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六章 家族団欒
35話 帰路
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最後に元帝国民たちを馬車に乗せて、俺たちはとうとうボウタオンを出る時がきた。
あのおっさん?あいつならここに滞留(無理やり)させといたから気にすんな。
ここにいたのは一泊だけだったがミリーナや雫たちと過ごした大切な場所だ。俺はそう思いながらしみじみと町を眺めた。頑丈そうな木でできている壁、壁の上にある無数の棘と穴、壁の前にある3メートルほどの深さの水路、そこに住み着くピラニアみたいな凶暴な魚。ちなみに棘には長持ちする毒が塗られていて穴からは吹き矢が出るらしい。
うん。完璧な防壁だなこれ。
「アストどうしたの?」
俺がそんなことを思ってると横からミリーナにそう声をかけられた。
「いやな、この街の防壁ってなんかすごいなと思ってな」
「えへへ、これ考案したの私なんだ。アストに褒めてもらえてよかったよ」
「これ全部ミリーナが考えたのか!?」
「?そうだけど」
無自覚でこんなことしてるのって恐ろしいな。いやまだ壁に棘を付けようとかはわかるけど毒までつけるかね?溝だってさ、深く掘ればいいだけなのになんでわざわざ危険な魚を入れちゃってるの?
と、質問にしてみると。
「んーなんとなく?」
俺はこの時察した。そしてミリーナにいたずらすることは絶対にしないと心に決めたのであった。
なんでかって?かえってくるイタズラが怖すぎんだよ!考えても見ろよ?料理は全部ミリーナに任せてあるんだからいつジャイアンシチューみたいなのが出てくるかわかんないんだぞ。あれだけは絶対にやだ。この季節だからないだろうけどシチューに抜け殻とか絶対にいやだからな!。
「んーとりあえず帰ろうよ」
「あ、ああ」
俺はそのミリーナの声に我にかえにミリーナとともに馬車に乗り込んだ。
街の思い出はもういいのかだって?もう十分だよ。ミリーナがいればいつでもそこが思い出になるんだから。ここだけにとらわれずにいつもを思い出に残しながら生きるんだよ。
俺たちは馬車にゆっくり揺られながら最後尾を走っていく。
一方、雫たちはというと。
「んもーミリッチだらまた抜け駆けしてー」
「まぁまぁお姉ちゃん。そんなに怒らなくても」
雫はミリーナがまたコウキと二人きりでラブラブしてるのが気に食わないようでプンプンしていた。その割にはミリッチというほどにミリーナを大切な友達と思っているのだが。
橙里はそんなお姉ちゃんに呆れながらもなだめようと必死になっていた。
「あ、そういえばお姉ちゃん」
「何よ!?」
「ひっ!て、天界にはいい男性とかいなかったの?」
橙里は怒り狂っている雫の声にビビっていたがそんな質問を投げかけた。すると雫はなんでそんなことを?と不思議に思いすっかりミリーナのことを頭の隅に追いやっていた。
そう、雫は忘れっぽく単純なのだ。
「確か前に言ってよね?えっとアカデミーエデンだっけ?」
「そうだよ。日本語で簡単に翻訳したら理想卿たる学園って感じになるのかな?」
「エデンってなに?」
愛華がそう聞くと雫は笑顔に戻り説明をしていく。
「エデンってのはね。おっきな木のことを言うんだ」
それから雫はみんなに絵本でも読み聞かせるように自分の天界での思い出を話していった。
ーーーーーーーーー
作者より。
先に謝ります。本当にごめんなさい!
ちょっとこれからしばらくの間アストsideではなく雫sideで少しだけやろうかと思ってます。
雫が神界でやってたことを書いていくつもりです。
これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
近況ボードのほうでアンケートをいろいろとっているのでよかったらアンケート?というか武器や防具の強化考案をいろいろしてください。できる限り採用していこうと思ってます。
あのおっさん?あいつならここに滞留(無理やり)させといたから気にすんな。
ここにいたのは一泊だけだったがミリーナや雫たちと過ごした大切な場所だ。俺はそう思いながらしみじみと町を眺めた。頑丈そうな木でできている壁、壁の上にある無数の棘と穴、壁の前にある3メートルほどの深さの水路、そこに住み着くピラニアみたいな凶暴な魚。ちなみに棘には長持ちする毒が塗られていて穴からは吹き矢が出るらしい。
うん。完璧な防壁だなこれ。
「アストどうしたの?」
俺がそんなことを思ってると横からミリーナにそう声をかけられた。
「いやな、この街の防壁ってなんかすごいなと思ってな」
「えへへ、これ考案したの私なんだ。アストに褒めてもらえてよかったよ」
「これ全部ミリーナが考えたのか!?」
「?そうだけど」
無自覚でこんなことしてるのって恐ろしいな。いやまだ壁に棘を付けようとかはわかるけど毒までつけるかね?溝だってさ、深く掘ればいいだけなのになんでわざわざ危険な魚を入れちゃってるの?
と、質問にしてみると。
「んーなんとなく?」
俺はこの時察した。そしてミリーナにいたずらすることは絶対にしないと心に決めたのであった。
なんでかって?かえってくるイタズラが怖すぎんだよ!考えても見ろよ?料理は全部ミリーナに任せてあるんだからいつジャイアンシチューみたいなのが出てくるかわかんないんだぞ。あれだけは絶対にやだ。この季節だからないだろうけどシチューに抜け殻とか絶対にいやだからな!。
「んーとりあえず帰ろうよ」
「あ、ああ」
俺はそのミリーナの声に我にかえにミリーナとともに馬車に乗り込んだ。
街の思い出はもういいのかだって?もう十分だよ。ミリーナがいればいつでもそこが思い出になるんだから。ここだけにとらわれずにいつもを思い出に残しながら生きるんだよ。
俺たちは馬車にゆっくり揺られながら最後尾を走っていく。
一方、雫たちはというと。
「んもーミリッチだらまた抜け駆けしてー」
「まぁまぁお姉ちゃん。そんなに怒らなくても」
雫はミリーナがまたコウキと二人きりでラブラブしてるのが気に食わないようでプンプンしていた。その割にはミリッチというほどにミリーナを大切な友達と思っているのだが。
橙里はそんなお姉ちゃんに呆れながらもなだめようと必死になっていた。
「あ、そういえばお姉ちゃん」
「何よ!?」
「ひっ!て、天界にはいい男性とかいなかったの?」
橙里は怒り狂っている雫の声にビビっていたがそんな質問を投げかけた。すると雫はなんでそんなことを?と不思議に思いすっかりミリーナのことを頭の隅に追いやっていた。
そう、雫は忘れっぽく単純なのだ。
「確か前に言ってよね?えっとアカデミーエデンだっけ?」
「そうだよ。日本語で簡単に翻訳したら理想卿たる学園って感じになるのかな?」
「エデンってなに?」
愛華がそう聞くと雫は笑顔に戻り説明をしていく。
「エデンってのはね。おっきな木のことを言うんだ」
それから雫はみんなに絵本でも読み聞かせるように自分の天界での思い出を話していった。
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作者より。
先に謝ります。本当にごめんなさい!
ちょっとこれからしばらくの間アストsideではなく雫sideで少しだけやろうかと思ってます。
雫が神界でやってたことを書いていくつもりです。
これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
近況ボードのほうでアンケートをいろいろとっているのでよかったらアンケート?というか武器や防具の強化考案をいろいろしてください。できる限り採用していこうと思ってます。
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