだあいつにはもう関係ないか。
「ぬおおーー!死に晒せ!」
死角から襲ってきたドワーフの攻撃を特に何かをすることなく体で受け止めた。
すると、俺に当たった途端にドワーフは来た方向に吹っ飛んだ。
「な、なんなんだ…お前」
「さっきも言ったろ?ただの『人』だ」
俺はそう言ってドワーフの首を跳ねた。
「お前らも待ってろ。すぐに戻る」
俺はそう呟いて。こいつらが最初にいた場所の後ろにある巨大な扉を押した。
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久しぶりの更新失礼します。
結局去年のうちにリニューアル版出せませんでした。申し訳ございません。
なぜこの話を今したのかと言うと、皆さんお察しの通り忘れてました。
神界の出来事やミリーナと会うとこまではできてるんですがお見せできるほど完成度が高くなく、作り直し作り直しをしているうちに新年を開けてしまいました。
申し訳ございませんが、リニューアル版は今後出さない方針で行かせていただきます。
外伝の雫ストーリーですが、こちらも最近滞っているので近いうちに更新したいと思います。
期待をさせてそれを裏切る形になり申し訳ございません。
今後も更新頻度は遅いですが、完結まで持っていけるよう頑張るので応援の方よろしくお願いします。
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