クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath

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七章 決戦

26話 面倒ごと

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デートを満喫した翌日、俺たちは久しぶりに学校に登校した。

最近の学校のことをミリーナに聞くと、特に変わったことはなくいつも通りだと返された。

クラスに着くと、クラスメイトにどこにいってたんだなどと質問ぜめに会うぐらいで特に変わったことはなく平凡な日を過ごせた。

学校が終わりミリーナの帰ろうとすると、王国の騎士団の人たちが学校の門の前で俺たちを待っていた。

「どうかしたんですか?」
「ミリーナ王女。今回はアラストール殿に至急王宮に来ていただきたくこちらに伺いました。自宅に伺ったのですが姿がお見えになりませんでしたので」

ミリーナが声をかけると、その場の代表らしい人が出てきて頭を下げながらそういった。

「そうですか。ではすぐに呼んできますのでお待ちください」

ミリーナが俺に目配せして、俺は走って家の方角に向かった。
子供の姿の俺がアラストールだと知っているのは学校の奴らと国王ぐらいで、王国の兵士や一般人には俺はただの学生やミリーナの護衛だと思われている。

俺は家に向かうと思わせて裏路地に入り姿を変えた後、ミリーナの場所に戻った。

「待たせたな」
「ううん!全然待ってないよー」
「な、なぜそんなに早くこれるかは謎ですが……早速行きましょう」

たしかに早すぎるが、いちいちそこまでしてたら面倒いためしなかった。

高級な馬車に乗って俺たちは王宮に向かい、10分程度でたどり着いた。
王宮ではセーバスさんが待ち受けていて俺たちが馬車から降りると謁見の間まで案内してくれた。

「多くの貴族がいますが気にせず堂々としてくださいね。今やアスト様は公爵なんですから」
「わかった」

セーバスさんに後押しされた後俺は一人で謁見の間に入っていった。ミリーナとは途中で分かれていて、今は謁見の間の国王の隣でおめかしして座っている。

周りに目をやると、敵意や好意の目が向けられていて少し居心地が悪いがミリーナに目を向けると微笑まれてそれらの目が気にならなくなった。

今まで通りみたく、真ん中あたりで頭を下げておっちゃんの言葉を待った。

「面をあげよ」
「はっ」

隣でミリーナが必死に笑いを堪えていておっちゃんは苦笑いをした。

「此度はお主のお陰で他国におく無駄な死が…少なくはなかったが多くもなかった。元帝国の住民約80万人、元工国の住民2000万人の命を救ったお主の働きに敬意を払い、帝国があった土地をお主が治める権利をやろう」
「…………ッ!?」
「さらに、この国の公爵を退き、新たな国家としてその領地を使うことも許可する」
「……発言してもよろしいでしょうか」
「良い」
「それはつまり、私を新たな国の国王とし貿易回路を作らせることが目的でしょうか?」
「それもあるが、お主の力は世界にすでに知れ渡ってしまった。それを危惧して、あの家では不安要素があるため、お主を新たな国の国王とする事でその不安要素をなくそうとしたのだ」
「……不安要素とはなんでしょうか」
「お主の力を求めて現在も他国から引き取りの手紙が何通か届いておる。もちろん公爵であるお主をみすみす他国に譲ろうなどとは思っておらん。そうすると、お主を狙って争いが起こる。儂はそれを望んでおらん。して、お主を国の王とすれば、その問題は解決すると思ったのだ」
「……なるほど。要するに、私がこの国にいれば争いの元となってしまう可能性があるため国を作り上げその国の王となり他国の要望をこちらに丸投げしようという事ですね」
「まぁ、そういう事だな。すまないな」
「そうですね。すごく迷惑ですがこれも仕方がない事ですからしっかりとその責務を全うしようと思います」
「本当か!それは助かる」
「ただ条件として、物資をいくらか送って欲しいのですが大丈夫でしょうか」
「大丈夫だ。ほかに必要なものがあったら言って欲しい。すぐに準備しよう」
「ありがとうございます」
「では、次の話題に入ろう」
「え?」

俺が疑問の声を上げると、おっちゃんはいたずらが成功した子供のように笑った。

「魔族の襲撃の際、魔族を撃退した功績を認め、二つ名に『英雄』を使用することを許可する。それとともに工業国家ナリュマーの所有権利をお主に譲渡する。このことはナリュマー全国民の総意であり拒むことは不可能である。もちろん意見することも不可能だ」

俺は、目眩が起こるのを必死に堪えながらも頭を下げた。

「……謹んで頂戴いたします」

面倒くさいことになるな。と、心で思いながら俺はそう宣言した。
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