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六章 家族団欒

22話 心理と邪神

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瞳を開けるとこの間とおんなじ空間にいた。
だが、ひとつだけ違う点がある。それは目の前にあるどでかい扉だ。

『その扉に手を当てろ。そしたら今のお前に必要な分だけ怒りの感情が湧き上がる。まぁものは試しだ。一度やってみろ』

頭の中でそう言われ、言われるがままに俺はその扉に手を当てた。

『対象の憎悪を確認。所有者の精神、魂状況から見ての最適値は80と査定。憎悪80%分の扉を開きます。使用後は自動で扉が閉まるのでご安心ください。それでは、開きます』

頭の中でいつか聞いたことがある機械音が聞こえその声が終わると同時に扉が少しずつ開いていった。

その扉が開くにつれ、俺の心の奥底にあったなんらかの感情が表へと現れ始めた。その感情は怒り、すなわち憎悪であった。

『よし、こんなもんだな。じゃああとは、おもいっきりやってこい!』

そう言われるや否や一瞬で目の前の景色が変わり先ほどの真っ白の空間に戻ってきていた。

「ん?あれ、なんか一種で雰囲気変わってるし見た目も変わってるんだけど……なんで?」
「そんなのはどうでもいい」

俺は奴の言葉をそう言って切り捨て一瞬で奴の目の前に移動した。
「……ッ!?」
「復讐発動。黙示録アポカリプス80%解放」

そして俺は詠唱を唱える

「我が道を仇なす悪しき者に制裁を下せ。『悪しき者に制裁をペイリッシュ・ウィキッド』」

俺がそう言うとガイア様の体をした邪神は2秒もかからず消滅していった。消滅する前のほんの一瞬で邪神はこう呟いていた。「邪神が僕だけだと思わないことだね」その言葉を最後に邪神は跡形もなく消えた。

地面で立ち尽くしてた俺はだんだんと憎悪が引いていっているのを確認しながら上を見上げた。

「ガイア様、救えずに申し訳ございませんでした」

俺はそう言いながら目を瞑って涙を流した。

「何を泣いておるんじゃい」

その声は、もう聞けないと思っていた方の声だった。その声の方に向くと景色が茶の間になっており目の前では先程消滅したはずのガイア様がお茶を啜っていた。

「…………えっと、なんで生きてるんですか?邪神に体を乗っ取られたのでは?てかさっき自分が消滅させたと思うのですが」
「儂があんな奴に乗っ取られてたまるものか。力を少々失ってしもうたが実態の分身をつくっておっての、彼奴はもう一人の儂を乗っ取っていたのだ。邪神がこっちの動向が分かるのならば儂にだっておんなじことができるからの。彼奴らの度肝をぬいてやったわい」

とめっちゃ元気なことを言っていた。てかやっぱりガイア様だな。チートすぎます。そういえばさっき『復讐』使ったからガイア様の能力って俺が持ってるよな。

「あの、その能力なら全部取ってるので返しましょうか?」

俺がそういうと、ガイア様は首を横に振った。

「あーそれならもういいぞい。お主にやるわい。儂がもっとっても特に使うこともないしの」
「そうなんですか、じゃあありがたく使わせてもらいます」
「それでの、邪神が言っておった邪神が率いるというのは本当だったみたいじゃの。それを含めて、神がそちらに行くのはそちらの世界では今から5年後だ。邪神は全員で10人じゃがコウキくんがさっき消してくれたからの、今は9人になっておる。、そしてその全員が……儂の配下に憑依しておるのだ」
「…………ということは!?」
「安心せい、お主の師匠たる武神や魔神は儂が守っておったからの。じゃがそれ以外の神は残念じゃが乗っ取られてしまった。その神も一応は上級神であるからの、其の者にも配下がおるしその配下ごと邪神軍に乗っ取られてしまった」
「邪神軍ということは、邪神の方にも軍があるのですね」
「そうじゃ、お主の世界におる邪王がその軍の指揮者じゃ」
「邪王と魔王は違うのですか?」
「邪王は邪の心に支配されたものをいう。魔王はそのまんま魔族の王じゃな。魔王といってもお主が想像しておるような外道ではないぞ」
「そうなんですか。それで、僕はどうしたらいいのでしょうか」
「とりあえず、5年間はあやつらは何もせんはずじゃ。何かあったらまたこうして伝えてやる。この5年間はどうしようが自由じゃが、決して慢心はするでないぞ。日々鍛錬じゃ。時間が欲しいようならいつでもここに来るといい」
「ありがとうございます」
「さて、もう時間じゃな。頑張るのじゃぞ」

ガイア様がそう言うと俺はベットの中で目を覚ました。目の前では可愛い寝顔をしているミリーナがいる。

「5年…か。もっと強くならないとな」

俺はそう呟きながらもう一度眠りに入った

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作者より。
遅くなってすいません。
これからもよろしくお願いします。
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