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六章 家族団欒

14話 心の自分

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気づくと、そこにいた。

真っ青な空に心地いい風が草木を揺らしている空間と真っ赤な空に気味の悪い風が荒野を荒らしている空間が繋がっており俺はその真ん中に立っていた。

すると、2つの空間からひとりずつの少年?らしきシルエットをした光が現れた。

『君たちは?』

俺はとっさに思い浮かんだ質問を彼?に投げかけた。

『『僕(俺)はもうひとりの僕(俺)だ』』

よく分からない答えだったがなぜかきき返そうとは思わなかった。

『どうしてここにいるんだ?』
『君が僕を否定しているから?かな』
『お前が俺を否定しているから、だな』

また質問をするとまたよく分からない答えが返ってきた。

『俺は……どうなるんだ?』
『今の俺のままだと、全部失ってしまう。だから、このもうひとりの俺を否定するな』
『否定?いつそんなことをしたんだ?』
『雫が死んだあたりから。あの時、心の支えになるものがあったら今頃はこんなことになってなかっただろうね』
『なぜそう思う』
『君は僕だ。それぐらいわかるよ。
今の君は心が不安定すぎる。ミリーナと出会って一時期は落ち着きを取り戻したけど今の君はもう君じゃない』
『何が言いたい』
『君には僕、つまり善、優とも言うけど、その心が足りてないんだよ。君は全てを破壊し尽くす。このままだとね』
『そんなことはありえない』
『いいや、ありえるんだ。いつかは分からない。だが、俺の感情はいつか爆発する』
『ならどうしろと?』
『僕を受け入れて。そうすれば君は、本当の意味で世界最強に、いや』
『『全宇宙最強にもなれる』』
『どうして、その話を俺にするんだ?』
『何度も言うけど。君は僕だ。つまり、僕は君なんだ。僕を救うのに理由なんているかな?』
『……ふっ、確かにな。俺にはもう何かに復讐することなんてないだろう。……分かった。君を……いや、俺を受け入れよう』
『ふふっ、そうじゃなくっちゃね』

1つの光のシルエットはだんだんと俺に近づきそのまま俺の体の中に入ってきた。
今までのムカムカやイライラと言った感じが綺麗サッパリなくなり俺の心は目の前に広がる草原のように清々しかった。

『こっちの俺の心は、全ての飲み込んで全てを破壊する。だから絶対に、後悔をするな。お前が今受け入れた心はそうならないためにあるんだからな。だが、お前がこの心を望むなら俺はお前になろう』

その言葉を最後に聞き俺は気を失ってしまった。

ーーーーーーーーー
作者より。
二つ目です。
これからも応援よろしくお願いします。
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